涙の真相、ドンデン返し 【18】
「判らないのか、レジェナ?」
お兄ちゃんは、低く声を抑えて言った。
「みんな、レジェナ王女が生きておられると思うからこそ王家再興の為にここまで耐えて来たんだ」
「__」
それって__
「今ここで、あのレジェナ王女が実は替え玉だったと判ったら、皆目標を失ってしまう」
「それが__」
「レジェナ」
お兄ちゃんはわたしに、言い聞かせるように言った。その目に宿った輝きに、わたしはまたしても怖れを覚えた。
「良いかい、良く聞いてくれ。これまで、サウロロフスの遺臣団は王家再興の為に十五年もの間耐え難きを耐え、忍び難い日々をひたすら忍んで歯を食い縛りながら送ってきた。国王陛下の一粒胤、レジェナ王女がご存命あそばすという、それだけを支えに」
だから、それが。
「みんな必死なんだ。政変で何もかもを失って、それでも希望を失う事無く只今日を生きる為の日々に耐えてきた。それは途方も無く永い闘いなんだ。みんな信じて頑張ってきたんだ」
頑張ったって、何によ?!
「だから、レジェナ、君も闘わなくちゃならないんだ」
何で?
何と闘うのよ。
「みんなが君の為に頑張ってるのに、君自身がそんな事を言っちゃいけない」
わたしの為?
何よ、それ。
お兄ちゃん、何か勘違いしてない?
わたしが何を望んでるか、何の為に旅してきたか__判らないの、お兄ちゃん。
自分勝手に世界作って熱血して、何言ってるのよ。
「自分の世界だけで世の中を見てちゃいけない」




