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『菊理姫様!お導きを!』〜英雄の誕生〜  作者: ぽんぬ
第二章

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第四十一話 クリスマスプレゼントのくるみ割り人形

毎日18時更新

こちらは、外伝となっております。


気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。


※作者も「魔女裁判」で精神的にやられてるので今日は、一回です※

場面が変わる。


飛行魔法で、神辺の街を見下ろしている櫻子がいる。


ビルが爆発され、警報がなる。


そんな様子を眉一つ動かさないで見ている櫻子の顔が不気味だ。


隣には、ヒロがいる。


「了解。櫻。住民の避難が終わったって」


「そう、じゃ行こう。」


そこで、櫻子が飛行魔法を解除して地面へ降下する。


頭から櫻子が落ちていく。


地面スレスレで飛行魔法を繰り出し、その勢いで辺りにいる鈴を持った人々を立て続けに切り付ける。


バラバラと灰になる人々。


櫻子は、爆破されたビルへと向かう。


鈴を持った男が見える。


櫻子は、糸をハサミにつけると、男に向けて飛ばす。


鈴を鳴らそうとした男の腕がちぎれ落ちる。


灰にならない。


人のようだ。


「……!」櫻子の口元がゆっくりと吊り上がる。


()()()()()()()。」


そう呟くととてつもない速さで男との間合いを詰めた。


驚愕した男の首をーーー。


血飛沫をあげている男の体が崩れ落ちる。


神器のハサミから血が滴る。


ゴロンと生首が櫻子のブーツに当たった。


櫻子は、ゆっくりと生首を持ち上げる。


そこへヒロが飛行魔法でやってきた。


「俺、いらんやん。で、今回の実行犯はこいつなん?」ヒロが櫻子が持っている生首を見て言う。


「そうみたい。記憶の引き出しお願い。」そう言うと無造作に生首を投げた。


櫻子が瓦礫の山となっている街を歩いていく。


ヒロが櫻子に声をかけようとしてやめた。


アスファルトが夏の日差しに照らされて陽炎を生み出している。


ゆらゆらと揺れる陽炎の向こう側にいる櫻子がとても遠く感じた。



場面が変わる。


領地庁のようだ。

以前、戸籍を確認した時に来たことがある。


その中の一室に櫻子がいた。


簡素な机だけがある。


そこにテロ対策本部とだけ書かれている。


櫻子の後ろのホワイトボードには、地図や被害報告、戦況などが書かれいてる。


そこで、櫻子がPCを操作している。


「伊達様が動いてくれてるのはわかりますが、住民の不満が募っています。」櫻子の目の前にいる中年男性が話す。


「それは、行政の仕事では?」PCから目を離さずに櫻子が答える。


「し、しかし、伊達様が、警察署でしていただいた様な演舞をーーー。」


そこで、櫻子は、PCから目を離して男を見る。


「佐藤知事。」そこで櫻子がにっこりと笑う。


「はい……。」


「あなたは、今。」そこで櫻子がタバコの箱を取り出す。


「菊理姫様の加護を…。」カチッとタバコのメンソールを歯で潰す。


「何千人に配れ。そう仰いましたか?」マッチに火をつける櫻子。


背筋が凍る。


「ささやかなものでもいいのです。それだけでも…。」知事が懇願する。


櫻子の口元がにぃと持ち上がる。


不気味だ。


「知事は、私の魔力が無限大だと?」


「いや…。そのようには…。」


「でも、そのように聞こえますねぇ。私は、あなた方に都合よく魔力を作る道具ですか?」櫻子がゆっくりタバコを吸う。


知事の顔から余裕がなくなる。


「軽く見られたものですね…。」そこで、櫻子が、煙を吐く。


「領主庁は、全館禁煙で…。」


櫻子はタバコをゆっくりと吸う。


「…で?」知事を見る。


男がバタンと倒れた。


それを見ていた、ヒロが知事に近づく。


「別に話聞かんでえぇけど、話を聞いてる風は必要やで…。」櫻子の威圧で失神した知事を運ぶヒロ。


それを見ずにひたすらキーボードを叩く音だけが響く。


景色がゆっくりと滲む。


色が溶け合う。



次に見えたのは、ダンジョンの秘密基地だ。


櫻子が猫又になった楓達をブラッシングしている。

笑顔がぎこちない。


「ママ上。私もママ上を手伝いたい。」楓が言う。


「あかん。」短く言う櫻子。


「でも、僕たちも手伝いたいよ!」と紅葉。


「私たちにも出来ることないか、ロッキーと話したの!伝令係とかあかん?私たちなら相手に情報キャッチされないで動ける。」竜胆が話す。


「楓達も櫻子を心配しているでしゅ…。少しは、休むでしゅ。」ロッキーが櫻子の肩に乗る。


櫻子が、頬をロッキーに擦り付ける。


「ありがとう…。」


「ありがとう…。」


今にも消え入りそうな声で礼を言うと回復薬を飲み干す。


空になった小瓶をテーブルへ置く。


「行ってくるね。」振り返ることなく部屋を出ていった。


それを猫又三匹とロッキーが見送った。

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