第十八話 ゲッセマネ
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こちらは、外伝となっております。
気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜アラフォー領主ですが、引退したいので伝説の姫巫女を育てます〜もご覧になってください。
次に連れて来られたのは、コンクリートが打ちっぱなしの壁の無機質な部屋だ。
外の日差しが、部屋の中に入ってきて眩しい。
そこには、椅子に拘束された櫻子が座っている。
ぐったりとして意識がない。
腕には注射痕がある。
ソファには伊吹がオールバックに丸めがねをかけて座っている。
テーブルに足を乗せてどっかりと座っている。
テーブルには、散らばった注射器が転がっていた。
視線の先は、テレビが映し出されている。
櫻子が唸る。
目を覚ましたようだ。
「あ!櫻子先輩目が覚めました?」伊吹が櫻子を見ながら話す。
「神の加護って凄いですね!こんなに大量に魔封剤を打ってもまだ魔力があるんですね♩」伊吹はどこか楽しそうだ。
「櫻子先輩ってよっぽど神様に愛されているんですね♩普通の人は、僕たちが作った魔法で簡単に魔石になっちゃうのに。」伊吹が櫻子の前にくる。
「まぁ、想定内でしたけどね。」櫻子の太ももを触りながら、伊吹が膝枕をする。
「あは!流石の櫻子先輩でも汗の匂いする。拘束解いて欲しいですか?トイレとか行きたいですよね?シャワー浴びます?洗ってあげますよ。」楽しそうに言うと櫻子の首に付けられた首輪の紐を上に上げる。
櫻子の顔が歪む。
「人を魔石化して何が目的なの‥。」弱々しく櫻子が話し、伊吹を睨む。
「僕のお兄ちゃんも言っていたでしょう?櫻子先輩は、お薬になるんです。不老不死のね。」そう言うとイタズラっぽくウインクする。
「特に神の加護持ちは、魔力が高い。そして、その魔力によって若さを保ててる。」伊吹が首輪を更に上に持っていく。
櫻子の顔が赤くなる。
「櫻子先輩も年齢より、めちゃくちゃ若く見えますよ〜。」そこで伊吹が紐を離す。
ゲボゲボと櫻子が咳き込む。
「こんなに綺麗な人を商品のするの、勿体無いですけどクライアントの依頼はちゃんと受けないといけないでしょう?魔封剤で魔力固めて、いい魔石になってくださいね♩」そう言って伊吹は櫻子の髪を指先ですくい、品定めをするように眺めた。
櫻子が、顔を背ける。
「トイレ‥。トイレに行かせて。」櫻子が懇願する。
「いいですよ〜。その代わり、これを見てください。」伊吹はテレビを見せる。
テレビには、爆破テロの様子が写っている。
アナウンサーが被害状況を説明し、人々に非難を促している。
「変な事をしたら、この混乱の中。もっと街の人を魔石に変えますからね。トイレの扉は開けて置いてくださいよぅ。櫻子先輩♩」そう言うとまた可愛く伊吹が笑った。
残酷だと思った。
櫻子は、自分の命なら諦められる。
でも、誰かの命を天秤にかけられたら、絶対に逆らえない。
うちは、櫻子の気持ちを考えて胸が熱くなった。
場面が遠のく。また、背景がマーブル状になった。




