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絶欲モンスター  作者: ジラフ
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神というもの 邪神編


邪神という存在は実際には善神と全く変わらない


超越者が信仰を得ることで成り果てる偶像に過ぎない


では、正邪の区別は何だろうか


答えは数である


多い方が正義なのだ


信者の多い方が結果として勝つ


買った方は負けた方を邪神とみなす


そして邪神として認識されて邪神となる


俺はそうやって邪神となった


元人間の神なんて珍しくもないし


転生者が神になることも珍しくない


だが、邪神に堕とされることはそうそうあるものじゃない


転生者として生を受け、全力で生き抜いた


家族を救い、国を救い、愛する人と生きた


目の前の課題をこなし続けていたら英雄と呼ばれ……そして神に召し上げられた


ささやかな幸運として妻であるサラともう一度会えたことだけで神になったことに感謝した


だが、奴は。俺の世界の高次元神の一柱は何一つ説明もなく俺を邪神とみなして攻撃し、あまつさえサラを剣に変えた


その後に言い放った言葉を俺は忘れない


『資源の回収を確認。引き続き生産を継続せよ』


俺は奴にとって資源でしかなかった異世界に送り込んで成長させて、その後に刈り取るだけのものでしかなかった


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


いつまで絶望の淵にいただろうか。剣になってしまった妻を抱えていた


神は基本的に不老不死であり自殺なんてこともできない


数千かそこらの年月が経った時に俺は声をかけられたその人は言った


「君も奪われたんだね、なら【神殺し】に入る気はないかい?」


すぐさま頷いた


高次元神に牙を剥くことはできない



俺と同じにすることはできる。奴も邪神に堕とす


同じところにまで叩き落としてやる


そして……永遠の責め苦を味あわせてやる


邪神としてしまえば高次元神としての格は剥奪されるとあの人は言った


それに縋る他道はなかった。すぐさま、俺のいた地域を中心として教団を結成させた


幸い俺の力は強い方で、教義も解釈次第でなんでもできるようにした着々と信者を増やしていたところにサラにそっくりな女が入信してきた


そいつには特別な力を与え最終的には国盗りをさせるつもりだった。


国家単位で信徒がいれば戦える。奴を信仰する教団を潰せる


それが……奴の尖兵によって瓦解した。


間接的に奴の力を解放して、信者を皆殺しにしやがった


ここまで積み上げたものを崩された


ここで終わってたまるか俺も神になって長い


復元くらいはやれる。短時間ながら憑依して尖兵を殺して記憶を弄ればそれで元どおりだ


なに、俺とサラの力ならすぐさ


一振りで事足りる


一歩踏み込んで


振り抜く


それだけさ


「やらせない!!」


弾かれた?俺のサラが?


一目見て分かった、聖女だ


奴の下僕だ


殺そう


何かわちゃわちゃ喋っているが関係ない


あれは多分【斬悔】か


懐かしいなあ


俺の時にもいたよ【斬悔】


最凶最悪の拷問官。斬りながら癒す外道の力


あっちは【献神】か


自己か他者を捧げて奇跡を起こす代行者


あれほどえげつない力もそうはないな


実はあれ、他者を問答無用で捧げることができるんだもんなあ


まあいい、サラの前には全部塵芥と一緒さ


そうだろうサラ?


※※※


「憑依して降臨してしまったが手に負えるのかあれ」


「あの程度の試練クリアできないで、地球で生き残れると思うのか?そう思うとしたら大分こちらを舐めているな」


「いや、その相手もお前のとこのじゃないか」


「なにを言うかと思えば……あっちの世界に取り込まれた裏切り者には用はないさ。まだ使えるかもしれないがそれは我が子次第だ」


「それにしても全滅させる意味はあったのか……ただただ虐殺したようにしか見えないが」


「仕方ないだろう?ああしないと我が子の望みは叶わないのだから」


「それなら他に手段もあったろうに……」


「それに今の状態でもないと我が子の働きかけで他の世界に介入するのが難しくなる」


「介入ってお前……そんなのいつもしてるじゃないか」


「それとこれとは質がまるで違うのさ」


「何を書き換えたんだ?」


「ん?気になるのか?」


「お前がしでかすことを知っておけばいくらか対処が楽になるだろう」


「なあに、頑張っている我が子に少しばかりご褒美をあげただけだ」


「それがいつも問題の元だと言うのに……はあ……」















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