表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶欲モンスター  作者: ジラフ
PR
30/111

りふじん


「さあ、ここに血を捧げてください」


この時間は嫌いだ、痛いし。


「どうしたのですか?早くしてください」


「はい」


露出できる腕を切りつけて血を流す


それを器に入れる儀式


でも、これはこの人が「こうすべき」と思ったからやってるだけだ


【己のすべき事をしろ】


この教義の元に信者はすべき事をする


俺にはすべき事がない


だから仕方ない


他の家族のすべき事の手伝いをするしかない


「ありがとうございます。これで我が神も喜ばれるでしょう」


「役に立てたなら……よかった」


「またお願いしますね」


嫌だ


痛いのは嫌いだ


「分かりました……」


嫌なのに


「では、私はこれで」


行ってしまった


「少しよろしいですか?」


違う家族が話しかけてきた


この人は……さっきのよりも嫌いだ


「今日も付き合っていただけませんか?」


嫌だ


「はい」


嫌なのに


この人は……祈りと称して殴る


「ああっ!神よ!罪深き身をお許しください!!」


一切容赦なく、全力で殴る


涙を流しながら殴り続ける


それでも死なないので一応の分別はあるのかも


「ああ、ああああああああああああ!!」


熱くなってきた


そろそろ止めに入ってくれるはずだ


「はいはい、そこまで。それ以上はすべきではありませんよ」


「ひうっ!?だいしきょう……さま」


初めにあった家族


大司教と呼ばれるこの人はいつも守ってくれる


こんな自分でも大切にしてくれる


「大丈夫ですか?」


痛いです辛いです


「はい、大丈夫です」


口は嘘をつく、思ってもいない事を言う


嫌いだ


「ふむ……とりあえずは、部屋で休みなさい」


「わかりました」


休んでいいんだ。でも、眠るのは少し嫌い


嫌な夢を見る。責め立てられる夢


自分じゃない自分が激怒して詰ってくる


なぜ受け入れる


立ち向かえ


それでも人間か


それでも俺か


そんな事を言われてもどうにもできない


何も分からない


すべき事が分からない


「ふふふ……あーそびーましょー」


ああ、嫌だ


「今日はこんなものを持ってきたの」


毒だ


害だ


劇物だ


「ちょっと試させてね?」


「はい」


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


「虫とぉ草のぉブレンドですよぉ。どうなるか見せてねぇ」


ガスだ


吸ってはいけないきっと、とても苦しい


「分かりました」


吸うしかない


血を吐いても


痙攣が止まらなくても


家族のすべき事を手伝うしか……ない


「じゃあ一気にいっちゃおうねえ?」


顔に向けて得体の知れないガスがかけられた


それを


吸う


「がはっ!?」


鉄の味がする


血が流れ出ている


立っていられない


「ゲボッ!!!」


血の量が増えた


苦しい


焼けるよう


刺されるよう


斬られるよう


でもそれらとは根本で異質な内部破壊


体が跳ねる


「あはぁ……!良いわ……もっと見せて!!悶える様子をのたうつ様を鮮血を吐き出すのを全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部見せて!!!」


嬉しそうに駆け寄ってくる


俺は役に立っているのかな?


この人のやりたいことをさせて挙げられてるのかな?


「良いわぁ!これが私の望むものぉ!!あはははははははははははははははははははは!!!!」



それなら良かった


意識が…遠のく……な


「あはははげぁっ!?」


何故だろう、笑ってた家族が殴り飛ばされた


「誰がここまでやれと言いましたか!!」


だいしきょう……さま?


「し、しかししし、好きにして良いと言ったじゃありませんか」


「それは今も有効です」


「なら何で!?」


「私も好きなようにしているだけです」


「は?何をおっしゃっているか……」


「私はあなたがこの方を痛めつけているのに我慢できなくなったからあなたを殴り飛ばしました」


「信徒の邪魔はしちゃいけないはずです!!」


「ええ、そうですね。それは教義の一部です。」


「では何で!?」


「もう一度言います。あなたの振る舞いに我慢できなくなったからです」


「しかしそれでは道理が通っていません!」


「ふふ、道理なんて通っていませんよ。私は大司教ではなく個人的にあなたを感情で殴ったのですから」


「良いと言ったのは大司教様ですよ!!」


「ええ、大司教の私はあなたにそう言いました。ですが私個人はそれを許せなかった」


「先程から何をおっしゃっているのか分かりません!」


「では簡潔にしましょう、あなたは何も知らない。それで終わりです」


「え?ああああああああああああ!!」


しきょうさま……助けてくれたのに……おれに……けしかけてたのも……しきょうさま


なにがなんだか


わからない


「聞かれていたらいけませんね、少しだけ記憶を弄りましょうか」


しきょう……さま……の手があたまに


「これでもう少し早まるでしょうか」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ