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fgoの最終霊気再臨の時はイヤホン装着して、画面は見ずに声だけを聴きます。そうして耳が蕩けそうになるのを我慢しながらも最後まで聴きます。

セリフが終わっても画面は見ません!!ここでセリフを頼りにキャラの姿を想像し創造するのです!!

そうして自分の中の再臨が終わって漸くご対面。


「ああ、可愛い」


な、作者です。皆やってるよね?


「友達……か」


 先程食堂で言われた言葉を呟きながら、今は教室へと帰る途中である。

そもそも”友達”ってラインがあやふやだよな。偶にこのての議論を聞くことがあるけど”一緒遊んだら友達”とかさ。

 「ちょっと時間をくれ」と言って今回の話から逃げてしまったのを京華院にすまなくも思うも、実はこんな出来事があったから人を信用出来ないんだ。だから諦めてくれとも言える筈もない。


 どうしよ。


 それでも男が俺と友達になりたいというのはこの世界では別に普通のことじゃないのか?

女性と違ってメリットがない。……友達どうこうの話にメリット(・・・・)とか出てくるようじゃダメだな俺って。

 自己嫌悪しながら教室へと戻ると、出て行った時と明らかにクラスの雰囲気が違うのがわかった。なんというか”熱い”んだ。別に急に温度が上がったわけじゃないけど、一体どうした?


 ギラギラした女子の視線を掻い潜り自分の席へと戻り、既に自分の席にいた鈴木さんに小声で聞いてみた。


「鈴木さん。なんかクラスの雰囲気が変わってない? 俺の気の所為かな?」


「多分気のせいじゃないと思うよ。私もビックリしてるし」


「理由知ってる?」


「……知ってると言えば知ってる……けど」


 何が恥ずかしいのか顔を少し赤くして俺から視線をそらしての解答に首を傾げる。

多分クラスの女子は知っていて俺が知らないか気が付いていないこと。そしてこの鈴木さんの態度は別に悪い話ではないけど女子には言い難こと……時間的に昼休みの間に起ったと思われること。


 それすなわち!


 


 わからん。普通にわからん。

わからない時は人に聞くのが一番だ。鈴木さんが答えられないなら選択肢はもう一つ。


「佐藤さんはなんでか知ってるのか?」


 聞いた瞬間肩がビクッとはねる。そんなに驚かなくてもいいのに。

そして、こちらに振り返らずに前を向いたまま答えが返ってきた。


「し、知らない! 私はあんたが童貞(・・)だなんて知らないんだから!!」


 知らないんだからんだからだからからから~から~ら~


 頭の中で今のセリフが山彦のように響いては消えていく間、それを認識するのに時間が掛かってしまった。



 ”童貞”

それ即ち未だ性の経験が無い男性を指す言葉だ。近年それが悪かのように囁かれる時代に辟易している男性も多いかもしれない。それに男は生まれた時は皆童貞だし、俺の歳で童貞って別に不思議でもなんでもないだろ? まあ、あと半分で魔法使いになれるけどそれはまだまだ時間があるし大丈夫だと思っている。……大丈夫……だよな?


高校なったら恋人が出来てリア充の仲間入り!

だ、大学行って「ウェーイ」って言えば恋人出来るしまだワンチャンある!

社会人になってこそ本気の恋愛が出来るってもんよ!

最近は晩婚化も進んでるしまだ余裕。女性は焦るかもしれないけど男はまだいける!!

もしもし……はい、初めてなんですが……はい、サイト見ました。「初めて割り」って言えば……あっOKですか

……

そしてマンションの一室で孤独死。


 マジか。なんかこのままいけばそんな未来が現実のものへとなりそうで怖いな。


 俺がそんなことを考えているとは佐藤さんも知る筈もなく、自分の言葉で俺が放心状態になったと勘違いしたのか、かなり慌てて


「だ、大丈夫だって。まだまだあんた若いんだしこれからだってこれから」


 ぽんぽんと俺の肩を叩きながら一応はフォローしてくれているのだろうか。

 でも、これでなんでクラス中の女子の目がぎらついているのかわかった。多分だけど俺の初めてを自分こそが奪ってやる、くらい思っているに違いない。


 しかしそんな簡単に奪われてなるものか。

やっぱり初めては恋人と、という願望があるのは何も恥ずかしいことじゃないと思いたいがこんなにもギラつくものなのか”童貞”って。


「鈴木さん鈴木さん」


 佐藤さんでは話にならないのでこの世界の常識を知っている彼女に聞いてみよう。

手招きをして教室の隅へ移動するとクラス中のヘイトが鈴木さんへと注がれた。早いとこ終わらそう。


「この世界で童貞ってそんなに貴重というか珍しいの?」


 周りに聞こえない様に話しているので鈴木さんとの距離は近く、少し動いたら肩が触れそうだ。なんで女子っていい匂いするんだろう。シャンプーかな?


「め、珍しくはないけど……高校生でその、ど、ど、どうていっていうのは少ない……かな?」


 最後を疑問文で締めてくれる彼女の優しさが今は辛い!

ということはアイツ! 京華院も既に大人の階段を数年前に昇り終えているというのか。それでヒョロット眼鏡の外見に似合わずあの貫禄か。……今度から「兄貴」とでも呼んでみようかな。


 それに、恥ずかしがりながら「どうてい」って平仮名っぽく言う鈴木さんがちょっと可愛いことに気が付いた。外見ギャルなのに下ネタには免疫が無いって個人的にポイント高いです!


「そうなのか、教えてくれてありがとう。それより鈴木さんはこの年で童貞ってどう思う? 俺個人としては童貞って別にそこまで気にすることじゃないと思うんだけどね童貞って。でも俺が童貞じゃなくなったら今は童貞に釣られてる女子達も興味を無くすのかな? 童貞じゃない俺に」


 すると顔を真っ赤にして俯いてしまった。少しやり過ぎたかなと反省していると


「ど、どうていどうてい言い過ぎだし。それにあたいは別に気にしないし……なんか大切にしてる感がして」


 なにこの子! 天使かなにかですか?

ちょっとキュンってなったのは気のせいだから気にしない。


「それに……あ、あたいも……だし」


 


「あっ、鈴木さんも処女なんだ」


 この距離で声を小さくしたところで俺の耳はそれを逃さないのだ。勿論鈴木さんの先程の「処女」というワードもばっちし聞こえていた。

 ふっ、俺じゃなきゃ聞き逃していたな。


 自分のスキルが恐ろしいと悦に浸っていると先程より顔を真っ赤にして口をパクパクさせている鈴木さんがいた。目には薄っすらと涙が浮かび始めて……あっ、これヤバいやつだ。と思った瞬間


「私も処女です!」


 右手を真っ直ぐ上に伸ばして主張するのは確か東雲さん。それを皮切りにクラス中から


「私も」「私も処女!」「私も」「私は田中君の為にとっておきました」「「「嘘つくな」」」「私は本当に処女です」「これが本当のショジョ立ち」「「「誰が上手い事言えっていった」」」「か、確認する?」

「「「それだ!!」」


 もうカオスだわこれ。

それにしてもこっちにもあの漫画があるのか? とか、最後の「確認」ってマジっすか? とか色々考えているといつの間にかクラスの女子達の処女コールにまで発展していた。


「あっそ~れ。ショージョ、ショージョショージョはいショージョショージョはいはいっ」


 こうも恥ずかしげもなく「処女」を連呼されても何にも嬉しくないことに気が付いた。

どうせなら先程の鈴木さんみたいに恥ずかしがりながらも頑張って口に出すも、気の利かない男子にばらされてしまって恥ずかしい。ぐらいが丁度いい。

 気の利かない男子か……ごめんなさい。


 処女コールでチャイムが聞こえなかったのか、女子達は五限目の担当である田中先生の入室に気が付いていない。先生は特に気にした様子も無く教壇に上がると大きく息を吸う。

 俺は先生が大きな声で注意してくれると思っていたのに……思っていたのに


「それっ、ショージョショージョはいはいっ」


 ”はいはいっ”のところでパンパンと手を叩く先生に呆気にとられることとなった。

てか、先生も処女なのか。凄い美人でスーツが似合って仕事が出来る女性というのが俺の中の先生の評価である。前の世界だと絶対彼氏が居る、いないとおかしいぐらいなのに。この世界の基準って女性に厳しくない?


 そしてこのカオスの時間は誰かの一言により終わりを迎える事となる。


「そう言えば、マスター(佐藤さん)は処女祭りに参加してないみたいですが……やっぱりもう経験が?」


 その一言で通称「処女祭り」が一瞬にして終わり視線は佐藤さんへと注がれた。

 「私?」と自分を指して確認するとクラスの皆が一斉に頷く。先生もかよ。


 さっきまで泣きそうだった鈴木さんも「あたいも気になる」と興味深々だ。

まあ、俺もこの際だ下手な事は言わずにおこう。べ、別に佐藤さんが処女かどうかなんて気にならないけど、ここは黙っておくのが吉だ。 


 チラッとこちらを見たかと思ったら、グッと拳を握って


「わ、私もしょ」


「バカっ。あんた恋愛マスターになんてこと聞いてんのよ? 経験がないなんてあるわけないじゃない」


「そっ、それもそうだよね。ごめんね」




 ……あー、これは言いだし難い雰囲気だわ。先程の佐藤さんの言葉は途中で途切れてしまったが、聞き間違いでなければ「しょ」と言っていた。ならば続く言葉は「じょ」だろう。

ここで「わ、私もしょっちゅうしてる」とかでないことを祈ろうか。この騒ぎの原因は俺だし、助け舟の一つでも出してやろうか。



「で、どっちなんだ?」


 勘違いしてほしくないがこれは俺の善意の質問で、この場をまるく収めるための最善の策な筈なのに



「しょ、処女で悪かったなこの童貞野郎! あんたなんか魔法使いにでも賢者にでもなっちゃえばいんだー」



 と、叫びながら教室を出て行ってしまった。





 ……解せぬ



眠いので小話は次回にでも。おやすみなさい。

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