第四十一話 クリスマスプレゼントのくるみ割り人形
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こちらは、外伝となっております。
気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。
※作者も「魔女裁判」で精神的にやられてるので今日は、一回です※
場面が変わる。
飛行魔法で、神辺の街を見下ろしている櫻子がいる。
ビルが爆発され、警報がなる。
そんな様子を眉一つ動かさないで見ている櫻子の顔が不気味だ。
隣には、ヒロがいる。
「了解。櫻。住民の避難が終わったって」
「そう、じゃ行こう。」
そこで、櫻子が飛行魔法を解除して地面へ降下する。
頭から櫻子が落ちていく。
地面スレスレで飛行魔法を繰り出し、その勢いで辺りにいる鈴を持った人々を立て続けに切り付ける。
バラバラと灰になる人々。
櫻子は、爆破されたビルへと向かう。
鈴を持った男が見える。
櫻子は、糸をハサミにつけると、男に向けて飛ばす。
鈴を鳴らそうとした男の腕がちぎれ落ちる。
灰にならない。
人のようだ。
「……!」櫻子の口元がゆっくりと吊り上がる。
「人間見いつけた。」
そう呟くととてつもない速さで男との間合いを詰めた。
驚愕した男の首をーーー。
血飛沫をあげている男の体が崩れ落ちる。
神器のハサミから血が滴る。
ゴロンと生首が櫻子のブーツに当たった。
櫻子は、ゆっくりと生首を持ち上げる。
そこへヒロが飛行魔法でやってきた。
「俺、いらんやん。で、今回の実行犯はこいつなん?」ヒロが櫻子が持っている生首を見て言う。
「そうみたい。記憶の引き出しお願い。」そう言うと無造作に生首を投げた。
櫻子が瓦礫の山となっている街を歩いていく。
ヒロが櫻子に声をかけようとしてやめた。
アスファルトが夏の日差しに照らされて陽炎を生み出している。
ゆらゆらと揺れる陽炎の向こう側にいる櫻子がとても遠く感じた。
場面が変わる。
領地庁のようだ。
以前、戸籍を確認した時に来たことがある。
その中の一室に櫻子がいた。
簡素な机だけがある。
そこにテロ対策本部とだけ書かれている。
櫻子の後ろのホワイトボードには、地図や被害報告、戦況などが書かれいてる。
そこで、櫻子がPCを操作している。
「伊達様が動いてくれてるのはわかりますが、住民の不満が募っています。」櫻子の目の前にいる中年男性が話す。
「それは、行政の仕事では?」PCから目を離さずに櫻子が答える。
「し、しかし、伊達様が、警察署でしていただいた様な演舞をーーー。」
そこで、櫻子は、PCから目を離して男を見る。
「佐藤知事。」そこで櫻子がにっこりと笑う。
「はい……。」
「あなたは、今。」そこで櫻子がタバコの箱を取り出す。
「菊理姫様の加護を…。」カチッとタバコのメンソールを歯で潰す。
「何千人に配れ。そう仰いましたか?」マッチに火をつける櫻子。
背筋が凍る。
「ささやかなものでもいいのです。それだけでも…。」知事が懇願する。
櫻子の口元がにぃと持ち上がる。
不気味だ。
「知事は、私の魔力が無限大だと?」
「いや…。そのようには…。」
「でも、そのように聞こえますねぇ。私は、あなた方に都合よく魔力を作る道具ですか?」櫻子がゆっくりタバコを吸う。
知事の顔から余裕がなくなる。
「軽く見られたものですね…。」そこで、櫻子が、煙を吐く。
「領主庁は、全館禁煙で…。」
櫻子はタバコをゆっくりと吸う。
「…で?」知事を見る。
男がバタンと倒れた。
それを見ていた、ヒロが知事に近づく。
「別に話聞かんでえぇけど、話を聞いてる風は必要やで…。」櫻子の威圧で失神した知事を運ぶヒロ。
それを見ずにひたすらキーボードを叩く音だけが響く。
景色がゆっくりと滲む。
色が溶け合う。
次に見えたのは、ダンジョンの秘密基地だ。
櫻子が猫又になった楓達をブラッシングしている。
笑顔がぎこちない。
「ママ上。私もママ上を手伝いたい。」楓が言う。
「あかん。」短く言う櫻子。
「でも、僕たちも手伝いたいよ!」と紅葉。
「私たちにも出来ることないか、ロッキーと話したの!伝令係とかあかん?私たちなら相手に情報キャッチされないで動ける。」竜胆が話す。
「楓達も櫻子を心配しているでしゅ…。少しは、休むでしゅ。」ロッキーが櫻子の肩に乗る。
櫻子が、頬をロッキーに擦り付ける。
「ありがとう…。」
「ありがとう…。」
今にも消え入りそうな声で礼を言うと回復薬を飲み干す。
空になった小瓶をテーブルへ置く。
「行ってくるね。」振り返ることなく部屋を出ていった。
それを猫又三匹とロッキーが見送った。




