↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
**最強!? モンスター×マスターズ  【モンマス】 Gランク落ちこぼれから始まる、 世界最強の相棒育成譚**  作者: 心瑛タケハル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
112/132

第111話 正しい選択(2戦目)

――ピッ。


フィールドが、再び切り替わった。


先ほどよりも、少しだけ狭い。

地面に走る光のラインが、どこか硬質に見える。


【対戦フィールド:展開】

【対象ランク:D】


その直後。


場に似つかわしくないほど、朗々とした声が響いた。


「勇者モドキ……タケルよ!

 1戦目、実に見事であった!」


「圧倒的な勝利、さすがであった」


タケルは、思わずサクラを見る。


「……ねえ」

「この声、試合見てた?」

「さっきモチ、若干苦戦してたよ」


サクラは、すぐに口元に指を当てた。


「シー」

「そういうのは、黙って聞いとくの」


アキラが、静かに画面を見つめたまま言った。


「想定通りなら……」

「最初は、“圧倒的に勝てる相手”だったんだ」


一拍。


「……なのに、タケルは――」


「くっ……」

タケルが、すぐに言葉を被せた。

「それ以上、言わなくていい」


謎の声は続ける。


「次からは、少しずつ難度も上がっていく」

「楽しみにしているぞ」


「望むところだ!」

タケルは即答した。


「やってやるよ」


その言葉に応えるように――

正面の地面が、重く盛り上がる。


ごり、と金属音。


現れたのは、鈍い光を放つ甲殻。


【ミラモン:ギアビートル】

【ランク:D】


「硬そうね……」

サクラが眉をひそめる。


アキラは一目で判断した。


「装甲型だ」

「正面突破が一番楽なやつ」


タケルは、迷わなかった。


「よし」

「ルー、行くぞ」


「ワフ!」

黒い丸い耳がピクピクしていた。


――ピッ。


【BATTLE START】


ルーが、地面を蹴る。


速い。

迷いがない。


距離を一気に詰め、

装甲の隙間へ、正確に一撃。


ギアビートルが弾かれる。


「いい動きだ」

アキラが低く言う。


回避。

反撃。

追撃。


指示を出すまでもなく、

ルーは“そう動く”。


タケルの胸に、確信が広がる。


(……やっぱ、こっちだ)


無駄がない。

強い。

勝てる。


タケルの指示に、ルーが即座に反応する。


「右――避けろ!」


ルーは迷わず跳ぶ。

次の瞬間、敵の突進を紙一重でかわし、そのまま横腹へ噛みついた。


「いいぞ!」


動きは完璧だった。

距離、判断、タイミング。

どれも噛み合っている。


――ピッ。


端末の表示が、静かに更新される


連携値:40% → 46%


「上がり方、速いな」

アキラが小さく呟いた。


タケルは、ほんの一瞬だけ画面を見る。


(ほらな)


そのまま視線を敵に戻す。


ルーが振り返り、タケルを見る。

次の指示を待つように。


「そのまま行け!」


ルーは即座に動いた。


ギアビートルは、抵抗らしい抵抗もできないまま――

倒れた。


【勝利】


「あっさりだったな」

タケルは息を吐く。


「この流れで行けば――」


その直後。


――ピッ。


表示が、切り替わる。


同調率:48% → 48%


「……あれ?」


タケルが眉を寄せる。


「上がってない?」


アキラは、少しだけ黙った。


「連携は、成立してる」

「でも……」


言葉を選ぶ。


「噛み合ってる、って感じじゃない」


サクラが、首を傾げて言った。


「タケル」

「今の、ちょっと――」


一拍。


「ルーを“使ってる”感じ、しなかった?」


タケルは、即座に否定する。


「勝ててるだろ?」


その言葉が、場に落ちる。


否定も、警告もない。


ただ、端末が淡々と表示した。


連続勝利:2

(敗北時:リセット)


タケルは、それを見つめた。


「……ほらな」


小さく、笑う。


「これでいい」

「これでいいんだ」


ルーが、静かに立っている。


タケルは、その背を見ながら言った。


「次も、この調子で行こう」


「ねえ、タケル――」


 サクラが声をかけかける。


「ちょっと……」


 その言葉を遮るように、アキラが軽く肩をすくめた。


「まあまあ、サクラ。気持ちは分かるけどな」


 そして、タケルの背を見ながら続ける。


「今は勝ってる。とりあえず様子見だ」


 サクラは唇をきゅっと結び、しぶしぶうなずいた。


 その微妙な空気を察したのか、ルーがとことことサクラの足元に歩み寄る。

 小さく鼻を鳴らし、尻尾をふわりと振った。


「……もう」


 サクラはしゃがみこみ、ルーの頭をそっと撫でる。


フィールドの光が、再び動き出す。


勝っている。

正しい選択をしている。


――少なくとも、タケルはそう信じていた。


ここまで読んでくださってありがとうございます。


勝っているのに、どこか噛み合わない。


今回の試練は、ただ勝てばいいわけではなさそうです。


タケルが本当に大切なものに気づけるのか、この先も一緒に見届けていただけたら嬉しいです。


少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。