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『菊理姫様!お導きを!』〜英雄の誕生〜  作者: ぽんぬ
第一章

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第三十三話 太陽と月が出会う時

毎日18時更新

こちらは、外伝となっております。


気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。


※作者が完全に機能停止したので今日は、一日一回の投稿です。

色が形づく。



謁見の間の前には、多くの式部官が前に待機して扇で口元を隠しながら何やらコソコソ話していた。


その中に佐竹が居た。


そこに櫻子とヒロが空間移動魔法で現れる。


式部官達は、突然現れた櫻子達にギョッとしたが、ヒロを見ると蔑みの目で見た。


「お主は拐かされたのでは、ないのか?それにそんな穢れた者を神聖な帝の御所にーー。」と佐竹が話し終わる前に体が吹き飛び、壁に叩きつけられる。


佐竹は、標本の虫がピンで留められた虫の如く、壁に貼り付けられる。


「ぐはっ!」佐竹の口から血が出る。


「櫻。やりすぎや!俺なら大丈夫だから!」ヒロが言う。


櫻子が、佐竹に威圧をかけるのをやめる。


ずるずると佐竹が壁から崩れ落ちる。


櫻子が、一歩踏み出す。


式部官が、顔色を変えて道を開ける。


そこへバタバタと違う式部官達が走ってくる。


明らかに他の式部官達より、位が高いのがわかる。


「伊達殿か!無事だったのか!」大和貝紫の衣を纏った式部官が櫻子に駆け寄る。


「殿下。帝に謁見を願いたいと思います。」櫻子が静かに言う。


櫻子の不動明王が宿る目が光る。


駆け寄った式部官が、少したじろぐ。


「あい。わかった。」短く言うと謁見の間を開けた。


式部官二人と櫻子とヒロが入る。


中には、三条とライラ。それに徳田が居た。


御簾を開けて帝が座っている。


帝は櫻子を見ると大層驚いた様子で目を見開き、そして安堵した様な表情をした。


「田中君!無事に櫻子君を助け出せたのか!」三条が、ヒロに近づき肩に手を置く。


「ギリギリでした。でも、三条さんが持たせた組紐が、役に立ちました。」ヒロが報告する。


「櫻子。大変な目にあったばかりで済まないが、そちが見たもの話してくれないか?」帝が尋ねる。


「御意。」櫻子が短く返事をし、今までの事を話す。


伊吹の裏切り、人体の魔石化、そしてーーー。


「大和の民を魔石に変えて、不老不死の薬を作るとな?」関白の九条といった先ほどの大和貝紫の衣を纏った男が驚愕する。


「櫻子君、証拠は?」冷静に徳田が話す。


「賊の証言だけですが…。」そう言うと伊吹が薬を見せていた記憶を映し出す。


「人体の魔石化については、確定している。帝、これは、内宮だけで収まる事ではありません。」太政大臣の近衛が発言する。


ーーーそこに。


「帝!ご報告申し上げます!外宮の帝と総理大臣がお見えになりました!」式部官が報告する。


櫻子達は、両脇に道を開けて膝まずく。


扉が開けられ、物腰が柔らかそうな初老の男性二人が入ってくる。


二人とも仕立ての良いスーツを着ている。


帝が御簾から出て迎える。


「お久しゅうございます。月の君。」帝が挨拶をする。



「えぇ、お久しゅうございます。太陽の君。」月の君と呼ばれた男が挨拶をする。

この方が、外宮の帝なのだろう。


「こんな形で再会したくは、ありませんでしたが…。」月の君が発言する。


「ここより先は、共に大和を導きましょう。ーーー大和全土を隔てる内宮の結果を、今こそ解き放っていただきたい。」月の君が静かにしっかりとした口調で話す。


その声が、時代のうねりが訪れた事を示すように静かに謁見の間に響いた。

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