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『菊理姫様!お導きを!』〜英雄の誕生〜  作者: ぽんぬ


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第三十一話 淫夢と悪夢は紙一重

毎日18時更新

こちらは、外伝となっております。


気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。


※作者がぶっ壊れて来たので変な時間のランダムに投稿します。

煙の匂い。


啜り泣く声。


崩れ落ちる家屋が悲鳴のようにバラバラと大きな音を立てながら火の粉を散らす。


時折、強い血の匂いがする。


「ったく。亜人ってのはしぶとい。撃っても撃っても向かって来やがる。」一人の男が、大量に血を流している。犬の亜人の首を落とす。


「これが、100年前の戦争の脅威。大和の死なない兵士の伝説じゃね?」仲間の男が、倒れてる馬の亜人の背中を刺す。馬の亜人は悲鳴を上げると絶命した。



広場に大きな檻が用意されて、そこに亜人の女子供が入れてある。


下を向き絶望している者

怒りをむき出しにし暴言をあげている者


その中でも憤怒し、一番怒っているしば犬の亜人がいる。


「出せ!お前らなんて!伊吹さんが、やっつけるんだから!」


「その伊吹さんが、手引きしているんだよ。バーカ!」見張の男がダルそうに話す。


「信じれるか!」尚も柴犬の亜人は悪態をつく。


「うるさいなぁ。」そこにリーダーらしき男が歩み寄る。


「そうだ。お前らそろそろ余興をしようじゃねーか。」男の声かけにゾロゾロと仲間が集まって来る。


「おい!犬っころ!ナイフをお前に渡す。それで、亜人を一人殺せ!そうしたら、お前を助けてやる。」男がナイフを渡す。


「亜人を一人殺したら…。一人、逃すんだな?」芝犬の子が睨む。


「あぁ、おじさん約束するよ。」ニヤリと不気味に笑う。


「わかった…。」柴犬の子がナイフを受け取る。


檻の中を振り返る。


小さな悲鳴が上がる。


芝犬の子がナイフを大きく振り上げる。


恐怖で後ずさる亜人。


振り下ろされた刃は、芝犬の子の首元を貫く。


芝犬の子から鮮血が流れ、倒れる。


「こ…これで。」瞳の光がまだある。


「ははははっ」リーダーが顔を押さえて高笑いをし


「本当亜人ってバカでわからねーの」すっと真顔になる。


「逃すわけないだろ。バーカ。」檻の中の芝犬の声を見下すようにリーダーが見る。


「でも、お前も犬死にしちゃ可哀想だからなぁ。俺らが使ってやるよ。オイ!こいつ出しして治癒魔法かけてやれ!今日は、コイツで楽しんでいいぞ。」


そう言うと男達が下品に笑って、檻を開ける。




芝犬の子を引き摺り出すとーーー。


桃色の煙となって消えてしまった。


桃色の煙が広場を立ち込める。


「うわぁ!あ…ぁぁぁ。」一人の男が腰を抜かす。

指を指して、口をパクパクと金魚のように動かしている。


先ほど犬の亜人の首を刎ねた男が自分の首を持っている。


頭があるはずの場所に頭はなく、己に手の中に頭がある。


「え?」と呟いたらバタリと倒れた。


馬の亜人の貫いた、男が血を吹き出し倒れる。


さらに、大量の桃色の煙が充満する。


桃色の煙の中から妖艶な女が見え隠れする。


「どうしたの?」女が囁く。


突然現れた女に驚く男達。


「なんだ、お前ら!」リーダーが叫ぶ。銃を向けて発砲するがするりと銃弾を交わしリーダーに抱きつく。


「遊んでくれないの?お兄さん?」女がリーダーに囁く。


目がトロンと蕩けるリーダー。


倒れ込む二人。


空になった檻の上に富岡と茜茜がいる。


茜茜(シーシー)は足を組んで、リーダーが虚空に向かって腰を振っているのを見る。


その様子を気色悪そうに豊富が、ヤンキー座りで見ている。


「何が酒池肉林や。地獄絵図やん。」豊富が吐き出しそうに言う。


「こんな使いかたも出来るだけヨ!」つまんなそうに茜茜が話す。


リーダーの周りには、部下の死体が転がっている。


「それにしても敵の認識そのものを書き換えるってのは怖いのう。」豊富が話す。



結果は、一瞬だった。


桃色の煙に包まれた男達は、認識そのものを書き換えられていた。


彼らの目には、仲間も、自分自身さえも亜人に見えていた。


犬の亜人の首を刎ねたと思っていた男は、自分の首を刎ねていたのだ。


馬の亜人を刺したつもりの男も、自らの心臓へ刃を突き立てていた。


最後まで、自分が死ぬことすら理解しないまま。


ーーー()()()()()()()()()()()()()()()()


檻が開いたのを合図に。


捕えられた亜人は、解放された。


今は、傷ついた者を手当したり、水魔法で里の消火活動をしたりしている。


夢の中にいるのは、リーダーただ一人だけだ。


「コイツには、自白してもらわんといけんな。」豊富の声が聞こえる。


景色が遠のく。


水に溶けて絵の具の世界がマーブル状になる。


うちは、気持ち悪くて胃から何か込み上げそうだったが、なんとか堪えた。


『少し、休憩しよう。』白馬が言う。


「良いのか?」


『あぁ、我も疲れた。それに少しぐらいなら大丈夫だ。』そう言うと白馬が並足で駆けていく。




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