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続きを書こうと思っていたのですが、前回の話になんかモヤモヤが晴れなかったので作者の都合ではありますが書き直しさせていただきました。もうちょっと考えて書きますので今回は閑話で勘弁してください。


 その後の授業は出席扱いにされて俺は自宅へと戻っていた。

丁度お昼時だったこともあり細田さんとご飯を食べている。勿論彼女の手作りだ。


 今回の事は公にはせずに内々で解決できるならしてほしいという俺の我が儘を校長先生は渋々了承してくれた。本来は逆の立場の筈なのだが・・・あの学校に決めて正解だったな。

あの保健の先生の処遇を決めた後に、一旦俺に連絡が入りそれにサインをしたらこの一件は終わりになる。こっちとしてはもうあのような事を聞きたくもないので、2年の保健体育の担当から外れるくらいに思っていたのだが


「・・・教員資格の剥奪ですか?」


 その日の夕方に細田さんにかかってきた電話を替わると校長先生の口からそんな言葉が出てきた。

それに俺が黙っていると何を勘違いしたのか


「やはりヌルイか。それじゃ警察に突き出すとしよう。本人の説明も必要だから明日ちょっと時間を貰うよ」


 それじゃ、と言って電話を切ろうとする校長先生に慌てて声を掛けた。


「いえいえいえ、剥奪ってそれはやり過ぎじゃないですか?結果としてですがこっちに実害はなかったわけですし」


「そう言ってくれるのはありがたいんだが、それは結果でしかないんだよ。もしあのままあんたが逃げずに教室に残ってたと考えてごらん?あの体格の女性から逃げれるかい?言っておくがこの世界の女性の力はそっちとは大違いだからね」


 俺は心のどこかでこの世界を舐めていたのかもしれない。

来て早々、細田さんのような人に出会ったことで安心していたんだろう。会う人会う人皆優しくしてくれた。勿論俺が男だという理由だろうけど、それでも自分に害が及ぶなんて今まで考えてもいなかった。


「・・・あの先生は何と言っていましたか?」


 なぜあのような事を言ったのか気になり会話を無理矢理つなげてみた。


「一種の歓迎のつもりだと本人は言っていたよ。異世界の高校生なら喜んで飛びつくと思ってたとも言っていたね。そしてあわよくばその矛先が自分に向けばとも・・・泣くほど後悔するんなら最初からやらなきゃいいものを」


「そうです・・・か。俺としてはもう顔を合わさなければそれでいいので、すいませんがそのように手配お願い出来ますか?」


「わかった。彼女には田舎の男子がいない学校にでも行ってもらうとするかね」


 そうしていくつかやり取りを終えて電話を切ると、フッと力が抜けてその場に座り込んでしまった。細田さんが慌てて駆け寄ってくるが「大丈夫」と言いながら椅子になんとか座る。


 たかだか16歳の高校生の決定で人1人の人生が決まってしまう・・・

それがなによりも恐ろしく感じられる。そりゃ最初は真面目な男性でもこの世界に侵され続ければおかしくなる筈だよ。

 だって何でも願いが叶うんだ。

「あいつは気に食わない」そう言うだけで次の瞬間そいつはいなくなる。

「あれが欲しい」そう言えば次の瞬間それが手元に入ってくる。恐らくそれが人間(・・)であっても・・・

 

 無茶苦茶だ。

あっちも大概だがこっちも同じくらい狂ってる。だけどそれは2つの世界を知っている俺だから言えることであって、この世界の人達にとってはこれが普通なんだろう。

 

 心配そうな顔でこちらを窺っているいる細田さんに視線を向け彼女の名前を呼ぶ。


「細田さん。もし俺が理不尽な行動や言動をとった時は容赦なく俺を止めて下さい」


 頭を下げてお願いする。今出来る事といったらこのくらいだろう。勿論自分でも制御していくつもりだけど俺もただの高校生だ。どこで道を間違えるかわからない。


「わ、わかりましたから頭を上げて下さい太郎さん」


 彼女ならもし俺がこの世界の闇に呑まれそうになってもきっと助けてくれるっていう、根拠はないがそんな気にさせてくれた。


 さて、今回の件も無事?終わったことだし今夜はパーっとしますか。



 と言う訳で、俺たちは近所のスーパーへ買い物に来ている。

少し車を走らせれば男性御用達の高級食材が売っているお店もあるらしいが、生憎俺の舌は庶民の舌なのでフォアグラやキャビアなんか食べてもよくわからん。おっ、鶏肉安い!


「本当にこちらのお店でよかったのですか?」


 鶏肉(もも)を見ている俺に隣を歩いている細田さんが問いかけてきた。勿論俺がカートを押している。

それに先程の答えで述べると「やはり考え方が違いますね。いいと思います」と感心されてしまった。

こんなことで褒められても嬉しい気はしないが、こうやって年上の女性と晩御飯の食材を買えることのほうが嬉しかったりするのが男子高校生。


 他愛もない話をしながら今晩の献立を考える。

かごの中には既に先程の鶏肉(もも)入っており、後はこれをどう調理するかだが・・・ん?


「お一人様1パック限り」と大きく書かれたチラシが目に入った。

これはこれは卵さんではありませんか。こんなところでなにを?・・・成程。親の温もりが欲しいと・・・!その願い叶えてあげましょう。

 細田さんと2人で2パックを買い物かごに入れて他にも色々物色していると、なにか違和感を感じて回りを見渡すも俺の髑髏の仮面を訝し気に見てくる女性客ぐらいしかいないな。

すいません、ゲロ吐きそうなんで勘弁してください。


 不思議に思いながらも会計の為にレジへと並ぶ。

「お先にどうぞ」と、ここでも男子の優遇っぷりが発揮されるが丁寧に断り自分の順番を待つ。

夕方ということもあってそれなりに買い物客で賑わっていて、俺の前にも2人並んでいる人のかごの中をチラッと見てみると。

(へ~、この人も親子丼なのかな今日の晩御飯は)と、自分たちのかごの中身と同じような商品を見ていると


「本日の卵の特売は終了しました!また、鶏肉も完売です!」


 ・・・ん?


 売り場から聞こえてくる声に他の客のかごを見てみると・・・鶏肉鶏肉卵卵鶏肉卵のオンパレードだった。


 ・・・まじっすか?


「細田さん、これって」


「残念ながら、そういうことです太郎さん」


 返ってきた言葉に俺はため息をつくしかなかった。もしかしなくても()と同じ晩御飯のメニューを作るということだろう。

会計を済ませて店を出ようとしたら店長っぽい人に「是非またいらしてください」と笑顔で見送られた。


 車の助手席で流れる景色を見ながらふと物思いにふける。





「親子丼」ってなんかエロいよね。





 細田さんと一緒に作った親子丼はとても美味しかったです。







紳士っぽい作品になるよう頑張りますか!

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