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『菊理姫様!お導きを!』〜英雄の誕生〜  作者: ぽんぬ
第一章

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29/51

第二十九話 メリーさんの館

基本、毎日18時更新

こちらは、外伝となっております。


気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜もご覧になってください。


※どんどん更新するかもしれません。

時々手直ししてます。

メリーさんの館の正門にバンが乗り込む。


中から、武装した集団が降りてきた。


「こっちかよ。俺も亜人が良かったなぁ。」一人の男がぼやく。


「お前は、隙を見ていつも亜人をつまみ食いするからこっちなんだろ。」


そんな会話が聞こえる。


不愉快だ。


男達が、正門を開け、そのまま館の扉へ向かう。


「じゃ、ゾンビ兵士の薬の素材でも集めますかぁ〜。手柄は歩合制だってよ。」そう言って、ぐいっと扉を開ける。


中央ホールに男達の足音が響く。


何処からともなく子供達の笑い声が聞こえる。


男達が目を合わせ、手で合図を送ると中央ホールの階段を駆け上がって行く者と一階を捜索する者に二手に分かれた。


足音を殺しながら二組の男が、食堂に入る。


そこには、ティーカップが2つ。

そして、皿の上にクッキーなどが乗っている。


ティーカップからは、紅茶の湯気が揺らいでいる。


「ーーウフフ。」男の背後を人影が通る。


一人が素早く振り返り、発砲する。


ガシャンッと飾っていた石膏像が壊れる。


「んだよ。ゴーストかよ。おい!次に行くぞ!」と男が振り返る。


そこには、誰もいない。


そのかわりに先ほどのカップの前にミリタリースーツを着て、おもちゃの銃を持ったぬいぐるみが置いてある。


男は、その人形に近づきそっと持ち上げる。


「二人目ですわぁ♩」メリーさんの声が聞こえた。


そしてーーー。




階段を上がった先には長い廊下が左右に続いている。


四人の男達は目を合わせると、また二手に分かれた。


右側に進んだ男の先に綺麗なバレリーナのオルゴールが廊下の中央にポツンと置いてある。


男達がゆっくり近づき一人の男が警戒しながら拾う。


オルゴールからくるみ割り人形の金平糖の曲が流れる。


「うぅわぁ!」もう一人の男が悲鳴をあげる。


男が踊り出す。


「何ふざけているんだよぉ」オルゴールを持った男が呆れる。


「違う!勝手に体が動いてっ」そこで、仲間に発砲する。


「何するんだよ!」


「違う!本当に踊らされてっ!」


しかし、メロディが加速し曲が進むにつれて激しく踊り男が攻撃する。


「ふざけるにも大概にしろよ。」男がオルゴールを捨てて反撃する。


銃弾が踊り男を貫通する。


踊り男は訳がわからないと言った風に崩れ落ちる。


「あぁ、壊れてしまいましたわぁ。」また、メリーさんの声だ。


男が、振り返るとーーー。



左側に進んだ男達は突き当たりに出た。


そこには、大きな観音開きの扉がある。一人が素早く扉を開けると一人がするりと中に入る。


バタン!と扉が閉まる。


閉じ込められた方は、ギョッとして扉を叩く。


「おいふざけるなよ!開けろよ!」


しかし、外の反応がない。


男は舌打ちをする。


辺りを見る。色々な骨董品が山積みになっている。


特に絵が多い。


カタリと音がする。


アンデッドが現れる。

男は素早く反応して銃弾をアンデッドに向ける。


アンデッドがするすると部屋の奥に逃げてしまった。


男は、後を追いかける。アンデットを追いかけて曲がると…。


絵が飾られている。


今にも泣き出しそうなとてもリアルな異国の子が描かれている。


男は、銃を下ろす。


舌打ちをして、元の道を引き返そうとする。


「ジンジャークッキーは、お好きですこと?」また、メリーさんの声。


男が、再び銃を持ち上げたが腕には激しい炎が上がる。


「わあぁ!」男が熱さに悶えてーーーー。



扉の前に取り残された男が、ドアを叩く。


「っんだよ!」最後にドアをバン!叩くとーーー。



中央ホールにメリーさんが扇子で口元を隠しながら手すりの上に座っている。


「メリーはん。言われた通りに絵画の間の前にいたやつだけ生け取りにしたで。」山男が失神して泡を吹いている男を連れてくる。


「ヴィクターお願いできまして?」


「はいはい。ったく。どっちがラスボスなんだか…。」ヴィクターがぼやく。


「何か言いまして?」メリーさんがキッと睨む。ヴィクターが横を向く。


「うぅ。」と男が小さく呻く。


「あら、起きましたか?」


メリーさんがヴィクターのメスを持つと男に静かに近づく。


男の喉元にメスの切っ先を当て、ゆっくり首筋をなぞる。


「…お茶会。楽しいですわねぇ。まだ付き合ってくださるの?大丈夫よ。お菓子は、いっぱいありますわ。お話たーくさん聞かせて下さいませね。」メリーさんがにっこり笑う。


男の悲鳴が館の中に消えていった。




うちは、その様子をぶるっと震えながら見ていた。


「ふっ普段怒らない人は、怒らせない方がいいな…。」

『その様だな。次に行くぞ。』


そうして、景色が水に溶けたような色に変わり。


また、別の糸のもつれを見にいった。

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