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『菊理姫様!お導きを!』〜英雄の誕生〜  作者: ぽんぬ
第三章

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第七十一話 戦友たちの傷跡

毎日18時更新

こちらは、外伝となっております。


気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。

気がついたらうちは別の所に来ていた。


元テロ対策本部でヒロがひたすら仕事をしているのが見える。


「丸さん、俺らしばらくおらんようなるの、申し訳ないです。引き継ぎだけは頑張りますわ。」ヒロが電子タバコ吸いながら話す。


「えぇよ。それよりも櫻子さんをちゃんと支えてやれや。」そこで丸山も電子タバコの煙を吐く。


「あの…。ここ禁煙なんですけど…。」なぎさが指摘する。


「今だけ許して!なぎ!お願い!」ヒロが懇願する。


「今だけですよ…。」


「そう言えば、なみは大丈夫なん?時々、俺ら手伝ってくれるの嬉しいけど。」ヒロがPCを叩きながら話す。


「上野さんが、構ってくれてるので。文字を教えたり、運動したりしてます。」なぎさが答える。


「年の離れた兄弟みたいなものか。上野も案外面倒見えぇんやな。」丸山が話す。


「……兄弟でしょうか?」


そこで、ヒロと丸山の手が止まる。


そして、ゆっくりとなぎさを見た。


考え込むなぎさ。


「…でも、どんな形の愛でも姉として見守るつもりです!」そう元気に言った。



次にやって来たのは屋敷の一室だ。


「友香里様!おやめください!」


友香里を止める側仕えの声がする。


「あかん!汚いねん!」


「そんな事ありません!もう湯に入るのはおやめください!」


それでもなお、バスルームに向かおうとする友香里。


「汚い!汚い!汚い!」


バスルームに無理やり入る友香里。


ひたすら体を洗い始める


特に自分のーーー。


「友香里様!おやめください!血が出ています!」側仕えの悲痛な叫び。


友香里の足の間から血が流れる。


その様子をこっそり冬馬が覗く。


「いやぁぁぁぁぁぁ!」


冬馬を見た友香里が口元を押さえて絶叫し、その場で胃の中のものをぶちまけた。


その様子を見て走りだす冬馬。


冬馬の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。


次に見えたのは、豊富と茜茜シーシーがいた。


豊富が医者に来ている。


茜茜が豊富に目隠しをしながらひたすら話している。


「それでネ!ワタシも時々櫻子の所に行くネ!」


「あぁ、行ったれ。ヒロだけだとあかんやろ。」


医者が注射を打つ。


素早く看護師が片付ける。


医者が茜茜シーシーを見て頷く。


「はい!終わったネ。」


目隠しを取る茜茜。


豊富は笑っているが汗がすごい。


「すまんな…。」小さく呟く。



また、場面が変わる。


豊富と茜茜シーシーがベッドで寝ている。


二人とも服を着ていない。


薄いシルクの布団を体にかけている。


「っは!」豊富が飛び起きる。


「翔太郎…。」茜茜が心配そうに見る。


「茜茜!あれやってくれ!」


「あんまりやらない方がいいよ…。安眠の魔道具の方が安全ネ。」


「あれじゃ、あかんねん!あれだとあかんねん!」そうして茜茜に抱きつく豊富。


「わかったヨ!」


そうして、茜茜は豊富に桃色の煙を吹きかける。


豊富がゆっくり目を閉じて寝息をたてる。


茜茜はそんな豊富の様子を悲しそうに見つめていた。



次に見えて来たのは静かなバーだ。


三条と徳田が静かに酒を嗜んでいる。


「いつまで櫻子君を休ませるべきだろうかね。」徳田が三条に話す。


「休んでどうにかなる事ちゃいますやん。」三条が乱暴に言う。


「あの時、田中を男爵にして…。無理やりにでも引退させても良かったかもな…。」徳田がグラスの酒を一口飲んだ。


「それやと田中君の負担が大きすぎますやん。」三条が頭を抱える。


「私は……尚人になんて言えばえぇんや!」そこで感情的にドンと机を叩く。


静かに喉を鳴らす三条。


「友香里も復帰出来るんかね?」徳田が静かに言う。


切り替えて顔を上げる三条。


「あんな友香里君の姿を見て…。冬馬君も精神的にすり減っている。」


「豊富は?」徳田が三条に聞く。


「注射がトラウマで…。医療行為が難しくなってる。茜茜君が支えているよ。」


沈黙が二人の間に流れる。


「徳田さんも…。大丈夫なんですか?妹さん…。」三条が声をかける。


「酷く…。非難されたよ。やっぱり例外なんて出したからだ…と」そこで徳田から嗚咽が漏れる。


「17だ。しかも遺体もない…。墓には…。海斗が最後に着ていた軍服を埋葬した。」


「冬馬君が持ってきてくれたから…。私の所はまだ…。でも、小さい頃から見てきた海斗が…。」


そこで、静かに泣く徳田。


三条の前だけ甥っ子を思う伯父になることができたのだろう。

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