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絶欲モンスター  作者: ジラフ
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紅蓮の聖者6


「聖者様のそばにいるのは私なんです!」


メイリアが戯けたことを抜かしおった


やめてよそういうことすんの!?


「何を言っているんですか?聖女を差し置いてそこらへんのシスターが紅蓮の聖者様のお側になんておこがましい!」


ん?そういえば俺は何時の間に紅蓮なんちう二つ名が


「ガラシャさん、どうして私は紅蓮の聖者と呼ばれているのですか」

俺がずっと焼かれてんの知らねえはずだけどな


「それは、炎の中から人を救った姿が讃えられたからです。あと私はガラシャとお呼びください」


それだけでかよ


まあいっか。かっこいいし


「私は……私は聖者様に救われました。命を捧げてお仕えすると決めたんです!」


はは、成り行き100パーセントだけどそんなに感謝されると悪い気はしないな


「そんなことは私も同じです。主に誓って私は紅蓮の聖者様についていくのです。それにあなたに何ができるというのです?その聖女ならぬ身で」


いや、俺は危険な目にあう気は全く無いんだが


「それは……!?」


「分をわきまえなさい。あなたでは不足なのですよ」



「そんなことは分かっているんです……それでも私の心はもう……!」


「往生際の悪い……ッ!?」


空から一条の光がメイリアを照らす


なんだよ、まだなんか起こんの?


うーわー、天使っぽい何かが降りて来たけどなんだろう羽がいっぱい生えた卵かな


ププッちっさ、おもちゃかよ


『我が名は……メタトロン。【熾天使(セラフィム)】が一柱……』


げえ!?


超大物じゃねえか!?


ちっちゃいのに大物……ってやかましいわ!


『主は汝に【献神】の聖号を与えよとの仰せである』


「私が……聖女に……!」


ははっ超展開だな!


『さあ、頭を下げよ』


メイリアが祈りの姿勢になる


いっつも思うけど……片膝ついたあの姿勢


腕で挟まれて胸が強調されてエロいな


『受け取るが良い』


わー、なんかキラキラしたもんがメイリアに吸収されていってる


これが神の加護か


俺には神の呪いしかかかってねえけどな


『これで汝は【献神】の力を得た』


それを言うとメタトロンが消える


つーかなんでこのタイミングで来たんだろうな


あれ?


ちょっと待てよ


もうメイリアは聖女になったな?


つーことは俺は自由!逃げるなら今だ


「これで対等です」


「使ったこともない力で私の【斬悔】を同等だと言うんですか?」


幸いあちらはバトルモード


今なら逃げても気づかれないだろう


「ああ……なんということだ……私のせいで争いが起きるなんて……ここにはいられません」

めんどくせえからずらかるぜ


「あれ?見ていかないの?」


「聖女どうしの戦いなんて見物しないと損するにゃよ?」


「私には耐えられません」

誰が見るか!


最大限コソコソとその場を去ることに成功した


俺は自由だー!!


さあ誘惑の無い森で無になろう


それならまだ楽だ


※※※


「安心してください、私の攻撃であなたが死ぬことはありません。せいぜい痛みで発狂するくらいでしょう」


ガラシャの持つ大剣がメイリアに突きつけられた


村人たちは遠巻きに眺めていたが今はもう逃げ去ってしまった


聖者なき今、聖女を止める者は存在しない


「ああ……我が主よ。私の弱さを捧げます」


ガラシャを無視してメイリアは目を閉じて祈る


全くの無防備な姿である


「……その祈りはきっと届くでしょう」


それを降参であると見なしたガラシャは四肢を落として拘束するために歩をすすめる


しかしその大剣が役割を果たす前に光がその場を覆う


「ッ!?」


異変の元凶はメイリアの体であった。その背中には光の翼が生えている


「主よ、感謝します」


開いた双眸は淡い光を帯びていた


「あなた……その体は……」


「ええ想像の通りです。私は今天使になっている」


天使


それは神の使い


その存在として人間とは文字通り次元の違う存在である


メイリアの翼がふわりと広がった


「きゃあっ!?」


一瞬だけメイリアの姿がブレた


その次の瞬間にはガラシャの手に大剣は無かった


メイリアがガラシャの剣を取り上げたのだ


「これは物騒なので没収させていただきますね?」


武器がないというのにガラシャは至って平静である


「……ねえ、私は【斬悔】の聖女だって言ったでしょう」


「ええ、ですから私はあなたの武器を奪わせていただきました」


「誤解があるみたいだから言わせてもらうけれどその剣は手加減用の武器なの」


「強がりはみっともないですよ?」


「……見せた方が早いわ」


ガラシャの体を覆うように紫のオーラが展開される。それは次第に人型となり二刀を持つ巨大な騎士を象った


「これが【斬悔】の基本の形。そして」


騎士の姿が崩れていく



騎士が腕になっていく


作られたのは六本の腕であり当然全ての腕が剣を持っていた


「これが崩しの形態【六本腕(シュラ)】よ。勝ち誇るのは早いんじゃないかしら?」


「虚仮威しですね、私の思いは負けない」


「虚仮威しかどうかはその身で試してみなさい!!」


【献神】と【斬悔】の戦いが始まった


※※※


あと、これは後で聞いた話だけど


ひとしきりバトったら意気投合した聖女は俺が去ったことに気づいてから瞬く間に瞳の光を無くして崩れ落ちたそうな


そして俺を探す旅に出たらしい


二度と会いたくねえな





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