涙の真相、ドンデン返し 【17】
「よかった……」
何でよかったのか、わたしにも判らない。
何でも良いから、兎も角、全てを前向きに__ホントだったらわたしの流儀じゃないんだけどね。でも、今は他に方法が無かったもの。
「わたし、お父さんとお母さんのホントの子供なんだね__」
「レジェナ」
「わたし……」
わたしは……
「わたし……」
「レジェナ……」
わたしは、言葉を振り絞った。
「わたし、お兄ちゃんの妹なんだね」
やっと、それだけを言った。
「わたし、王女なんかじゃないんだよね__」
「レジェナ__」
お兄ちゃんの眼差しは、何故か戸惑っているように見えた。
「わたし、もう、王女なんかで無くても良いんだよね__」
そうだよ。
これでもうお仕舞い。
「終わったんだよね、これで」
そう、お姫様ごっこは終わりです。
そして__わたしの恋も。
テリジノお兄ちゃんへの、身を焦がすような想いもここに終了したのでありました。
「帰ろ、お兄ちゃん」
「レジェナ」
テリジノは__お兄ちゃんは尚も何かを言い聞かせるような表情でわたしを見詰めた。
何、一体?
何が言いたいの、お兄ちゃん。
この上、まだ何かわたしに言わなきゃならない事が有るの?
「それは出来ない__」
「__」
なんで?
どうして、出来ないの?
「君は、レジェナ王女なんだ」
「__」
何、それ?
どう言う意味?
「君はサウロロフスの王女、レジェナ・マルディールなんだよ」
「どうして?」