25話「鎮守の神」
久里亜救出作戦、開始!
しかし事態は思わぬ方向に…?
早理華と剣護は一度寮に戻った時に田村から用務員室へ来るように言われた。
そして彼女から今回の真相を聞かされる。
「…久里亜さんがワザと催眠にかかってるって?」
「彼女の催眠誘導はとっくに解除されてる、けど連中の秘密を暴くためにあえてまだ催眠にかかったフリをしてるんだ…私は止めたんだけど、今下手に催眠が解けた事が向こうにバレたら大変だと言われてね。」
「…なら、なおさら久里亜さんを何時までもあのままにしておけないです!」
「うん、さっき銃吾から入った報せによると彼女を祭壇に乗せてなにやら儀式をやろうとしてるらしいからね。」
「だからコレをみんな持っていってくれないか?勿論久里亜にも渡して欲しい。」
「何ですか?ブレスレット…?」
取り敢えずソレを腕に付ける二人。
「説明はアンタらが移動中にする、久里亜には…コッチから自動操作する、その時ついでに説明するから!」
「わかりました!」
二人は直ぐ様大聖堂へと向かった。
『剣護、まだか?』
「遅くなったな、今着いた。」
『じゃ、さっき話した通り作戦開始だよ!』 「わかりました!」
「レディー、ゴー!」
ガコオン!!
大聖堂の扉が壊され、信者達は一斉に扉の方を向く。
「な、何だ?」
「お、オマエ達は…!」
ザワザワ…。
「俺達は仲間を取り返しに来た!邪魔するヤツは相手になってやる!」
「私達はDDS、アナタ方が危険なテクノロジーに手を染めているのでここを制圧します!」
既に早理華はタクティカルシスターズに変身していた。
「なんの!コチラには人質が…!」
「ゴメンなさーい、お迎えが来たんで帰りまーす♪」
久里亜は祭壇下部の通気口から現れた聖姫と銃吾によって拘束を解かれていた。
「コホン…」
「アナタ方キツネビトが人里離れたこの地で隠棲するのは構いません、しかし機霊憑依剤を使用するのは看過出来ません!」
ピカッと久里亜、聖姫の身体が光る。
「私達タクティカルシスターズが許しません!」
「くそ、取り押さえろー!」
キツネビト達は次々と機霊憑依剤を使用しメタルフォックスへと変化していった。
「捕まるもんですか!」
「ホラホラかかってきな!」
「剣護君、銃吾君、きっと此処の地下に機霊憑依剤の工場か研究室があるはずよ!」
「壊せばいいのか?」
「ええ、お願い!」
剣護と銃吾は久里亜の指示で地下への階段を降りてゆく。
「だ、ダメだ、そこには行くな…!」
「残念だね、アンタらの犯罪の温床はここで破壊されるんだよ!」
聖姫の攻撃でメタルフォックスは3体纏めてふっ飛ばされた。
カンカンカン…。
一方、剣護らは地下に降りていき、広い空間に出たのだが…。
「何だここ、真っ暗じゃん。」
「本当に此処に工場なんかあるのか?」
二人はハンドライトで周囲を照らす。
ピカッ
「おい、何か光ったぞ。」
「どれ?」
と、突然暗闇にLED光のような光が至る所で点滅を始めた。
ゴゴゴ…
「ゆ、揺れてる?」
「おい、何かヤバくないか?」
ドスン!
天井からコンクリートの破片が落下してきた。
「一旦逃げろ!」
「よし、戦略的撤退ってやつだな!」
二人は一目散に来た道を戻った。
「みんな!」
剣護は地上に戻ってタクティカルシスターズに声をかけた。
見れば彼女らもメタルフォックス化したキツネビト達もみんなテーブルの下や椅子の側で身を屈めてじっとしている。
「これは地震じゃない、地下で何かデカいヤツが動いてる、ココは危険だ!」
「大変!みんな非難しましょう、ここはもたないかもしれないわ!」
「聞いた通りだ、一時休戦してみんな避難しな!」
「さあ早く!」
ワラワラとメタルフォックス達は大聖堂の外へと避難を始めた。
中にはメタルフォックス化してない小さなキツネビトもいた。
「大丈夫?早く逃げましょ!」
「う、うん…」
久里亜はその子供のキツネビトを抱えて大聖堂を脱出した。
ごごご…
ドシャアアン…!
彼らが全員学園まで逃げると、大聖堂の辺りから轟音が聴こえた。
キツネビト達は既に常人の姿へと戻り、どうしてか良いのかわからずただ大聖堂の方向を見つめるだけだった。
剣護が呟く。
「崩れた…かな…。」
「…ですね。」
キツネビトらの催眠にかかったフリを止めた久里亜がその傍らでそう呟き返した。
その時。
【グオオオ〜〜〜ンンッッ!!!】
巨大な雄叫びが聴こえた。
「な、何だ?」
銃吾が慌てる。
「見なよ、さっきの場所からだ!」
大聖堂倒跡からモクモクと煙が上っていた。
この煙の向こうに巨大なシルエットが。
煙が晴れると銀色に輝く金属質のキツネビトらしき存在がそこにはあった。
「まさか…また巨大メタルフォックス…?」
「にしては大きくないかい?」
早理華と聖姫が呆然と眺める。
司祭の一人が呟く。
「あれは…この里の鎮守の神様だ…。」
「鎮守の神?」
「古来から代々キツネからキツネビトへ進化させてもらった先祖達様が毎年感謝の供物を捧げてきた…今日はその捧げ物の日だったのだ。」
「それを!アンタ達が邪魔したせいで神様が怒ったんだ!」
「そうだそうだ!」
司祭と人々は口々にタクティカルシスターズを罵る。
「何言ってんだい、そういうアンタ達こそ久里亜さんをその捧げ物とやらにでもするつもりじゃなかったのかい?!」
聖姫が一喝すると後ろめたかったのかキツネビト達は押し黙った。
「図星か…とんでもねえヤツラだな。」
銃吾は吐き捨てるように言った。
そんな言い合いしてる間にも巨大シルエットは姿を表しコッチへユックリ向かって来る。
「デカいな…全高100メートル近くはありそうだ。」
銃吾はライフルを構える。
だがあんな巨大な相手には豆鉄砲程度だろう。
「そうだ!田村さんからコレを預かってたんだっけ。」
早理華が思い出したように預かりモノのブレスレットを他の三人に渡した。
「何だいコレ?」
「ソレについては田村さんに説明をお願いしましょう。」
早理華は田村に通信した
「田村さん、久里亜さん解放に成功、しかし大聖堂地下には機霊憑依剤工場どころか巨大メタルフォックスがいました!」
『やはりね…昔からここらに関わった人達が例外無く失踪するとかキツネに化かされたという昔話が存在しててね、今回の件は私から無理を承知で本部に内密な調査お願いしてたんだ。』
「田村さんここを知ってたんすか?」
銃吾は驚き半分、興味本位半分から田村に聞いた。
『ああ…』
『私の恩師が以前そこの学校へ臨時教員で出向き、帰って来てから一年と経たないうちに消息を絶ったんだ…。』
『警察の話では他にも同様なケースがあったらしいがそことの因果関係が認められない為捜査は出来ないと言われた…だから確かめたかったんだ、この事は久里亜だけには話してある。』
「ホントよ、そして私は一連の機霊憑依剤のアジトの可能性を考えたんだけど…」
「まさか工場やアジトどころかあんな化け物が、ねえ…。」
「久里亜さん、遠い目をしてないで早くしないとその化け物が、ホラこんな近くに!」
早理華の慌てる声に久里亜がハッとする。
巨大メタルフォックスはもう校舎まで真近に迫っていた。
『みんな、ブレスレット側面の黄色いボタンを圧しながらこう叫ぶんだ!』
『ホーリーアーマー顕現!てね!』
「よしわかった、やるぞみんな!」
【ホーリーアーマー顕現!!】
次の瞬間、5人の上空に五つの光が瞬いた!
巨大メタルフォックスを前にして5人に与えられた新たな力?
ホーリーアーマーとは一体何なのか?
そして5人はその力を得てどう立ち向かうのか?




