お前は誰だ?
「ついたぞ」
なんなんだまったく……いつのまにか違う場所にいるし。ていうかここはなんだ取調室みたいな感じ。
「さあて聖者様。俺がどうしてここにお前を引きずり込んだか分かるか?」
知らねえよ、俺はお前が男色趣味でないことを祈るだけだ。
「俺はやらなきゃいけないことがあってな」ガチャ
剣を抜いたな
ここで俺を殺す気か
「俺の質問に答えろ。三秒以上の沈黙は敵対とみなして殺す。良いな?」
尋問ですらねえ、なんだこいつ本当に勇者かよ。
「そんなことをしなくても質問には嘘偽りなく答えます」
「いや、信用しねえ。お前がもし俺の敵だった場合どんな能力を持っていてもおかしくねえ。なんせ奴らは神から直々に世界の欠片を入れられてんだからな」
「世界のカケラ……?」
なんだそれ
「質問を始める。お前は日本を知っているか?」
ボロ出さないようにしねえとな。ちょっと発音が違うからなんとかなるか?
「ニホンですか……?申し訳ございませんがそれは何かの名前なのでしょうか……私は寡聞にして聞いたことが……」
これなら大丈夫だろ。てかなに地球人探してんのかこいつ。
「次だ。アースという名を聞いたことは?」
アース?地球じゃん。
「すみません……お話できることはございません。アースという名前の人は私の知り合いにはいませんのでどうにも……」
はぐらかすぜえ、尻尾は絶対につかませねえよ騎士団長サマ。
「……お前は神に会ったことがあるか?」
「あります。私は神との契約によってこの身を得たのです」
……もうちょいオブラートに包んだ言い方になんねえかな?半分自動的に喋るのもいい加減慣れたがやはりめんどくせえ。
「そうか……」
待て待て待て!?刺す準備に入ってない!?
「最後だ。お前が真に聖者ならばこの剣はお前に当たらないはずだ
その理屈はおかしい。待て待てま「死ねえ!!」ザグッ!!
刺さってない?
これさあ刺さってるよね絶対。だって胸にぶっ刺さってるもの見間違いとかそういう次元じゃなくない?
「まさか本当に聖者なのか……この剣に刺されて声ひとつ上げないなんてこたぁありえねえ」
いや痛覚がぶっ壊れてるだけです。
「これは世界に対して犯した罪に応じて苦痛を与える聖剣だ。それに引っかからないってことはそういうことか……」
世界に対する罪ってなんだ。アバウトすぎひん?つーかその尋問剣本当に聖剣かよ。
「気はすみましたか?であればこれを抜いていただければありがたいです」
「あ、ああ。疑ってすまなかった、この詫びは十分にさせてもらう」
ったく、人を疑ってはいけませんって教えられなかったのかコイツは。ま、俺は教わってないけど。
「できれば皆のもとへ戻していただきたいのですが」
「それは多分ちょっと待てば来るはずだ」
その直後、取調室の壁が蒸発した。厳密に言えば複数の力がぶつかり合って結果として壁が消えたように見えた
「どこ?どこ?あのひとはどこ?わたしはほのおせかいをやくほのお、あのひとのいないせかいはいらない。しゅうえんのときがきた」
「うふふふふふ……しずめるわ、しずめるの。すべてをみずでさらってしまえばそこにはあなたもいるはずよ。さあさあおわらせてしまいましょう」
「……わからない……わからない……どうして……どうしていないの……わたしのせいだ……きっときらわれた……たえられないのそんなこと……みんないっしょにつちのにえ。そうすればきっと……えぐれたこころもいたまないの」
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!あたしはみとめない!!すべてふきとばせばみつかるか!?かぜとともにすべてはちりになれ!!」
おいおいおいおいおいどうすんだこれ。完全に暴走状態じゃねえか。箱のやつこんな状況のコイツらをここに送るんじゃねえ。こんなの止めらんねえよ、どうすんだよ。
「おっ来たな?」
軽い調子だなコイツ。死ぬぞ多分。
「じゃあコイツらを大人しくさせることを詫びとしよう」
それは義務であってお前の詫びは別案件だろ。だって俺を連れ去ったからコイツらこんな風にジェノサイドモードになってんだろうが。
まったくこれだから馬鹿は。
つーか無理だろ大前提として。なんかコイツらを元の姿に戻っとるし。
「こういうのをなんとかできるから勇者なんてやってるんだぜ?」
カッコつけんな馬鹿
「四法【流れしものは我が一雫】
五法【世界は天と地と己の身】限定展開。
【勇者】連結【地球人殺戮機構】構築」
ごめん今なんて言った?




