あくまはあくま
「はん?悪魔?ただの悪魔ごときが下位とはいえ神の精神を蝕むことなどできるわけないだろう?私は悪魔王メフィスト。貴様らには第三魔王と呼ばれるものだ」
ふーんそれで?
「第3魔王……メフィスト!?」
メイリアが口を覆う
へー3番か、かませポジじゃない?
「その表情だ。私はそれが見たかった。怯えよ畏れよそれこそが私の愉しみ」
殴りたいその笑顔
「悪魔王……」
「そうだ、悪魔の力をはるかに超える第三法【天魔の主】が私の力。生を骸に肉を塵に変えて死ね」
でもさあ、悪魔が聖職者の前に出てきたらどうなるか知らないのかこいつ
「え……でも悪魔ですよね?【浄化】」
「ちょ……ま……デーモンロードだから、悪魔じゃないから!?ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」ジュゥウウ!
めちゃくちゃ効いとるやないかーい。聖職者天敵やん。
分かった。こいつ馬鹿だ。
「くそっ!?流石に分が悪い。撤退「させないですよ?」ザンッ!
腕が飛んだー。さっすがドラゴン○ろし。
一発だぜ!
「ご安心くださいメフィスト、その腕はくっつきます。ひどく痛みますが」
こっちはこっちで良い笑顔ダナー。笑顔は威嚇って本当だなあ
「二人目か……」
おいおい、お前大司教の中で見てたんじゃねえのか。俺が追い出したとはいえ不用心すぎないかい。
「だが私は死なんぞ……神あるところに悪魔あり、神がいる限り私の存在は保証される。我が力【背徳現像】により不死身なのだああああああああ!!!」
ふーんじゃあ、自由を奪って永久に拘束しますね☆
不死身の殺し方なんてあふれてんだろ。残念だが詰みだな。
「いきますよメイリア!!」
「ええガラシャ!!」
『翼を失った我が身なれど信仰を失わぬ我が魂は天へと昇る、悪しき存在に聖なる裁きを【聖化】』
「私は不滅だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」サラサラサラー………
砂になって消えたが……生きてんのか?コレは死んだんじゃねえ?
「俺は……俺は……!」
あ、大司教のこと忘れてた。つーか、お前一応神の一柱だろうが
さっさと立ち直れやめんどくさい
※※※
第三魔王メフィスト
又の名を悪魔王、それと粗忽王という不名誉な名がある。魔王としてのキャリアは長いもののその不死身性ゆえに計画性が皆無である。
そんな彼が魔王になれたのは優秀な副官の存在が大きい
「はあ……はあ……久しぶりに死んだ気がする……つーかなんで聖女があんなところにいんだよ。ふざけんなよ良いとこだったのに」
彼は死すと自らの居城である悪魔城ヴァンパイアにある棺の中で復活する。これは単に演出であるため、棺を破壊したとしても不死性が失われたりはしない。これは彼が悪魔と吸血鬼を混同しつつなんとなくカッコいいからやっているだけである
「メフィスト様……」
「ヒィッ!?」ガタン!
メフィストは体を硬直させて棺をから飛び出した
「あわわわ、こ、これは深いわけがあってな!?」
「どこに行ってらしたんですか?ずいぶんと長い間領地を離れてらっしゃいましたが?」
第三魔王領の頭脳と呼ばれる側近にして悪魔王の伴侶【不死女王】のメアリーである。真紅のドレスに血の気が失せた美貌を差し引いてもその身にまとう覇気は王者のそれだ。
「別に遊んでいたわけではないのだ!!、第一魔王と第二魔王に泣きつかれて仕方なく」
「妾はそんなことを気にしているのではありません」
メアリーの足元が爆ぜそのままメアリーの体は砲弾のごとくメフィストへ射出された
「え、ちょ、待つのだ……ぐわあああ!?」ドズン!
メアリーの頭部がメフィストの腹部にめり込む。そのまま頭をぐりぐりと擦りつけ始めた
「もー、めーちゃんがいない間大変だったんだからね!!まず内政……は元から妾が全部やってたし、外交……も妾が元からやってたし、財政管理……は信頼できる部下に任せてたし。あれ?めーちゃんがいなくても問題ない?」
「そうであろう、だから早くこれをとい「ダメよ!!めーちゃん分を補給するんだから!」ゴキィ!!
「ぎゃあ!?」
ベアバックのような状態でメフィストを抱きしめるメアリー
「いなかった分で寂しくさせた償いは絶対させるんだから」
同族よりも遥かに優れた不死の体を持つがゆえに置いていかれるだけだったメアリーの精神は半ば植物の域にあった。
そこに現れたのは悪魔王を名乗る異邦人。彼女はすぐに気づいた、彼は自分以上の不死だと。彼女は初めて共に歩む存在を見つけた。
その後はメアリーによるプロデュースと陰謀のもとメフィストを王に仕立て上げた。もちろんその間も熱烈なラブコールはし続けながらだ。外堀を丁寧に埋めながら続けられる告白にメフィストはまんまと乗せられた。
その時の言葉は彼の国では有名である。
「ここまでされたらもう逃げられないので結婚します」というのは彼らの関係性を如実に表しているだろう。魔界において妻の方が強いと言われる魔王は彼だけである。
だが、
ただ過去一度だけメアリーを誘拐した敵対勢力がいた。まだ新興勢力だった折にあったその事件は悪魔王の名を全土に広めることなった。メフィスト一人に対して相手は総勢3千人を超える一団であったが
彼はそれを一日で鏖殺した。
厳密には誘拐されたその日の内にだ。彼は悪魔の王としての力の本質を解放した。それはすなわち配下の悪魔の軍勢である。聖典に刻まれし悪魔の総数はゆうに五百万を超える。
三千対一は、三千対五百万一だったのだ
その時のことをメアリーはこう語る
「あれがトドメの一撃だったわ、あれでもう妾はめーちゃんから絶対に離れられなくなった。だってあんな惨劇を繰り広げた張本人が涙目でよかったって言いながら抱きしめてきたのよ?もう無理よめーちゃんしか見えなくなったわ」
おしどり魔王はこうやって生まれた




