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『菊理姫様!お導きを!』〜英雄の誕生〜  作者: ぽんぬ


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第十七話 真実の目

毎日18時更新

こちらは、外伝となっております。


気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜アラフォー領主ですが、引退したいので伝説の姫巫女を育てます〜もご覧になってください。

景色が歪む。


ヒロが、街中を爆速で駆けている。


ロッキーに指示を出してもらっているのか事故をせずにするすると車の間を走っている。


途中、警察車両が多くなる。


ヒロは、バイクに搭載されている認識阻害魔法を発動させた。


神辺第一小学校周辺は、野次馬と報道陣。

それに警察と消防と救急によって阿鼻叫喚の様子だ。


学校の裏手の路地にバイクを停める。


スマホでどこかに連絡を取っている。


「櫻はやっぱりでやんか。」ヒロが舌打ちをしながら別の場所に電話する。


茜茜だ。


一通り、話終わると魔道具で認識阻害の術をかけたらハンドガンを持ち学校に侵入する。


階段を駆け上がり、真っ直ぐ櫻子の教室へ向かう。


ヒロの表情に余裕がなくなる。


階段を駆け上がり、踊り場を曲がった所で人影とぶつかりそうになる。


「わぁ!ヒロか!櫻子は何処よ!」茜茜が驚いて聞く。


「俺も探してる!櫻はどこや!」


「落ち着いてください!大夢さん!櫻子さんなら大丈夫ですよ!」なぎさが宥める。


そこにロッキーがちょこちょこと前に出て。キョロキョロと辺りを窺っている。


「大夢!こっちれしゅ!こっちに櫻子の魔力を感じます!」ロッキーが皆を案内する。


櫻子の教室から近い階段の踊り場にやってくる。


「大夢!」ロッキーが櫻子の神器のハサミを拾う。


ヒロの表情が、奈落の底に突き落とされたような


ロッキーに近づき、震える手でハサミを受け取る。


茜茜となぎさも絶望感でいっぱいだ。


「櫻‥。」ヒロの声から希望の喪失を感じる。


ヒロが、神器に魔力を込める。櫻子の温もりを感じるように


「‥‥生きてはいる。」


「櫻は、生きてる!」ヒロの目に希望が宿った。


茜茜となぎさの表情にも希望が見えた。


人が走ってくる音が聞こえた。


ヒロ達は、戦闘体制に入る。


「先輩!田中先輩!」伊吹の声だ。


ヒロ達がホッとして武器を下ろす。


「田中先輩!通報があってきました!櫻子先輩は何処ですか!?」伊吹が心配そうにヒロに聞く。


「それなんやが、これを見てくれ、櫻の神器や。でも、生きているのは確かや。」ヒロが伊吹に神器を見せる。


「そうですか‥‥。よかった。」伊吹が安心したように笑って近づく。



ロッキーの目がくるくると回る。


「大夢!そいつダメ!避けるでしゅ!」ロッキーが叫ぶのと同時に伊吹が捕縛魔法を繰り出す。


ヒロが完一発のところでかわす。


「こいつ櫻子攫った!こいつでしゅ!」ロッキーが伊吹を指差して叫ぶ。


茜茜となぎさも訳がわからないと言う様子だが、戦闘体制に入る。


「これだから、おしゃべりなお猿さんは嫌いなんですよねぇ。」伊吹が可愛く笑う。


「伊吹!おんどれわ!」ヒロがハンドガンを伊吹に打ち込む。


伊吹はそれを結界で弾き返す。


「田中先輩には、苦労したんすよ〜。なかなか信用してくれなくて。」朗らかに微笑みながら話す伊吹。


「櫻はどこや!」ヒロは、攻撃を止めない。


茜茜達は、突然の裏切りに理解が追いつかず、攻撃に移せない。

援護がないのを見て伊吹が一歩だけ前に出る。


「田中先輩流石っすよね!こそこそ生きてきた忌守(いもり)なだけありますよ!」伊吹が面白そうに話す。


「つべこべ言っとらんと、櫻を返せや!」銃弾が当たらないので、ヒロが蹴りを繰り出した。


その足を伊吹が拳で止める。


「田中先輩。大丈夫ですよ。櫻子先輩は、僕が美味しく頂きますから。」子犬のように屈託なく笑う伊吹。


ヒロは、蹴り上げた足を軸にもう片方の足で伊吹のボディを狙うが、ガードされた。


体を回転して間合いを取るヒロ。


二人の間に静かな時が流れる。


「大夢!誰か来る!」ロッキーが叫ぶ。


「本当におしゃべりな猿だなぁ!」伊吹がイラついている。


「ヒロ!逃げるね!警察が突入してきてるよ!」茜茜が耳をぴくぴく動かしながら叫ぶ。


舌打ちをしたヒロは、認識阻害魔法を使いながらその場から立ち去った。


「まぁ、逃げても無駄ですけどね。急がないと、()()()()()()()()()()()()()()田中先輩♩」


伊吹がそういうと軽やかに階段を降りていった。


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