涙の真相、ドンデン返し 【16】
まさか__
「そして、トイデスは自らの娘を、国王陛下に王女様として差し出した。本物の王女様が御逝去あそばしたという事実を伏して」
そんな。
「それが__」
いや、聞きたくない。
「それがレジェナ、君なん……」
「いやー__!」
「レジェナ?」
耳を塞いで座り込んだわたしに、お兄ちゃんが声を掛けた。
「レジェナ」
「やめて!」
わたしは座り込んだまま、無我夢中で激しく首を振っていた。
「聞きたくない!」
「レジェナ__」
「聞きたくない、聞きたくない、そんな話、聞きたくない!」
そうよ。何なのよ、一体。
「それじゃ、どうして?」
わたしはお兄ちゃんを振り返った。
「どうして、わたしは王女なんかにならなくちゃならないの?」
「レジェナ__」
一旦止まりかけた涙が、また流れ始めた。
「本物の王女様は死んじゃったんだよ。王様も、王妃様も、マルディール王家なんかもうどこにも無いって言うのに」
「レジェナ!」
叱り付けるようなお兄ちゃんの一言に、わたしは怯えたように身を竦ませた。
「ご、御免……」
お兄ちゃんは叩頭するように俯いた。
暫しの沈黙が流れた。
「……レジェナ」
雫が滴り落ちるように、静かにお兄ちゃんが口を開いた。
「済まない__」
「お兄ちゃん……」
わたしはお兄ちゃんを見詰めた。
「わたし、王女じゃないんだね……」
「レジェナ……」
何かを振り切ろうとして、わたしは再び笑顔を作って見せた。




