第二十話 集い始める仲間と広がる戦火
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こちらは、外伝となっております。
気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜アラフォー領主ですが、引退したいので伝説の姫巫女を育てます〜もご覧になってください。
山男が拾った日傘を丁寧にたたみながら手紙をみる。
【外宮で件予言あり、
櫻子の魔力低下により、結界が薄くなりつつある。
要の社も爆破されし。
そちらの状況も報告求む。】
「結界を確認いたしますわ!」メリーさんが屋敷の屋根から降りる。
続けて、山男も飛び降りる。
メリーさんが屋敷のドアをバンっと開ける。
ビスクドールが何体もわらわらとやってくる。
「皆様結界を確認しなさい!」バッと手をあげて指示を出す。
音もなく人形達が散らばる。
「櫻子はん……なんかあったんやろか?」山男がソワソワしている。
「せっかくまともな伝達者が現れたと思ったら、この有様ですの!」
人形達が次々と状況を報告する。
「西側の門の前に綻びを確認。」
「北東より邪気の流入を確認。」
「南側結界、大破。修復不可能。」
人形達から報告される状況はあまり宜しいものではない。
「本当に次から次へと……!」
山男が、折り紙をメリーさんに渡す。
【亜人の里が襲撃を受けている。
こちらも同じように結界が薄くなり、穴が空いている。
櫻子の安否確認求む。】
そう記入すると鳥の形に変えて折り紙を飛ばした。
真っ白な鳥の折り紙が七甲山の山々を切り裂くように飛んでいく。
「ヴィクター!緊急事態ですわ!おかしな研究してないで来なさい!」そう叫びながら館の中にメリーさんが入って行く。
その後ろをちょこちょこと山男がついて行く。
山男とメリーさんが遠のく。また、マーブル状の世界に入っていた。
色が形になってきた。
最初に聞こえたのは、サイレンの音だった。
四ノ宮駅周辺には人々の混乱であちこちから悲鳴と怒号が聞こえる。
「こちら4班!応答願います!四ノ宮駅付近で再び爆発!多数の負傷者を確認!」警察の無線が聞こえる。
その声は震えている。
人々はどこに逃げていいのかわからずに悲鳴をあげながら走っている。
直後、轟音が地面を揺らす。
爆風に乗ってガラスの破片が通行人や警官に雨のように降り注ぐ。
「こっちも火が回ってる!」
「あかん!そっちも建物が崩れてる!」
「ママ!ママ!」
駅から逃げる者
建物の中に避難する者
誰も彼もどこに逃げて良いのかわからない。
その時だった。
ーーーーーーリーン!
怒号に相応しくない。
静かな鈴の音が鳴った。
喧騒の中、人々の元に不自然に澄んだ音が届く。
誰かが振り返る。
「……え?」
その刹那。
空から、眩しい光が降り注ぐ。
悲鳴も怒号も全てを飲み込む。
光に包まれた人々の体から色が抜け落ちてゆく。
肌が。
服が。
命の暖かさが。
人であったはずの者が光の中で形を失い、色とりどりの魔石になる。
残されたのは、地面に転がる無数の魔石だけ。
その様子を、高層ビルの屋上から一人の男が眺めてる。
「綺麗ですねぇ……。」
両頬に手を置きながら伊吹は楽しそうに笑った。




