第六十五話 戦火の幕開け
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こちらは、外伝となっております。
気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。
一斉に部隊が動く。
はじめに動いたのは海坊主だった。
大波をあげて敵の軍艦を揺らす。
自衛隊が敵陣に砲弾を打ち込んだ。
相手側も結界で弾き返す。
敵の道士がこちらに飛んで来るのが見える。
「自衛隊は後方に!引け!魔術部隊は敵陣に打ち込み開始!」櫻子が軍に指示を出す。
瞬時に反応して魔術師部隊が魔法を撃ち込む。
海面を様々な色の魔術が閃光となり敵陣営を襲う。
その様子をヒロが双眼鏡で覗いている。
「どんな様子だ?」
「敵陣の結界に綻びを確認。」
「自衛隊!砲台用意!」
自衛官が砲弾に弾を込めた。
「撃て!」上野が指示をする。
敵の陣営から煙が上がる。
櫻子とヒロはしばらく様子を見ている。
「これで、降伏してくれたらいいが…。」櫻子が苦しそうに話す。
「伊達将官!高速で敵・魔術師がこちらにやってきます!一人です…。」
「アイツや!」双眼鏡で様子を伺っているヒロが叫ぶ。
櫻子とヒロが目を合わす。
「櫻子先輩♩材料集めてくれたんですかぁ〜♩」アレクの声がこちらの陣営に響く。
「全員!衝撃に備えろ!亜人達は自衛官を守れ!」櫻子がヒロの手を握りながら号令を出した。
今回は、自分を失わないようにーーー。
櫻子とヒロのマスコットが揺れる。
物凄い速さで突っ込んでくるアレク。
櫻子が結界に魔力を流し強度を上げた。
アレクが注射器を結界に突き立てる。
ニコニコととても楽しそうに結界を破壊する。
「総員!退避!」
自衛官から先に逃げ出した。
「ダメですよぉ♩」アレクが結界の綻びから粉薬を撒く。
亜人達が悶えはじめた。
「田中将補は撤退の指示を!」
そうしてーーー。
「ヒロ。ごめん。」
そう言うと泣き出しそうな顔で櫻子が飛行魔法でアレクの元に行く。
その背中を目を揺らしながらヒロが見つめる。
「妖部隊は、亜人を擁護しながら撤退しろ!」ヒロが怒号を飛ばす。
櫻子は菊理姫さまの糸をつけてアレクにハサミを投げつける。
物凄いスピードでアレクの体を切り刻みにかかる。
しかし、紙一重で避けるアレク。
ニヤリと笑う。
櫻子に粉薬を撒く。
「払いたまえ、清めたまえーー。」禊の詠唱を素早くする櫻子。
「その禊って厄介ですよね。」アレクが眉を顰める。
「でもーーー。」
「櫻子先輩以外の方はどうでしょうねぇ。」
そこで、アレクが粉薬を部隊に投げつける。
「魔術師部隊!禊の詠唱をしろ!」ヒロが指示を出す。
魔術師が一斉に詠唱を開始する。
「あの筋肉肉ダルマ本当に邪魔だなぁ」アレクが憎々しげに言う。
「あなたの相手は私だ!」そこに櫻子がハサミで切り掛かる。
大剣ほどの大きさにしたハサミを構えアレクの首を狙う櫻子。
アレクはまたも避ける。
避けながら櫻子に注射器を投げつける。
結界で弾き飛ばす櫻子。
櫻子が氷嵐を打ち込みながらアレクに切り掛かる。
アレクが腕でハサミを受ける。
睨み合う両者。
アレクが注射器を取り出した。
『絶対零度。』
櫻子が詠唱する。
夏の空気が一気に冷えて全ての物を凍らせる。
アレクが持っている注射器を凍らせた。
ほのわずかにアレクの顔から笑顔が消える。
その隙を見逃さない櫻子。
ハサミを大ぶりに構え叩きつける。
吹き飛ぶアレク。
櫻子がそれを見守ると地上から衝撃が轟いた。
地上では、ヒロが怒号を飛ばしていた。
「妖部隊は左右に展開!敵・道士を向かい撃て!」
鬼と天狗の部隊が左右に分かれる。
天狗が風魔法で相手の道士を巻き上げる。
鬼が金棒を振り上げて道士に打ちつける。
そうしているうちに鈴を持った部隊がやってきた。
「鈴を持った部隊が右舷から来る!魔術師は禊の詠唱を強化!」
「高天原に神留り坐す皇親神漏岐神漏美の命以て天津神国津神八百万の神等(神たち)群へ坐しーーー。」
魔術師の詠唱が強くなる。
リーン!
鈴が鳴る。
閃光が走る。
しかし、人々は魔石にならない。
「打ち方構え!撃て!」上野が自衛官に指示を出す。
鈴を持った道士に銃弾が飛ぶ。
鈴の道士の体にバラバラと弾丸が当たる。
道士の一人がアレクの粉薬をばら撒く。
天狗が風を巻き起こし蹴散らす。
「薬が厄介やな…」その様子を見るヒロ。
「全員、風上へ退避!粉薬に気をつけろ!」
部隊が後退しはじめる。
その刹那ーーー。
ズンっーーー。
地響きが人々が襲った。




