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孤独なワイバーン2
スゥー、スゥー。
後頭部、首筋、背中、生暖かい鼻息が一層の恐怖を誘ってくる。
なんだよ!殺るなら早く殺れ!
ピィー。
黒板を擦る音が脳髄に刺さる。堪らず耳を押さえるが止まらない。
うっ。
込み上げる吐き気に頭を上げると、音はピタリと止まった。
グググ…
背後の強烈な威圧に振り返ると、口周りを汚したワイバーンが恐ろしい剣幕で睨みつけていた。
俺よりも果実の方が美味いのかよ!
いや、ツッコミなんてしてる場合じゃないだろ俺!
だがワイバーンは掛かってくるどころか、数歩後退りをして此方を伺っている。
何で襲いかからないんだ?
あまり動かないワイバーンをよく見ると、体の至る所が擦り傷や切り傷だらけで、右後ろ足は力が入らないのか完全に引きずっている。
そういえば、最初に出くわした時、ワイバーンは大分高い位置に居たのに飛び立たず歩いて此方に近づいてきた。
もしかして飛べないのか?
翼は脇に畳まれているので確実には分からないが、機動力がこれだけ制限されているなら逃げられるかもしれない!




