表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶欲モンスター  作者: ジラフ
28/111

失うこと


「ここは……居心地があまり良くありませんね」


ピラミッドっつうか内部はダンジョンだなこりゃ


気味悪いなあ


ま、なんかあってもなんとかなるだろ


「しかし逃げるわけにはいきません」


どーせ逃げたら枷が増える


「クリア、どこに何がいるかは分かりますか?」


「ええ、ここの主である私にかかればそんなことすぐに……え?」


なんだ


「違う……ここは私の場所じゃない!」


耳元で騒ぐなやかましい


「逃げて!!手遅れになる前に!!」


逃げれねえんだっつうの


大魔王より怖い神様に睨まれてるんで無理


ガッシャン!!


「え?」


なんだこれ檻か?


ご丁寧にクリアと猫にまで


あれ?


これってまずくね?


なんか力入らねえし


「侵入者が誰かと思えば……まさか聖人とは驚きましたね」


アラブ系の格好……顔隠してっから性別は分からん


「凄まじい聖性ですね。通常であればあなたに都合の悪いことなど起こりもしないほどに」


は?都合の良いことなんて起こった事ねえぞ


寝言は寝て言え


「ですが、ここはもはやあなたの神の領域ではない。聖性など意味をなさないのです」


『教えの相違による敵対は番外試練【迫害(パッション)】とみなされ聖性の干渉が無効化』


解説どーも


「私をどうするつもりですか」


「死か、教えを受け入れるか、どちらかです」


「……あなた方の教えとは」


どうせロクなもんじゃねえだろ


「我々の教義は一つ、【己のすべき事をしろ(ラスティターエ)】」


案外悪くなさそうだな


「どうします?」


「だめよ!!そんなことしたら!!」


んー別にいいんじゃね?


もともと宗教になんか興味ねえし


受け入れちゃおっかなー


よし、そうしよう


「分かりました。あなた達の教えに従いましょう」


「そんな!?」

ちょっと黙れクリア


「随分物分かりが良いですねえ?逆に怪しいです」


「他意など全くありません」

ホントにねえんだよあ


「ふふ、いいでしょう。その澄んだ瞳に免じてそういうことにしておいてあげます。では洗礼を始めましょう」


油でもかけられるんか


「あなたはこう言うだけで良い。『私は解き放たれる』と」


それでいいのか


楽だな


「私は解き放たれる」


「これであなたは私たちの家族です。ようこそ」


あれ?


俺は……俺は?俺は……なんだ?


「ああ、混乱していますね?良いのです。こちらへどうぞ」


「……はい」


この人は……家族


信頼できる。ついていこう


※※※


「こうなるのが分かっていたのか?」


「なんのことかな?聖性がいい加減看過できないくらいまで増えていたから減らしただけだが?」


「よく言う、お前が送り込んだくせに」


「ははは、何を言うかと思えば。我が子はあそこで拒むこともできた。それをしなかったのは我が子の意思だ」


「誘導しただろう」


「してないさ、私は枷は体につけるものとは思っていなくてね。あまり縛り付けるのは面白くない」


「心に枷をつけたとでも?」


「その通りさ、なあにちょっとしたきっかけさえあれば勝手に納得してくれるから楽なものだ」


「……あの神殿の邪教の神はなんだか分かっているのか……?」


「大いに分かっているさ。面白いからね」


「あれが今どんな状態かも分かっているんだな?」


「もちろんさ我が子もことは一から十までお見通しだ。私が誰だと思っているのだね、地球の想像神もとい創造神だよ?」


「そうじゃない、あれのところに送り込んだらタダじゃ済まないだろうに」


「それで死ぬなら本望だろうさ。ま、死ねないけどね」


「あれが死んだらどうなるか分かっているのか?本来なら一回で十分な滅びが5回分世界を覆うぞ」


「大量絶滅は進化の近道だよ」


「世界そのものが危ういんだ!お前のとこの転生者だってみんな死ぬぞ!!」


「そんなのいつものことさ、私が子が死ぬのなんていくらでも見てきた。そしてそれを私は絶対に忘れない」


「お前……まさか」


「別に創造神が死者のことを記憶してちゃいけないなんてルールないだろう?」


「いつからだ、いつから死を看取り続けてきた」


「初めからに決まっている。私は生存競争を我が子らに強いた。その責任は取るさ、せめて尻拭いくらいはしないとダメだろう?私は親なんだから」


「アース……」


「そんな話はどうでもいい、今はあそこで我が子が何をなすかが問題だ。そうだろう?」


「ああ……どうしてお前はあれが死なないと言える」


「そんなの簡単さ強度が違う。例えば致命傷があるとしよう。それは人を死なせるには十分だった。でもそれは一人を殺すだけだ。今の我が子の体には何があり我が子が今なんなのかを考えれば分かるだろう?」


「……なるほどな……たしかにこれじゃあ死なない。言葉通り死ねないな」


「面白いだろう?」


「ノーコメントだ」






















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ