専用武器
「で、これがその眷属か」
俺の手に収まっているのは一塊の金属のインゴット的なアレ
キラキラしてるなにか、剣の眷属は金属なんだな勉強になったわ
「あら、いいものもらったわね。これヒヒイロカネよ」
伝説の金属もらっても加工できなきゃ意味なくね?
というか、武器の意味ないし
「これで作った武具はたった一人のための専用になるにゃ」
だから作ったとしても使い道がな
「話は聞かせてもらいました」
え、なにガラシャ。鍛冶ができる聖女でもいるのかい?
「私の武器である【慈悲】を作ってくださった方なら紅蓮の聖者様に相応しいものを作ってくださるでしょう」
へー、その拷問器具作ったマッドな人がおるんか。そいつに任せたら実にろくでもないものができそうだな。
「もう聖者様に傷ついてほしくないです……」
メイリアはなんか武器とかもらってねえの?
「その人に私は【救済】をいただいたんです」
……えっと、うねる石?待てよ……柔らかい石?
まさか……賢者の石か!?
「これがあれば死んだ直後の人くらいは蘇らせられるんです!!」
そいつは生命倫理を何だと思ってんだ。冒涜的だなー。聖職者だろそいつも。別に正義を語る気はないけどさあ。
「大丈夫です、今なら紅蓮の聖者様は教会に追われることはありません」
どういうこった?
「私は教会から追われる身のはずですが」
俺、追われてるはずじゃないの
「聖者様の名前は現在消えておりますので、追われることはございません」
へー、そんなことがあったのか。つーかいつのまに登録しやがったし、本当にテロだな。
「胸を張って聖堂に入ることができますよ」
「たぶんシュタイン様とも気が合いますよ!!」
シュタイン?それがマッドな鍛冶の名前か。
「あの方は常々言っておられました。「あー、ネタが欲しい。こっちじゃまともなもんなんて作る意味ないけど。インスピレーションがないと作れないわー」と。いんすぴれいしょんが何かは分かりませんが聖者様ならきっと大丈夫です」
インスピレーションだと…?
「それなら良いのですが」
あれだわ、そいつ異世界人だわ。そりゃあドラゴン○ろしも賢者の石も作れるわな。つっても作んなよそんなもん。
「そうと決まれば、急ぎましょう。ここから聖堂まではかなりありますから長旅になりますよ!」
え?こいつらと長旅するの?丁重にお断りしたいんですが。
「あの……私は誰なんでしょうか」
あん?誰だお前?ああ、大司教か
神が取り憑いた負荷で記憶が飛んだらしいな
ラッキー!!
これで有耶無耶にできる。他の信者どもはまあ、聖女に任せりゃ勝手に改宗すんだろ
「あなたは長年悪い夢にとりつかれていたのです。あなたは自由になったのです。好きに生きてください」
はっはっはっはっはっは!!!もう一人の俺よ良かったなこれでこいつは救われたぞ
ん?なんか違和感が?
『僕はこの人とともにいくよ』
あるぇ?俺の肉の様子が……
見えないところでまだ良かったが、いま肉が蠢いて別のものに変質しています。
痛くはないけど……ああ……指輪になったのか。つってもこれはあんまり長続きしないはずだが
『自我確立したものはその人格が望む限り一つの形態であることができます。ただしその分の喪失は本体が負います』
今さら少しくらいの喪失なんて気にしねえわ。
「これはお守りです。あなたに幸がありますことを」
良いぜ、行きな。
「これを……良いのですか?」
「ええ、これはあなたのものです」
「ありがとう……ございます」
気が済むまで一緒にいろよ
「では、向かいますか」
とりあえずそのシュタインとやらに会ってみようか。身を守る手段が必要なのはよーく分かったからな




