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魔剣を拾ったら中身が飯にしか興味のない生意気少女だった 〜無限の魔力と空間魔法でダンジョン無双〜  作者: 竜刃丸


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13/17

第11飯 チキン南蛮

申し訳ございません。

昨日の投稿を間違えていました。


「ふるーつばすけっと?」


翌朝。ちゃぶ台の向かいで、ヴィヴィが焼き鳥の残りをつついていた。朝から焼き鳥。しかも昨日あれだけ食っておいてまだ食う。


「アイドル探索者グループだよ。巷で人気の」


俺はスマホの記事を、ヴィヴィに見せてやった。『アイドル探索者グループ FRUITS BASKET が渋家ダンジョンに挑戦!』の見出しと、五人の少女が並んだ写真。


「あいどる?」


「歌ったり踊ったりして人気を集める仕事だ。……で、このグループは探索者もやってる。両方やってるから話題になってるらしい」


「ほう。そんなのがおるのか」


ヴィヴィが、興味なさそうに焼き鳥をかじる。


「で、どうするのじゃ?」

「どうもこうも。やることは変わらん」


俺は指を折って数えた。


「一つ、飯になるモンスターを狩る。二つ、配信をする。三つ、ボスを倒して魔剣を取る。以上だ」

「あいどるは?」

「無視だ。向こうも仕事で来てるんだろうし、こっちはこっちで忙しい」


そもそも、あっちは事務所がついたプロで、こっちは飯を撮ってるだけの個人配信者だ。住む世界が違う。関わることもないだろう。


「うむ。では飯じゃな」

「そこは変わらんな、お前」


こうして俺たちの渋家ダンジョン周回が始まった。



 ◇



結論から言うと。


五日経っても、魔剣は出なかった。


ダンジョンは一日に一度、中身がまるごとリセットされる。倒したボスも、狩ったモンスターも、翌日にはまた元通り現れる。壁に穴を開けても、一日経てば塞がっている。だから周回のペースは一日一周。それ以上は狩れない。


つまり五日通って、メガガルーダを五回倒した。それだけやってまだドロップなし。


「なあヴィヴィ。これ本当に出るのか?」

「知らんわ。わしのせいではないぞ」


三日目あたりから、ボス戦は完全に作業になっていた。頂上まで飛ぶ。サイクロンをロックで防ぐ。ふところに入ってショックかバースト。終わり。所要時間、三分。カップ麺かよ。

最近はシフトで飛ぶのも慣れてきたからバーストも当たる。


普段なら高難易度のボスでも、こうも簡単に倒していると慣れたようだ。

配信においてもこの状況をすでに受け入れている。なお、冒険者ランクはE→Dになった。


>今日も三分クッキング

>ボス戦が日常業務になってて草

>メガガルーダが可哀想になってきた

>ダンジョンボスを簡単に倒せる配信はここだけです!

>冒険者ランクの上昇スピードが異常

>ニキ、Dになったんだっけ?

>短剣ニキ、今日で何回目?

>五回目です


道中のガルーダはそれなりに狩った。こっちは群れで出てくるから、いくらでも肉が手に入る。

正直メガガルーダと比べたら肉質がおちるからほとんど拾わない。魔石とか素材だけ大雑把に切ってインベントリにしまう。


メガガルーダだけは持ち帰って、あとは素材として売る。食べれるところは分けてもらう。


貴重なメガガルーダの納品もさすがに過剰供給気味か? 渋家ギルドの田中さんも三日目からは、またですか……とため息をつき出した。しゃあない。



 ◇



ここ数日は鶏肉料理のオンパレードだった。


一日目 唐揚げ。

マヨネーズ、レモン、塩、しょうゆ、色々な味のバリエーションを出してみた。そもそもヴィヴィは唐揚げが大好物のため、黙ってても食べまくる。

「うま、うま」とどこぞのカレー好きみたいに頬を真っ赤にして平らげていた。


二日目 トマト煮 野菜とトマトと鶏肉を煮込んだ簡単料理だ。大量に作れるしヘルシーで上手い。大味が好きなヴィヴィは野菜があってもおいしく食べれたようだ。おれの健康にもよい。


とまぁ、こんな感じで三日目、四日目も鶏肉料理が続いた。

本日の五日目の配信は、チキン南蛮だった。


ガルーダのモモ肉に衣をつけて、からりと揚げる。それを甘酢にくぐらせて、自家製のタルタルソースをたっぷりとかける。


ゆで卵と玉ねぎを刻んで、マヨネーズと少しの酢で和えたやつだ。


「ほれ、できたぞ」

「おおおっ、これは……!」


黄金色の衣に、白いタルタルがとろりとかかっている。ヴィヴィが箸を突き刺して、大きな一切れを口に運んだ。


「んんっ! 甘い! 酸っぱい! でもころもがさくさくで、中の肉はじゅわっとしとる! なんじゃこの、三重の攻撃は!」

「甘酢とタルタルで味が二重になるからな。揚げ物なのに、さっぱり食える」


>チキン南蛮とかずるい

>タルタル自作は勝ち組

>ヴィヴィアンちゃんの語彙が独特で好き

>深夜に見るもんじゃなかった

>もうこの料理配信ならぬ飯テロ配信を毎日楽しみにしてる

>わかる、苦しいがわかる


毎日違う料理を作って配信する。おかげでチャンネルの登録者はじわじわと増えている。


だが。


「……のう、下僕」


ヴィヴィがぽつりと言った。


「わし、ちょっとだけ……鶏に飽きてきた気がするのじゃ」

「奇遇だな。俺もだ」


贅沢ぅ、ついに言いやがった。この何でも食う大食い魔王が。まあ、六日連続で鶏だ。無理もないか……俺だってそろそろ違うものが食いたい。


「よし。じゃあ明日は、ちょっと刺激的な料理にするか」

「刺激的?」

「ああ楽しみにしてろ」



=========================

 ここまでお読みいただきありがとうございます。

 本日はもう一話、7:20に更新予定です!

 そちらもよろしくお願いします。


 

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