最終話。聖女道は永遠に続く
「お前の敗因は、悲しみを知らないことよ、ナム、聖女奥義、聖光飽和女神様の元へ!」
「アーハハーハハハハーー強くなったなサリーよ」
「一緒にトルーサ姉様のところに行きましょう・・・聖女王お姉様」
「ア~ハハハッハ、やっとお姉様と呼んでくれたな。冥界で勝負だ!今度は、今度は、負けないぞ!」
淡く優しい光が王宮を包み。サリー嬢と聖女王は消えてしまった。
50年後
聖女基本型、乙女の祈り!
「はっ」「はっ」「はっ」「はっ」
私、ナターシャはあれから殿下の求婚を断り、山に入った。そして、サリーさんの技を継承し、弟子に教えることを人生の目的にしたの。
あの境地に至れたのかしら。
「院長、熊殺しのリザが来ました!」
「オラ、オラ、院長、お前はババだから引退しろ。そして、あたしを[真の聖女]に指命しろや。勝負だババ!」
「フフ、小聖女王というところね。いいえ、彼女は暴虐だったけど高潔だったわ。聖女王さんに失礼ね。いいわ。勝負しましょう。貴女が勝ったら真の聖女と認めましょう、負けたら型稽古を一から私と学び直すこと、約束よ」
「は、何を言っている。この金棒の錆にしてやる!おりゃ、聖女リザ流、熊殺しの・・」
「聖女慈愛の型、孤児を抱擁」
「な、なにーー院長が、リザが技を発する前に、リザに組み付いた。いや、あれは、優しく抱いている・・何、あのお姿、涙があふれる」
「おりゃーーー、動けねえ、ババ何をしたーー」
「ふふふ、聖女道は心が大事、リザさん・・私と一緒に型稽古から学び直しましょう。心がこもれば型にでる。心がなければ型ではない。聖女道の基本よ」
「離せ、離せ、おりゃ、おりゃ、・・・・うぅぅ、暖かい・・俺は何を焦っていたんだ。グスン、グスン。院長先生ーー俺は間違っていたのか?」
リザは金棒を落した。
「いいえ、正しき道に至るのなら、間違いは間違いではありません。人は迷うもの間違いがあって正解がわかるのです・・」
時々、こうして、道に迷う弟子がいる。
サリーさん。私も女神様の元へそろそろ行きます。
また、お菓子を食べながら、お話をしましょうね。
大空にピンクブロンドのサリーの顔が浮かんだ。
最後までお読み頂き有難うございます。