044 スカラベとフリカッセと野犬再び その2
野犬狂仙lv??? x???
「グルルルル」「グォウ、グルルルル」
赤いエネルギーを纏った野犬狂仙が、声を大きくしたり小さくしたり、高くしたり低くしたりしながら唸り声を上げると、私たちのすぐ近くに、赤い点が出現した。大きく避けると、その点は急激に膨張しながら襲いかかってきた。杖で軽く触れてすぐ退避すると、それは一瞬収縮し、大爆発を起こした。
近づくのが危険なため石を投げ始めると、今度は地面の一部が隆起し、石を防いだ。ついでとばかりに、私たちの真下の地面が大きく持ち上がり、私たちは空高く打ち上げられた。赤い点がたくさん真下から飛んでくるので体をひねって回避すると同時に、杖で赤い点に触れた。私は大爆発に巻き込まれ、生命力を四割近く失った。フリカッセは私よりもはやく落下し、余裕で野犬狂仙の足を杖で破壊していた。
アバターを増やしてそれらをクッションにして着地し、野犬狂仙まで無事なアバターの群れを引き連れて走って行くと、尻尾でアバター軍団の半分が凪払われた。百体のアバター軍団で野犬狂仙のうち三匹をフルボッコにして倒すころには、フリカッセは単騎で四頭目の野犬狂仙を打倒したころだった。スキルや魔法がなくても、ある程度戦えることがわかった。ついでに、増殖したアバターには、ダメージ共有などは発生しないことがわかった。
七体目から十三体目の野犬狂仙は、突っ込みながら自爆することで、私たちに大きなダメージを与えてきた。増殖させていたアバターはほぼすべてが消し飛び、五割強体力を吹き飛ばした。フリカッセから借りていた杖も砕け散り、素手になった。十四体目以降の野犬狂仙から赤い点と地面の操作による追撃がきたので、小さく避けてから虚無の感覚を思い出して、自分を無にした。.....成功したが、追撃の手はやまず、五分ほど絶え間ない爆発の嵐が私のいたところを包みこんでいた。
フリカッセの近くに出現した私はフリカッセと逆側に走り出し、挟撃しようとした。だが、薄い赤色の時空属性だと思われる地雷のようなトラップによって、行く手を遮られた。またもや虚無と化し、十七体目に飛び乗り、素手で攻撃を行おうとした。なお、赤いエネルギーによって秒で放り出された模様。実体化しないとダメージが与えられないため、遠近両方が強いこの獣は、純粋なステータスの暴力によってしか倒せないっぽい。足の付け根に出現し、さらに攻撃を与えていくが、なかなか倒せない。業を煮やしてアバターを増やしまくって一斉に殴りかかるも尻尾が厄介すぎる。その尻尾はひたすら重くて固くて鋭い刃物であり、迂闊に近づいたものは何であれ、切り刻まれてしまう。爆発と切断と地面の操作のコンボによって、草原のほぼすべてを死地となってしまった。
そして前足の一撃を食らうと、継続ダメージが発生するため、十六体倒したところで、ほうほうの体で逃げ出す他なかった。
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「いやあ強くなってますねここの草原に出てくる野犬たち。殺意が恐ろしく上がってますよ。なんででしょうねぇ。ところでスカラベさん、操作する肉体を増やしたり無になったり随分器用になりましたね。一ヶ月半の修行の成果ですか?スキルが使えない分弱体化していると思いましたが、なかなかいけるじゃないですか。」
「フリカッセには遠く及ばないぞ。第一今回の狩りほどインパクトが恋しくなる戦いはなかった。」
「魔力の復旧は、結構時間がかかると思いますよ。短縮する方法はありますけど、恐ろしいほどの痛みを伴うものです。やって見ますか?」
「しばらく考えさせてくれ。」




