表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶欲モンスター  作者: ジラフ
PR
86/111

シトリーの流儀


ワンパンでした。


どっちがってそりゃ悪魔が。


「あがが……」


一発でのされたわ、つーか弱体化しすぎじゃねえの?


「一体なんなのだこいつは……」


ほらあ、アバ○ーの方々も困惑してんじゃねえか。


「あー、そのアレだ。俺は敵じゃない。【獣災】を倒しにきた」


「信じられんな、ではなぜ盟友がそこに倒れている」


剣向けないで、それ振り抜かれたら成す術ねえから。


「それは「……なんかおぞましいもんを見た気がする……」本人に聞いてくれ」


良いタイミングで起きたな砂のおっさん。


「盟友よ、そこの男はなんだ?」


「こいつは拾いもんだ。こいつがいたらもしかしたら【獣災】を殺せるかもしれないぜ」


「っ!?本当か?」


「黒き砂漠に誓って」


「盟友がそこまで言うのならば……剣を向けた非礼は詫びよう。我らは【五碧】だ。汝は【獣災】を殺せるのか」


「倒せる。条件さえ揃えばな」


「条件とは」


「まず本体を見つけること、そして俺の武器をその核へ撃ち込むことだ」


「その武器は如何様なものか」


「リンゴだ」


「りん……ご?それは暗号の一種か?」


「そのままだ、リンゴの種を核に撃ち込めばそれで終わる」


「それを信じろと言うのか」


まあそうだわな。


「待て待て、こいつは化け物の軍団を召喚できるような奴だ。一回だけで良い信じてもらえねえか」


なんだおっさん、お前いい奴だなあ!!


「さっきまでいた悪鬼羅刹はこの者の仕業なのか」


「そうだろ?」


違うんだよなあ。


「いいや、俺は神に祈りを捧げただけだ」


「はん、じゃあ誰があんなもん呼び出したってんだ?」


第三魔王です。


ついでに聖戦起こしたけどな、そのせいで変な悪魔を生み出しちまったことは秘密だ。


「その様子だと本当らしい。なんにせよこちらも手詰まりだったのだ。可能性が生まれたのは喜ぶべきだろうな」


「ああ、僥倖だったよ。しかしここにいたんじゃいつ【獣災】が来るか分かんねえ。拠点へ戻んぞ」


拠点?そりゃああるだろうが、どこにあるってんだ?上空から落ちてきた時はそれらしきものは見えなかった。


「あ、息は止めておけ。腹ん中砂だらけになりたくなかったらな」


「どういうkぐわあ!?」


また砂に飲まれんのかよ!?


あ、でも2回目だから大丈夫……ってそんな訳あるかあ!!


あー、ぐるぐる回ってヌルヌル動いてる。気持ち悪い……酔うなこれ……。


「到着だぜ」


「ぶべらっ!?」


出し方が雑!!砂だらけだこれ。


「ここが俺たちの拠点【獣狩】だ」


見ると地下空間の中にテントが三つだけ。


こりだけ?


「これが……?」


「ああそうだ、俺達はここから砂漠へ出て【獣災】と戦っている」


まあテントの中にもう少し人ぐらいいるだろう。


「人員はどれくらいいるんだ?」


「ん?ここにいる分で全てだが?」


「は?」


つまり俺たちだけ?


「ここにいた俺以外の奴は【獣災】の腹ん中に行っちまったよ。一人また一人と悔しそうに食われていったさ」


あれー?いきなりどシリアスかなー?


「それでも俺に黒砂を託しながら最期に笑って言うんだぜ“どうか俺の屍の上に砂漠の民が安心して生きる世界を作ってください”ってな」


重いよ?話が重い!!


「俺は食われちまった奴らのことを今でも思い出すんだ、来た時よりも増えた黒砂を眺めながらな」


すみません本当にこのシリアス空間辛いんですけど


※※※


一行が黒砂によって砂漠の中へ潜っていった後に悪魔シトリーはむくりと起き上がった。


「行ったわね、じゃあゴミ掃除を始めましょうか」


その体は先ほどまでの筋骨隆々の偉丈夫などではなく、しなやかな体を黒い薄布で覆っている人間離れした美貌の悪魔であった。


「五体殺してあの量なら、数千以上殺せばどうなるのかしらね」


『本当にお前だけで処理するのか?いつでも門は開くぞ』


「ええ、大丈夫です第三魔王(おとうさん)。これは私の性能試験のようなものですから」


『お父さんはやめてくれ、お前の意思は尊重するが危険と判断したらすぐに開くぞ』


「まあそうなったら私一人を食らって帰ってもらった方が事態は収まりますよ。門の中にはまた新しい私が補充されますし」


『それはそうだが……いいのか』


「私は大丈夫です、あなたの悪魔(むすめ)ですから」


『いや……娘とかでは……』


「では、そろそろ到着するようですので」


『健闘を祈る、私が祈るのは神ではないがな』


「はい。ありがとうございます」


シトリーが前方へ目を向ける。


そこには先程までの有象無象に等しい無個性の【獣災】とは一線を画す存在感を放つ個体が居た。大きさは通常の大型四足獣の範疇であったがその力は計り知れない。


「おまえひとりか」


恐るべきことにこの獣は人語を話した。たどたどしくはあったが確かにそれは言葉だった。


「ええ、私一人で十分よ」


「そうか、たすかる。わたしはあまりおおくはたべられない。ひとりぶんならばもんだいないだろう」


「私を食べる気なのね」


「それいがいのりゆうでここにくることはないが?」


「残念ね。それを叶わない。あなたには愛がないわ、そんな相手なら私は全力で戦えるの」


「それではなすことはおわりか?ほしょくをはじめるぞ」


「さようなら。愛なき獣ちゃん」

























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ