第十四話 銀貨30枚
毎日18時更新
こちらは、外伝となっております。
気になる方は、本編の『菊理姫様!お導きを!』〜アラフォー領主ですが、引退したいので伝説の姫巫女を育てます〜もご覧になってください。
伊吹は櫻子が持っていた魔石を奪う。
「櫻子先輩。これ、預かりますね。それと‥。」そう言うと伊吹は櫻子に捕縛魔法をかける。
「特別に櫻子先輩には、特等席で見てもらいますねぇ。」
そう言うと、伊吹は髪をかきあげてオールバックにし、丸めがねをかけた。
伊吹は笑っている。
その笑みは不適で、禍々しい。
うちは、ターボババアの似顔絵に書かれた言葉を思い出す。
「伊吹君!いや!あなたは、本当に伊吹真なのか!」櫻子が悲鳴に近い声で聞く。
「そんなの今から地獄を見る貴女には関係ないですよ。」伊吹が櫻子の顎に手を当てて顔を近づける。
「でも、櫻子先輩が悪いんですよ。」声だけは、いつもの伊吹の声だ。
「僕の誘い。断ったじゃないですか〜。昨日、櫻子先輩が、ホテルに泊まってくれたら、こんな面倒な作戦要らなかったんですよぉ。」笑顔も伊吹のものだ。
「あの時、スイートルームに来てくれたら、子供達は死ななかったかもしれませんねぇ。」禍々しい笑みを浮かべる伊吹。
櫻子が体を捩り、伊吹から逃げようとする。
「悲しいな。また、誘いを断るんですか?櫻子先輩。」伊吹が櫻子の髪の毛を鷲掴みにして櫻子を逃さない。
ギリっと櫻子が歯を食いしばる。
「あれ?櫻子先輩から男の匂いがする〜。首筋にいやらしい跡発見♩悲しいなぁ。櫻子先輩も僕に嘘ついていたんですか?僕の誘い断ってあの脳筋肉ダルマとよろしくやっていたのかよ!」
伊吹が櫻子の顔を殴る。
櫻子が小さく呻く。
伊吹が手を二回叩く。
すると何処からか黒ずくめの男達がやってきて、櫻子を連れていく。
櫻子がいた場所に神器のハサミだけが取り残された。
そのハサミは、もうダダの断ち切りバサミに変わっていた。
ぐにゃりと場面が変わった。
「白馬様!櫻子はどうなってしまうのだ!」
『見ておれ、これは過去のこと。理は変わらぬ。』
自宅の玄関に来た。
ヒロが、自動車会社のロゴが入ったツナギを着て出勤しようとしている。
ふと、顔を上げる。
「大夢!大夢!見て!テレビ!」ロッキーがヒロを呼び止める。
「なんや。今から仕事や。遅刻してまうやろ。」
「ダメダメ!仕事よりこっち!」ロッキーがぴょんぴょんぴょんと跳ねてヒロを阻止する。
「そんなに何があったんよ。」ヒロがダルそうにリビングのテレビを見る。
そこには、神辺の地方局が流れている。
【速報です。神辺第一小学校と他複数の社で爆発が起きました。
現在、消防と警察が駆けつけていますが、被害のほどは➖➖➖➖】
ヒロの顔がみるみる青くなる。
「‥‥第一小学校?」
ヒロの顔から血の気が引いているのがわかる。
「櫻‥‥‥!」
急いで、魔道具をかき集めて準備をしている。
「ロッキーも行くでしゅ!」
「頼んだで!」
玄関を開けてバイクに飛び乗る二人。
ヒロのバイクがあっという間に見えなくなった。




