魔王な天使
「やべえ!?あれ【嵐災】死ぬぞ!?」
場所が変わった瞬間に俺の目に写ったのはスーパーロボット系のなにかの攻撃に【嵐災】が飲み込まれていく姿だった。
細かいことは分からないが、このままでは【嵐災】が死ぬことだけがはっきりと分かった。
「くそっ!!俺は役立たずだ!!」
戦闘力を剥奪された身を恨む。
とても間に合わない、俺は、
俺のせいで、
失う。
「くそがああああああああああ!!!」
叫んでも意味がない、
分かっている。
それでも、声を上げるくらいしかやれることはない。
「随分と良い顔するようになったね。人間らしい良い顔だ」
頭上からの声が聞こえた。
聞いたことがある、この声はまさか……。
「だから、僕は君の望みを叶えよう。第五魔王ルシファーが名の下に五法を解放する。【我が飲み込むは無間の底】」
「すげえ……」
ブラックホールが攻撃を吸い込みやがった。
魔王はどいつもこいつも規格外すぎるぜ。
「うぐっ!?マズっ!?ぺっぺっ!!」
いまいち絞まんないのも魔王の能力なのか。
「おいこらあああああああああ!!!」
うわっ!?スーパーロボットが喋った。
「何してくれんだお前ら!?」
あー、必殺技をぶった切っちまったからな。
そりゃ怒るわ、というか……俺は今絶賛落下中なんですけどどうにかなりませんか?
「任せなさい」
「任せるにゃ」
あ、今回はいるんですね。
「「負精霊干渉、光炎の翼」」
あれ?
背中が突っ張る。
というか。
すごく。
痛い。
「あだだだだだだ!!何しやがったお前ら!?」
「ふっ……負精霊になった私たちは」
「一味違うにゃ」
「そういうのはいいからあああああ!!!」
バリッ!!
嫌な音がした。
なにかが裂けた、というか、俺の背中からなんか生えた。
そして、熱い。
「あっちいいいいいいい!?」
馬鹿じゃねえの燃える翼なんてなんの意味があるってんだよ!?
ジェットか、ジェットのつもりか!?
「うるさいにゃ、さっさと飛ぶにゃ。じぇっとぱっく?みたいなもんにゃ」
ジェットパックは背中焼けてるわけじゃねえ!!
「むりだろうがあぁぁぁぁぁ……」
「あ、落ちてったわ」
「落ちてったにゃ」
ああ……俺はこのまま焼かれながら地面に叩きつけられてバラバラになるのか……。
「KUA!」
あれ?
落ちて、ない?
もしかして……。
【嵐災】の風が俺を押し上げてくれている!?
ついでに焼けた翼も消えた!?
「お前……良いやつだな……」
「KU!」
俺の味方はこいつだけなのかもしれない。
「あれ?もしかして自我が戻ったかにゃ?」
「どうかしら。なんというか本能的に主人だと思ったのよきっと」
お前ら後で覚えてろよ。
「もう攻撃してもいいかしら?」
スーパーロボットから最初と違う声がしてる……三色ベースってことはもう一人いるな。
てか待っててくれたのね。
「めんどくせえ!!まとめてぶっ飛ばすぞ!」
「俺たちはお前らと戦う気はないぞ!!」
「うるせえ!!【嵐災】とよろしくやってる奴が敵じゃねえわけねえだろうが!!」
敵の味方は敵
その通りだなあ。
「待て待て待て!!?俺たちもこいつを倒しに来たんだ!!」
「それじゃあ俺たちの攻撃止める意味ねえじゃねえか、これ以上は無駄だ。死ね」
交
渉
決
裂
「チリ一つ残さねえ!!」
殺意の波動に溢れすぎだろ!!戦闘民族かよ!
「一撃で終いだ」
図体の割にその機動力おかしくねえ!?
もう目の前なんですけど、重力制御とかスラスターとかやってる速さだぞ!?
ああああああ、燃え盛る薙刀が近づいてきてる!?
デカすぎて避けれないなコレ。
死んだわ。
「僕のこと忘れてない?」
忘れてました。
「一切合切僕の腹に収めてしまえば、無効化できるよね?」
お願いしますルシファー君。
「はあっ!!」
ブラックホールができ……たけど無効化どころか勢い増してね?
「ぎゃはははは!!ヒノモトがいつまでも理外の力なんていう危険要素ほっとくと思ったか!!」
「一つ言わせてもらうと」
「僕たちの使っている神器鎧は理外の力への対策を施しているんだよ〜」
あれぇ?
やっぱ死んだわ。
「舐められたものだな……」
んん?
ルシファー……さん?
激おこ?
「私を……この程度で倒せると考えているのか……自惚れが過ぎるぞ……」
ルシファーさんの手に剣が……十字架みたいな剣だな。
「そんなサイズでなにをしても無駄だぁ!!」
「失せろ」
目の前で起こってることが信じられない。
巨大ロボットと人間が打ち合ってる……意味わからん。
スケールがもう……なんだコレって感じ。




