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絶欲モンスター  作者: ジラフ
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リンゴ


「勝手に殺したら何が起こるか分からないし、利用価値だってある」


その通りだよ!!ナイスルシファー!!


「……焦燥のせい。短慮反省」


チャイナドラゴンが下がった!!良し!!


「ねえ元聖者様」


「戦闘以外なら役に立てる……かもしれない」


「そこは役に立つことを確約して欲しいところだけどね」


しかたねえだろ、今の俺が出来るって言い切れるのは世界侵略だけだぞ?


「ぶっちゃけ何ができるの?」


げ、第一魔王か……こいつはなんか苦手だ。


「嘘は無駄だよ?自慢じゃないけど最年長だからね、分かるよ」


こういうこと言ってくるからな……怖えわ。


「基本的には何もできない、戦闘力も無ければ殺しも悪事も果てには食事も睡眠も性欲発散もできない」


「それでも世界の危機こんなことをしでかすんだから何かあるんでしょ?」


「負の聖とかいうまだ分からない異質な聖性がある、あとは木を植える事が出来る」


「異質な聖性ね?そんなもの聞いたことないけど……それと木?何の木を植えるの?」


「リンゴだ」


「リンゴ……リンゴね……知恵の実かな?」


まあそう思うよな。


「まさか……そんな大層なものじゃない。リンゴが落ちた先が地球になるだけだ」


「ふーんそっか……落ちた先が地球にね……ん?」


食いつくか。


「地球になるってどういうこと。僕たちが存在しているだけでここは少しずつ地球化していくけれど……それを加速させるってこと?」


「まだ使ってないから分からないが情報としてはそんな感じのはずだ」


嘘をつこうにも本当に使ったことないからな。


「ここでそれを見せてもらえるかな」


そうなるよな……。


「初めての発動だからどうなるかは分からないがいいか」


「ここにいる面子がなんともできなければこの世界でどうにかできる存在はほぼいないと思っていいよ」


すげえ自信だな。じゃあやるか、使って見ないことには解放されそうもねえし。


「……もしもの時は頼むぞ」


「うん。なんとかするよ……冬堂くんが」


「俺かよ!?」


「だって君以上に止められる人なんていないよ?」


「そりゃそうだけどなあ……まあやるだけやってみるけどよ……」


冬堂いい奴だな。


そんなんじゃいいように利用されちまうぞ、どうでもいいけど。


そんなことより問題がある。


「……どうやって使えばいいんだ……」


使い方わっかんねえ……どうすればいいんだ。


『【罪深き地球の実(フェイタルアップル)】の使用には詠唱が必要です。自らの意思と言葉で復唱してください。ただしこの能力の使用は世界に致命的な影響を与える恐れがあります』


んなこと分かってんだよ。


覚悟はもう終えてるからさっさと言え。


『はじまりのつみはうらぎり』


「始まりの罪は裏切り」


『あがないがたきとがのらくいん』


「贖い難き咎の烙印」


『されどしょくざいはかなった」


「されど贖罪は叶った」


『げんざいはつみではない」


「原罪は罪ではない」


「ゆえにくうはくがうまれた」


「故に空白が生まれた」


『しゅよ、ゆるしたまえ』


「主よ、赦したまえ」


『じんるいがあらたなるげんざいをせおうことを』


「人類が新たなる原罪を背負うことを」


『きんだんのかじつのたねをここに』


「禁断の果実の種を此処に」


『ふぇいたるあっぷる』


「【罪深き地球の実】」


ゴトン!!


なんか落ちたな。


「……でかすぎねえ?」


両手で抱えるサイズのリンゴの種だった。


「ぷっ!あははははは!!そんな種育つまでにどれだけかかるんだろうね!!」


笑いすぎだ第一魔王。


「でも……それには興味がある。ちょっと貸してくれる?」


拒否権ねえだろこれ。


「好きにしてくれ」


「うんうんありがとう」


種を弄りだしたか。


「【結晶記憶】にもこんなものの情報は無いしなあ……ちょっとだけ試してみよう」


第一魔王が土だしたぞ。


植えるのか。


「土に種をドーン!!肥料と水もマシマシでいこう!!」


数秒後。


「あ、これダメだ。冬堂くんこれ止めて、永久停止レベルで」


「分かった」


土が凍りついた。まだ何も起きてなかった気がしたけどな。


「あれね。思った以上の危険物だよ。聖樹セフィロト)よりも邪樹クリフォト)に近い世界樹だね。周囲の命を奪って成長するタイプだ。奪った分で実をつけて不毛にした大地を地球のものに塗り替える感じ」


「そんなもんだったのか……やべえな」


俺もびっくりだよ。


「あれはいつか使うかもだけど少なくとも今じゃないね。世界が崩れたら木なんてなんの意味もないんだから」


その通りなんだよなあ。


「俺はこの事態を引き起こしたケジメをつけたい」


「死んで詫びるか。良い心がけ」


お前はどんだけ俺を殺したいんだチャイナドラゴン。


「俺はあいつらを止めたい」


俺の目的のためにな。


「嘘……じゃないね。でも君にできることなんてないよ。今の君なんてそこらの野犬にも勝てないレベルの能力しかない」


「身の程を知りなさい」


「大人しく引きこもっていることだ」


「大言は不相応」


「……戦闘になるからね、厳しいと思うよ」


「無理よ。アレはもう対話とかそういうのものじゃない」


魔王から総ダメ出しをいただきました……





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