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久しぶりですが短めです、すいません。
あの襲撃から一週間が経った日曜の午後。
いつも通り細田さんの作ってくれた昼食を美味しく頂いた後、俺は最近嵌っているドリップコーヒーを二人分淹れてソファでくつろいでいるのだが、
「近くないですか細田さん?」
「いえ、適切な距離ですのでお気になさらず」
一週間ずっとこの調子だ。
いや、多少マシにはなっているのか? 事件直後なんてトイレにまで着いてくる勢いだったしな。更にベッドの隣で完全武装した細田さんが居ては寝れなかったのでどうにか退出してもらったのだが、朝部屋を出ると直立不動の細田さんがいたり……
明日からの学校生活が不安で仕方がない。
そんな細田さんだが、この一週間殆ど寝ていないのか珈琲片手にウトウト船を漕いでいる。
俺は気にして無いと何度も伝えているのだが頑なに"私の所為です"と意見は平行線なのだ。大切にされているのは嬉しいが今の細田さんと居るとなんと言うか……疲れるってのが正直な感想だ。
部屋の中でもずっとピリピリしてるし、食材一つに対してもかなり慎重だったり。
昨日なんて久しぶりに一緒に外へ出かけたけど殺気駄々漏れの状態だし、目が合った女性がその場でへたり込んでしまうことも多々。雨なんて降ってなかったけど水溜りが出来たのは見なかったことにしておいた。しただけでガッツリ見てはいたんだけどね。
という感じの一週間は細田さんは勿論のこと、俺も精神的に多少なりとも疲れを感じ始めている。なのでここいらで解消しないとこの先が大変なのは目に見えてるのだ。
「細田さん細田さん。眠そうですね? お昼寝にしましょうか?」
俺の問にハッとなり頭を軽く横に降ると
「眠くなんてありませんし寝てません。例え太郎さんとの添い寝券があったとしても寝ませんから!」
パチパチと両頬を叩きながら漸く意識を保っているが、誰がどう見ても限界だろうに。
「添い寝券はありませんがよかったらここ使って下さい」
自分の太ももをペチペチ軽く叩きながら膝枕を促すと、俺の提案が意外だったのか両手を頬に当てた状態で細田さんがフリーズしていた。
「いい、のですか?」
そう言いながらも視線は俺の右ももから外れない。
違うと思うが股間辺りに視線を感じるのは俺の気のせいということにしておこう。
と言うかこの沈黙が無性に恥ずかしくなってきたので耐えきれずに立ち上がろうとした瞬間
「逃しません!」
気がつけば細田さんの左手が太もも添えられている。別にそれはいいのだが全く力を感じないにも関わらず立てない……
えっ? 俺の全力って細田さんの左手より弱いのもしかして。そんなことを考えていると
「んっ」
つい声が出てしまったが許してほしい。
だって急に内ももをフェザータッチで撫でられたんだ。これは不可抗力だ。
そんな俺の反応が楽しかったのか、細く綺麗な指は止まることを知らないのかゆっくりと動いていく。
ダメだ!
これ以上はダメだ。くそっ、ヤツを抑え込むのも限界が近い。こんな状態でヤツが起き上がると終る。主に俺の人生が。護衛対象が膝枕を促してきたと思ったら勝手にテント張ってソロキャンしてたら駄目でしょ。
いや、ワンチャンこれはこれで正解なのか? むしろハナマルもらえるんじゃね?
……いやいや駄目でしょ普通に考えて。
……普通ってなにそれ美味しいの?
頭の中はぐちゃぐちゃだし、ムスコはつかまり立ちからいつの間にかひとり立ちしようとするしでテンパった俺は強引に細田さんを膝枕の体制にもっていく。
「3時くらいに起こすので仮眠して下さい。寝心地は保証出来ませんが」
早口でまくし立て最後に"お願いですから"と付け足すと、さっきまであった抵抗感も無くなり代わりに心地良い重さを感じれる。
丁度いい位置にある髪の毛を軽く撫でていると直ぐに寝息が聞こえてきた。
人が気持ち良さそうに寝ているのを見るとこっちも眠くなるのは何故だろうか。
「太郎は鈴木と佐藤のどっちが好きなんだ? まあ細田先生は鉄板だと思っているが」
ふと以前影継に言われた言葉が蘇る。
なまじ他人の感情の機微に聡い影継に言われた言葉が俺の中で地味にシコリのように残っている。
確かに護衛だからと言えどここまでパーソナルスペースを俺から近づけたりするだろうか?
ただのクラスメイトだからと言えど家に呼んで料理を振る舞うだろうか?
もう誰かを好きになるなんて……
口に出したのか、頭の中を巡った言葉なのかわからぬまま俺は眠りについた。
ちょくちょく頑張ります。




