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**最強!? モンスター×マスターズ  【モンマス】 Gランク落ちこぼれから始まる、 世界最強の相棒育成譚**  作者: 心瑛タケハル


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第118話 橋の考え方

強風が、谷を吹き抜ける。


――ゴォォッ!


作りかけの橋が、わずかに軋んだ。


アキラは、橋の土台を見つめたまま腕を組んでいる。


サクラは、向こう岸を見ていた。


小さな影たちは、

相変わらず橋へ近づこうとしない。


それどころか――


向こう岸の影が、何かを構えた。


反対側の影も、慌てて何かを持ち上げる。


「……え?」


サクラが目を丸くする。


小さな子どもの影が、びくっと震えたあと、

その場で泣き出した。


谷を越えて、かすかな泣き声が届く。


木陰で頬杖をついていたミラッチが言った。


「あらら」

「やっちゃったね」


「えっ、どうして!?」

サクラが振り返る。


アキラは、橋を見たまま静かに言った。


「……橋としては」

「間違ってないはずなんだ」


サクラは、向こう岸を見る。


「でも、誰も来なかった」


少し間。


「むしろ、怒らせただけ」


沈黙。


風だけが吹く。


アキラは、橋の支柱を軽く叩いた。


「安全性は足りてる」

「強度も問題ない」


「うん」

サクラも頷く。

「普通に渡れそう」


「やはり、必要なのはまず安全性だ」

アキラは橋を見る。

「渡れない橋に意味はない」


サクラは、向こう岸を見つめたまま小さく言った。


「でも、それだけじゃ」

「渡りたくならない」


アキラが眉を動かす。


「……どういう意味だ?」


サクラは、谷の向こうを指さした。


「あの子たち」

「橋が危ないから来ないわけじゃないと思う」


強風。


小さな影たちが、

互いに距離を取りながらこちらを見ている。


「怖いんじゃない?」


「怖い?」


「うん」

サクラは頷いた。

「またケンカになるかも、とか」

「向こうに行っても嫌な思いするかも、とか」


少し間。


「だから、“渡れる”だけじゃ足りないんだと思う」


アキラは、黙って橋を見上げた。


サクラは続ける。


「歩き出したくなる理由が必要なんじゃない?」


風が吹き抜ける。


アキラは、しばらく考え込んでいた。


だが。


「……気持ちだけでもダメだ」


今度は、アキラが向こう岸を見る。


「崩れたら終わる」

「橋は、まず安全じゃないといけない」


「それは分かってる」


「なら」

アキラは振り返る。

「まずは機能だ」


サクラも負けじと前に出る。


「でも、機能だけじゃ」

「ただの通路じゃない!」


空気が、少しだけ張る。


少し離れた木陰で、

ミラッチが楽しそうに頬杖をついていた。


「いいねぇ」


サクラとアキラが同時に睨む。


「楽しんでるでしょ」

サクラが呆れる。


「もちろん」

ミラッチはにこっと笑う。

「モンクラは、悩んでる時が一番面白いからね」


「性格悪いな」

アキラがぼそっと言う。


「褒め言葉かな?」


ミラッチは立ち上がり、

ゆっくり橋の中央まで歩いていった。


強風の中、

細い足場の上を軽々と進んでいく。


「橋ってさ」


ミラッチは、谷の真ん中で立ち止まる。


「片側だけが頑張っても」

「渡れないんだよ」


沈黙。


風が吹く。


サクラは、その言葉を反芻するように小さく呟いた。


「……片側だけじゃ、ダメ」


アキラも、静かに橋を見つめる。


「向こう側も」

「歩きたくならないと意味がない、か」


ミラッチは、満足そうに笑った。


「さーて」

「次は、どんな橋になるかな」


そう言って、

ひらりと木陰へ戻っていく。


サクラは、橋を見る。


アキラも、橋を見る。


さっきまで完成に見えていた橋が、

今はどこか足りなく見えた。


橋は、ただ繋げるだけじゃない。


その先へ、

歩きたくならないと意味がない。


風が、再び谷を吹き抜けた。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


アキラとサクラ、二人らしい答えが少しずつ見えてきました。


二人の挑戦をこの先も見守りたいと思っていただけたら、ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。


一緒に最後まで橋を完成させましょう!

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