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明治神宮ダンジョン4

「姉御、姉御の仲間ってのは本当に凄い人達ばかりなんですね。ビックリしました。あのクソ女神とその仲間の男神連中に会った時でも、あんなに冷や汗噴き出したり、身体が恐ろしく震えたりはしませんでしたから。」


「間違いないの。レンは儂らより更に強いからの、普通に戦えばまず負けることはないと思うが、そんなクソ神がマトモな手段を選ぶとは思えんからの。手札は多ければ多いほど良い。」


そのミィの言葉に、リーゼンベックは哀しそうな表情(かお)を浮かべた。


「我も闘いたい…奴らに一矢報いたいと願わずにはいられませんが、既にドラゴンゾンビに堕ちた身では、それも高嶺の花というものですね。」


「ん?そんなことはないと思うぞ。」


メギドのその言葉に、リーゼンベックは怪訝な表情を浮かべた。


「近くの一級ダンジョン攻略した時のダンジョンボスは、マスターを救い出してダンジョン消失させると同時に、そのマスターの保護者として権限しておったぞ。」


僕は彼女の言葉を補足するために更に言葉を重ねた。


「彼はあなたと同じようにコアになった来孫を救ってほしいと言う願いがあってね。僕達が彼を救ってダンジョンを消失させたのと同時に、その守護者としてだいぶ小さくなったけど無事に顕現できてたね。」


「な、なんと!そのようなことがあるのか?」


「マスターとの間の魂の関わりが強いということもあったと思うけど、あなたもミィやその赤子との関わりが強いわけだから、意思を強く持てば可能になると思うよ。ダンジョンを制覇して解放した人間の意思は通りやすいから尚更だよ。」


ーーーー

そんな会話の後で、リーゼンベックはテキと同じように自死して、僕達に最下層のダンジョンコアへの通路を開けた。


「あぁは言ったけど、さてどのように救い出すか、やはり取りあえずは空間庫…」


そこまで語った僕の頭の後ろに突然金色の矢が出現し、すり抜けるように前の壁へと突き刺さった。


「あれあれ、完全に隙をついたつもりだったんだけどな。」


そんな軽口を吐きながら姿を見せたのは、白いゆったりとした衣装の上から、白銀の簡易鎧を身に着けた白緑色の髪をした優男だった。


「今、その子を解放されると、この星の連中がみんな死んだも同然になるんだよ。せっかくこれから面白くなる所なんだから、邪魔されると困るんだよね。」


「レン、我とそいつをこのダンジョンの外へ飛ばしてくれ。周りに何も無い所が理想じゃの。」


メギドのその言葉に応じて、僕は二人と雷公を日本から数百キロ離れた太平洋上へと転移させた。もちろんミィには僕の持っていた携帯カメラを渡すことを忘れなかった。


ーーーー

太平洋上に一瞬にして飛ばされると同時に、メギドの回し蹴りが男の右頬を捕らえ、男はスゴい勢いで宙を舞った。もちろんその場面は、ミィのカメラがしっかりと撮影し、衛星放送を通して世界中に生配信されていた。


『この星の住人達よ、儂の名前は地球連邦共和国のミィという。今蹴り飛ばされたのは、この星にダンジョンを出現させた輩の一味なのじゃ。奴を捕らえ、その悪事を暴くことが今日のミッションなのじゃ』


映像に重ねられたその言葉に、たまたまそれを見ていた視聴者の興奮は一気に盛り上がった。


突然、メギドの周りに数百本の矢が出現し、彼女を貫くように射出されたが、彼女は残像を残して既に移動しており、頭上に移動していた男神を踵落としで海上に叩き落としていた。


すかさず空中で両手で印を結んだメギドの二本の尻尾の先に朱色に輝く宝珠と翠色に輝く宝珠が出現して、それが印を結んだ指先で一つの光球へと姿を変えると、男が落ちたと思われる海上へとそれが放たれ、その落下部位を中心に海は大きく割れた。


「こらメギド!やりすぎると津波になるぞ。もう少し加減するのじゃ。使う技を選ぶのじゃ。」


一瞬にして周囲の海を凍らせて余波が津波を引き起こすことを止めたミィの言葉に、メギドはゴメンゴメンと片手を上げて詫びを入れた。


「クソが、ガキと思って手を抜いてやれば良い気になりやがって。」


さっきまでの優男のイメージをかなぐり捨てて、白い服を血まみれにしながら空へと戻ってきた男の手には、巨大な二本の剣が握られていた。その剣を一振りする度に、三日月状の斬撃がメギドを細切れにするかのように襲い掛かったが、彼女はオーラを纏った手でそれらを全て簡単に弾き飛ばしていた。


「それがお主の本気ならカス神に間違いないの。」


その言葉に煽られたのか、男神が両手を同時に振り降ろすと、五十メートル以上もあるような光刃が放たれたが、それは小さなメギドを捕らえることは叶わずすり抜けた。


「お主アホか?我みたいなチビに五十メートルの刃放つとか論外じゃろ。」


そう口にしながら男神の背後に現れたメギドの蹴りは、再び彼の顔面を捕らえ、首が変な角度に曲がった男神は弾け飛んでいった。


その後暫く待っていても、戻ってこない男神に少し焦っていたメギドだったが、男を口に咥えて近づいてきた雷公を見て、逃げられたのではないことが判りホッとしていた。


【明治神宮特級ダンジョン第七十一層のダンジョンマスターが討伐されました。討伐者レンがダンジョン存続を望まなかった為、この特級ダンジョンは消滅します。残り特級ダンジョンの数は七十となります】


それとほぼ同時に世界の声がアナウンスされ、レンが赤子をダンジョンから救い出したことが理解できたことで、二人と一匹の戦闘も終了し、


『映像の通り、悪党の一味の捕獲は完了したのじゃ。詳細は地球連邦共和国からの発表を待てなのじゃ』


とミィがアナウンスを入れ、いつの間にか首から下がズタボロになっていた男神の身体の部分を首で切り離し、その頭の部分を氷漬けとして保存してから、身体の部分を炎球で灰へと変えて二人と一匹も日本へと向かった。

エピローグまで書くつもりでしたが、時間が足りなくなってしまいました。申し訳ありませんが、続きは来週となります。皆さんの評価が励みになります。ブックマークや評価をよろしくお願いします。

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