愛を貫く槍
………おいおい俺さ、カッコつけたじゃん
なんかこういい感じになったじゃんなのにさ、出来たもんが木の棒って
なに?
あの俺が木偶の坊とでも言う気か?
やかましいわ!!
「これでどうすればいいんだ……」
とりあえず振ってみるか
ヒュンヒュンッ!
「何も起きないか……」
今の俺には聖性もないみたいだし
本気でただの棒なのか……
「さあ、ここまでだな【斬悔】の聖女」
まずいなー、死なれると面倒だなー。盾って多いほうがいいし。
それ以前に助けてもらったのは確かだしな
「くっ!?」
あ、剣無くなりそう。というかあれかっこいいなあんなんが良かったな武器
あ、じゃあ投げてみようかな。もしかしたらなんかこうミョルニルとかみたいに必中武器なのかも
「ふんっ!」スポーン!
あーあ、コントロールもひでえなあ。当たりゃしねえし何も起こらねえ
これは詰んだな。多分祝福もできねえしなあ
やれること……なくね?
「これはおてあぐっ!?」
あるぇ?なんで棒が俺に刺さってんの?
しかも胸のど真ん中一直線
『愛を貫く槍準備完了』
しゃべったぁあああああああ!?しかもロン・ギスヌってだっさ、ロンギヌスだろうがそこは
『愛測定完了。十號を放出』
ルー大○みてえな語りすんな。イライラするわ。
『三、二、一、』
なんか撃つのか……?踏ん張っといたほうがよさそうだな。あれだろ波◯砲みたいなもしくはハイメガ粒子◯みたいな何かがあるんだろ?
『極大感情増幅波』
「あばっ!?」
ふざけ……んな胸の棒が……爆発しやがった……胸にどでかい風穴空いたら……流石に死ぬわくそっ……これで終わり……かちく……しょう……………………ん?
爆発したよな?でも穴は空いてない?
「あ、あああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
うわあ、大司教の奴がガチ絶叫してる
引くわー
「これは……?何が起こって?」
聖女にはなんもねえんだな。つまらん。
で、これは何が起こったんだ?さっぱり分からん
「違う、違う違う違う違うちがああああああああああああああああああう!!!!!」
「うおっ!?」
びっくりさせんな
「俺は……サラのために……こうして……サラの……ため……に……?」
剣を見ながらぶつぶつ言ってる
怖い……おかしくなったか……いや、最初からクレイジーだったわ
「サラは……剣にされ……いや……サラは……元から……」
あ?
なんか起こりそう
「サラは……剣に宿った精霊だ……どうして……俺はこんな勘違いを……?」
おお?
なんか黒いもやみたいなもんが体から抜け出てんな
「くっ!?どうして私の精神支配が解けたのだ!?」
わー、何だろう。すごく悪魔っぽいやつが出てきたなー。
なんかこう、翼と尻尾と角っていう悪魔三種の神器みたいなので、あとダンディな感じのヒゲと赤い目。貴族っぽい格好してるからあれか、悪魔伯爵的な?
「貴様の仕業か!」
ターゲットされた!?やべえ、戦闘力マジで0だぞいま今度こそ死んだか……
「ええい、緻密な計画が水の泡だ!!死ぬがいい」
「まずい……!」
「待ってください、あなたは悪魔ですか」
メイリア?何か策があるんだな
早く助けろよ
※※※
第一魔王領
王城執務室
魔王が治める領地の中でもっとも奥地にある領のその中心部である
「あ、またやらかしたなあいつー。いっつもつめがあまいんだーよなー」
第一魔王ソロ・エターナーが虚空を見つめて呟いた
かの魔王は最初の魔王であり、いかなる手段を用いてか一切老いることも衰えることもない幼子の姿でいる謎の魔王だ。第一魔王の持つ一法については一切の情報がなく最後に戦闘を行ったのも記録にないほどである
「またなの?毎回意気揚々とやるくせに失敗するのはなんなのよもう」
第二魔王 ヅヴァロ・サァクルはソロの側に漂っていた
半透明の体を持つ彼女は第一魔王からわずかに遅れて台頭した魔王である。液状の体を操ることですべてを飲み込んできた彼女はいつも第一魔王と共にあることだけが分かっている
「やる気だけはピカ一なんだけどねー、どうにもうまくいかないね」
「時間は有限なのよ?さっさと結果出してほしいわ」
「本当にそろそろアースに怒られそうだよ」
「そんなことないわ、あの享楽主義者が私たちになにかを言うのは本当に最後の時だけよ」
「じゃあそうならないように気をつけるとしよう」
ソロの目はまた彼方の地の同胞を見つめ始めた




