表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蚊です。転生したら人間でした  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/70

ガーネットは捕まえる。

 ふふふ。走るのってやっぱり楽しい。

 前にデュオさんを追いかけた時は必死だったからね。今は堪能しております。

 ウエストリアでももっと走ろうかなー。目立たないように、山の中で。


 ルゥくんが曲がった! 私も人の合間を抜けてその曲がり角に走る。

 ぶつからないようにするのは得意だよ。なんというか、風任せって感じ。


 おや。ルゥくん、いないね。

 匂いはすれども姿は見えず。どこにいったのかな。


 二つの建物に挟まれた小さな道。ルゥくんの匂いは確かにこっちに続いてる。

 んん? なんでだろ。建物の中に入ったのかな。

 と、思ったけど、ぴんときたよ。


 壁に靴跡がついてる。

 きっとここから登ったんだ。身軽だ!

 じゃあ私もやってみよう。


「それっ」


 壁を蹴って、思いっきり逆の建物の方にぴょん。

 空中でくるっと回転してずさーっと着地。決まった。


「うわぁっ!」


 私がいる所の逆の建物にルゥくんが立ってた。とうとう追いついた!

 でもそうか、きっとルゥくんは壁を蹴ってそのまま駆け上がったんだ。失敗だね。

 なんて思ってたらルゥくんが屋上のへりに手を置いて向こうに落ちて、その手も消えちゃった。

 でももうすぐ追いつくから焦らないよ。

 私はぴょんと向こうの建物に飛んで、下を確かめた。

 よし! 誰も居ないね。地面にぴょん。

 なんとなくマントが勢いを弱めてくれてる気がするよ。

 ルゥくんの背中はすぐそこだ。


 走る。走る。気がつけば足元が石畳になってる。

 ずいぶん遠くに来たもんだ。いや、今はそれより!


「捕まえたっ!」


 私はルゥくんの背中に手をかけた。

 わあ、すごいや。身体、熱いね。良い汗もかいてる!


「や、やめろっ! 離せよっ!」


 ルゥくんが手を振り回した。危ない。

 とりあえず掴んだまま思いっきり遠くに。

 ルゥくんの手足は私と比べると短いからこれで安心。


 あれ、でも、今からどうすればいいんだろ?


 牛乳屋さんは、追いかけてとっ捕まえろって言った。でもその後は?

 うーん。ここはやっぱり。

 聞いてみろ、だよね。


「ねぇ、ルゥくん。私、これからどうするべきだと思いますか?」

「放せよ! お前が悪いんだろ!? 追いかけて来るんじゃねえよ!」

「え!」


 私が悪いってどういうこと!


「いいか。金を取られたのはお前が悪いんだよ!」

「でも、牛乳屋さんは、ルゥくんたちがしたのは詐欺だって言ってましたよ」

「……詐欺じゃねぇ!!」

「わあっ!」


 大きな声と一緒に手をぐいってされて、思わずルゥくんの手を離しちゃった。

 ルゥくんははぁはぁ息を吐いてる。

 うーん、惹かれる。もうちょっと近寄ろうかな。

 一歩踏み出したら、ルゥくんがキッと私を見て言った。


「おれは謝らねえぞ! 親父が言ってた! あいつらは普段から良い思いをして生きている奴らだって、ちょっとくらい別にいいんだって!」


 ……え?


「そういうものなんだよ。この世界は!! 警戒してない奴が悪いんだ、世間知らずが勉強代を支払うのは当然のことなんだよ!!」


 ルゥくん、顔が赤くなってる。

 それくらい必死に伝えてくれてる。

 私が今の状況を理解するのに、とてもとても大事なことを。


「そう、ですか」


 なんと。そういうことだったのか。

 私は、ぽんっと手を打った。

 全部合点がいったぞ!


「つまり、ルゥくんは詐欺をしてなかったんですね!」

「へ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ