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[双子百合]うまれる前から永遠に  作者: 唯凜
私のプレゼント探しの旅
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第30話

「そろそろ出掛けようかな」


 リビングで環樺とソファでまったりしていると、お店も開いてくる時間になってきたので出掛ける準備をしようと腰を上げる。


 足を揉みながらゆっくりとお風呂に入ってから、環樺もお風呂に入ってきた後、私の部屋で二人でまた入念なストレッチをした。

 ストレッチを終えてからしばらくして、朝にも軽くご飯を食べたけど沢山動いたことでお腹がすいてしまっていたので早めのお昼ご飯を食べることにした。

 そして食後にリビングでしばらく他愛無い時間を過ごして今に至る。


「着替えてくるね」

「はーい!」


 別に一緒に出掛けるわけじゃないけど、なんとなく隣に座っていた環樺に一言伝えてから部屋に着替えに行く。


 着替えて階段を降りると、環樺が先に玄関で待っているのが見えた。


「どうしたの環樺?」

「ん~? んふふ、ただのお見送り!」

「そう?」


 それにしてはニコニコしててすごく嬉しそうに見えるけど。


 これは、私がプレゼントを買いに行ってくれるから嬉しそうにしてるんだろうか。

 お互いに出掛ける目的を言いはしていないけど、私も昨日環樺が一人で出掛けたのはプレゼントを選びに行ってくれてるんだろうなーと思って家で一人で待っているのも嬉しかったし、環樺もきっとそうだろうと予想する。

 ......自惚れじゃないよね?


 今朝履いていた運動靴とは違う靴を靴箱から取り出して履くのを環樺にずっと見守られている視線を感じる。そして立ち上がって玄関のドアに手を掛ける。


「じゃあ、行ってきます」


 ドアを開けながら環樺の方を振り返って言う。


「うん! 行ってらっしゃい!」


 と弾むような声が返ってきて、くすりと笑ってしまう。

 ドアが閉まる直前に「気を付けてねー!」という声が聞こえてからバタンという音でかき消される。


「さてと」


 何を買いに行くかは決めていないけど、ひとまずいろんなお店が見れる駅前を歩き回ってみようかと移動を開始する。


 今日は幸いにそこまで気温が高くならない予報なので、沢山歩き回るのもそこまで辛くはなさそうだ。

 ......脚の状態が万全だったら。

 

 あまりこの歳で自分で実感できるものではないけど、今日のところは若さというものを信じてこの身体に頑張ってもらいたい。


 




 駅前近くのショッピングモールにやってきて、目的地を設定することなく、とにかく色んな物を目に入れてみてアイデアを取り入れようとぶらぶらしてみる。


 色々なお店が建ち並ぶ中、まずは服屋が目に入ったのでそのままお店の中に入ってみる。


「あ、これ可愛いし環樺に似合いそう」


 一通り店内を見て回って環樺に似合いそうだと思う服を見て楽しむけど、服はプレゼントで送るよりも一緒に買いに来たいなと思う気持ちの方が強い。

 送るとしてもまたいつかの機会にしようと見るだけにして店を出る。


 そして次は近くにあったアクセサリーショップ。

 環樺はアクセサリーとか付けないんだけど、何かの参考になるかもしれないし一応見てみようと足を運ぶ。

 こういうものを扱う場所に来ることがあまりないのでじっくり見るのはすごく新鮮に感じた。


「うーん。まだ私達には早いかな」


 ネックレスやリング、ブレスレットを見てみてもあまり身に着けているイメージが湧かないなと思って苦笑してしまう。

 私達は自分達のことを知っているからそう思うだけかもしれないけど。


「わぁ、可愛いピアスがいっぱい」


 ピアスは校則でも目立ちすぎるものでなければ禁止されていないけど、やっぱりまだ早いかな。

 高校卒業とかのタイミングで一緒に付けてみるのはいいかも。または何かきっかけがあれば。

 せっかく身に着けるんだったらイヤリングじゃなくて、ピアスが似合うくらいの女性になった時に環樺と一緒にピアスの穴をあけてピアスを身に着けたいなーとなんとなく思った。


「やっぱり痛いのかなぁ」


 思ったはものの、自分の身体に穴を開けるという感覚が想像できな過ぎて、自分の耳たぶをフニフニと揉み込んでから軽く爪を立ててみる。

 うん、痛い。


 まぁ、どうするかは未来の自分達に任せよう。

 もしかしたら数か月後にきっかけもなく一緒に開けてみたくなってるかもしれないし、人間、考えは簡単に変わるかもしれない生き物だ。


「ってさっきから趣旨が変わっちゃってるじゃん」


 環樺の誕生日プレゼントを見ていたはずが、さっきからいつの間にか二人で一緒に身に着けることを前提に考えてしまっていた。

 でもいつかの時のために参考に見るくらいはいいよね。


「この四つ葉のクローバーとか環樺っぽくていいかも」


 そういう風にたまに小さく独り言を呟いたりしながら、しばらく店内を鑑賞した。


「えっと、次は――」


 アクセサリーショップを見終わって次はどうしようか考えながらふらふらとモール内を歩く。

 

 高校入学という節目の年なんだから何かそれにちなんだ三年間くらい使えるものだったり、そういうものを選んであげたいなーとは思っているんだけど、日記帳とか手間がかかり過ぎる物を押し付けるのもかわいそうだし、持っておくだけだったりの軽すぎる物は私が納得がいかない。

 う〜ん、何かちょうどいいものは何かないかな......


 それから生活用品を取り扱うお店や食器、家具など、いくつかのお店を見て回って、いつもはあまり行かない他の大型の雑貨店とかデパートとかに行ってみてもいいななんて考えて、もうしばらくこの辺をふらふらしたら電車に乗って他の場所に移動することに決める。


 電車に乗るために駅に向かっている途中、沢山の機械音や効果音が鳴り響くのが耳に入ってくる。このすぐ先の道を右に曲がるとすぐ見えてくるゲームセンターからの音だ。

 高校生になってからはご無沙汰になっているが少し前までは環樺と一緒によく来ていた。


 このまま駅に向かうつもりだったけど、少しだけ分かれ道で立ち止まり、ゲームセンターには色んな興味を惹かれる景品があるので参考に見てみるのもいいかもと思ってそちらに進行方向を変える。


 ゲームセンターの中に入り、クレーンゲームのコーナーの方に一直線に歩みを進めていく。

 ゲームセンターというものは思ったよりも面白いものがたくさん取り扱われているので見ているだけでも楽しめる。

 そして定期的に置かれているものが変わってくれるのでいつ来ても退屈することはない。


 ちなみに私達の部屋に沢山置いてある動物やキャラクターのぬいぐるみの半分以上はこのゲームセンターの戦利品だったりもする。

 そしてそのほとんどは自分で取ったものじゃなくて、お互いに取ってプレゼントみたいに送り合っているものなのでより大切なものになっている。

 もっと言うと、それが理由で私の部屋には私の好きなものだけでなく環樺が好きなものも置かれているし、環樺の部屋には私があげたいものも置いてあったりもする。

 フィギュアとかは私達はあんまり好まないので取ることはないけど。


 今日も筐体の中の様々なものを見て楽しむ。


 腕時計、うん、身に着けておけるものは悪くないかも。ポーチ、どうだろう。パスケース、はあんまり使わなそうだし。マグカップは今使ってるものがあってあり過ぎても困っちゃうし。

 あ、この、何だろう......環樺が好きなキャラのこの不思議な置物可愛い。環樺が好きそう。


「あ、これ環樺に取ってあげようかな」


 見て回っているところでこれ環樺にあげたいなって思うぬいぐるみを発見する。

 環樺に似ている気がする犬のぬいぐるみ。最近、環樺のことを大きいわんちゃんみたいだなって思うことが増えてきたから環樺に誕生日プレゼントとは別にプレゼントしたいかも。

 今度環樺とまた来てもいいけど、さっき思ったように景品は定期的に変わってしまうので少し悩んでしまう。

 しかもこの形式の筐体にしては珍しく一回百円だし、前に誰か挑戦していたのか少し取れやすそうだ。


「う~ん......。よし、千円までに取れたらにしよう」


 取れなかったとしても引き際に丁度いい金額だろうとここまでというラインを決めて百円硬貨を投入した。


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