26話「聖なる巨人型鎧甲殻」
ホーリーアーマーとは何なのか判明。
5人は上手く使いこなせるのか?
5人の頭上に現れた五つの光は光の帯を彼らに伸ばした。
「な、なんだ?身体が浮いて…」
5人の身体はどんどん地上を離れてゆく。
そして五つの光に彼らは吸い込まれた。
そして。
「シートに身体が包まれたぞ?」
「これは…コクピット?」
「レバーやペダル、それに計器の類もあるね。」
「何かしら、この画面?」
「点滅してますね…ええと。」
『バトルダイバーモード起動?』
早理華が画面に表示された文字を読み上げると、内外を覆っていた光が消えメカニックが顕になる。
「このディスプレイに表示されてる形状、もしかしてこの機体?」
そのディスプレイを見れば、全員の機体は翼の生えた人型になっていた。
それは各機体を外から見ていたキツネビト達の目にもそう映っていた。
そしてそれらは着地すると、メタルフォックスらしき巨大な御神体?と距離をとって対峙した。
「ご、五体の人型機体だとお?」
「しかし、あの神様に比べれば小さい。」
「なあ、アレは本当に我々にとって神様なのかな?」
「何を今更、ずっと昔からそう呼ばれてきただろう?」
「しかし、あの禍々しさまで感じさせるソレは、どう見ても…」
「ああ…妖怪か悪鬼の類にしか見えない。」
「そうよ、本当にそうならあの人達に何とかしてもらわないとダメなんじゃない?」
「でもあのロボット小さいよ…」
そう、ホーリーアーマーはせいぜい全高25メートル程度。
しかし鎮守の神扱いされてきた巨大メタルフォックスは優に全高100メートルにも及ぶ。
つまり高さだけでもホーリーアーマーの4倍にもなるのだ。
次の瞬間、巨大メタルフォックスは口から電光を発射した!
「こっちに来る…」
「神様あ〜、ワシらになにすんだあ〜っ?!」
キツネビトらは予想外の事に恐れおののいた。
「避けられない…避けたら後ろの人達が…!」
「何かガード装備は…」
思念の世界で言葉を発するよりも先に、刹那のイメージが現実化して彼らを守った。
五つの光輝くシールド。
それが彼らの前面に出現した。
五芒星を中心に五角形の五つの盾。
これはビームの線で空中に描かれていた。
そして巨大メタルフォックスの吐く電光を放った当人へと跳ね返したのだ。
ビシャアン!
跳ね返された電光は巨大メタルフォックスに直撃した。
『グオオオ〜ッ?!』
呻き声を挙げてよろける巨大メタルフォックス。
「す、凄えぞ!何か良くわからんが光りの盾が俺らを守ってくれた!」
銃吾は興奮して叫んだ。
「喜んでないで、コチラも反撃しましょう!」
久里亜がそう叫ぶと途端に光の盾が消える。
それと同時に5人のホーリーアーマーの手にそれぞれの武器が現れた。
ホーリーアーマーはそれをガッシリと握る。
「これは…剣か?」
「私のは…サブマシンガン?」
「私のは…え、これ鎖?こんなんでどうしろっていうのさ!」
「私のアーマーの手には槍?」
「俺のはいつも使ってるライフルだな。」
五体のパイロット達が武器を確認すると、ホーリーアーマー達は素早く動き出した。
「何だこれ?勝手に動いてる…?!それに…」
「わ、私達のアーマー、空飛んでますよお〜?!」
剣護と早理華のホーリーアーマーは背中にウイングを生やして他のアーマーは両脚から巨大な車輪が生まれて地を駆けた。
「て、目の前に、木、木い〜っ!」
「任せろ!」
「任せて!」
銃吾のアーマーのライフルが銃弾を連射し眼前の大木の幹に大穴を空けると、すかさず久里亜のアーマーによる槍での斬撃がそれを上下に両断した。
その大木の切り株を3体のアーマーが跳躍して躱す。
「すげえよ二人とも?」
聖姫は素で感心する。
「いや、咄嗟に思いついたらその通りに…」
銃吾は首を捻る。
「考えるよりも早く浮かんだイメージ通りに動いてる…何かしらこのシステム?」
久里亜も不思議で仕方ないようだ。
「そんな事より、アイツは目の前だぞ!」
「早理華、援護を頼む!」
「剣護さん?!」
剣護のアーマーが剣を振り上げながら巨大メタルフォックスめがけて飛び掛かかる。
早理華のアーマーが剣護のアーマーを避けるようにしてサブマシンガンから銃弾の雨を降らせる。
ズがガガガ…!
弾丸は殆どが巨大メタルフォックスの表面に弾かれてるようだ。
そこへ。
「いやああーっ!」
気合を込めて剣護が剣を振り下ろす。
ヒュン!
ガキイッ!
しかし。
「け、剣が食い込んで離れないっ…!」
「剣護さん、早く離脱を!」
「くそっ、剣が抜けないっ!」
「何してやがる!」
銃吾は焦れったくなって発砲した。
ズギュウン!
その弾丸は剣護を襲おうとしていた巨大メタルフォックスの片手の動きを止めた。
しかしダメージは与えられず、少し注意を反らすだけに留まった。
「早く、剣護君!」
「剣より自分を大事にしなよ!」
聖姫の鎖が巨大メタルフォックスの腕に絡み付き動きを止めるも、すぐにその鎖は引きちぎられてしまった。
久里亜と聖姫の言葉が耳に入り、口惜しそうに剣を手放す剣護のアーマー。
再び五体が同じ場所に結集する。
そこへ、田村から通信が。
『いやあ、みんなやってるねー、どう?気に入ったかいホーリーアーマーは?』
「それよりどうなってるんですか?このアーマーの武器が通用しません!」
早理華は呑気にホーリーアーマーの感想を聞こうとする田村につい苛立って声を荒げてしまった。
「おかげで剣護さんが危なくなりそうだったんですよ!」
『…そりゃそうだ、今アンタ達のアーマーが手にしてる武器はみんなが普段意識してる武器を現実的に投影しただけに過ぎないからね。』
「どういう事ですか?」
『まだ本来の手持ち武器は開発中…』
『しかも今乗ったばかりのアンタらにはその機体の本来の能力はまだ使いこなせない…』
「じゃあどうすりゃいいんだよ?!」
『喚くな銃吾!』
『まず全員で願え、目の前のあの巨大なヤツを倒すんだ、と。』
「もうとっくに思ってるよ!」
「でも何も起きませんけど?」
『聖姫も久里亜もそう急かすなって。』
『そんで、今度はその気持ちが光になって機体に満ちるイメージ、それからその光が五体全部に繋がる。』
「光が…繋がる…?」
五体から光が迸り、そして彼らは光に満たされる。
『いい感じだ、それから五体が一つになるイメージでこう叫べ』
『クロス・メサイア』
「クロス・メサイア…?」
『全員で声を合わせるんだ』
「よ、よし!」
「それじゃ久里亜さん音頭を頼む。」
「え、私?早理華ちゃんでいいじゃない!」
「私ですかあ?諸先輩を差し置いて、そんな…(笑)」
「何譲り合ってんだ?何ならオレが…」
「「「銃吾はダメ!」」」
「何で?」
その時!
ズバアン!
再び電光がホーリーアーマーを襲った。
辛うじてシールドの発生がその防御に間に合う。
「あっぶねえ〜(汗)」
敵の動きを良く見ていた剣護のファインプレーだった。
それを見た田村は
『良し剣護、オマエがカウントしろ。』
「カウント?…さっきのクロスメサイアって叫ぶヤツの?」
『取り敢えず今回はオマエがこのミッションのリーダー役になれ、取り敢えずの措置だ!』
「リーダーって何すんだ?」
『だからカウントするだけだ、後は早理華に丸投げしろ、いいな?』
「丸投げされるんですか私い?!」
「そういう事ならやってやる!」
「丸投げって言葉に納得しないでくださいよ剣護さあ〜ん(涙)」
「いいからやるぞ!」
「スリー、ツー、ワン…ゴーッ!!」
【クロス・メサイアー!!】
5人の声が重なった、と同時に五体のホーリーアーマーの瞳も輝いた。
ホーリーアーマーを活かしきれない5人に田村は切り札を発令しました。
【クロス・メサイア】。
ホーリーアーマーに何が起きるのか?
次回、第一部完!




