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035 スカラベと戻ってきた5鯖と暴走

ゲッダン中に銅を鷲掴み。

 突如私はなにかに胴体を掴まれたように感じた。上を見ると、やけに大きな顔が見える。それは、大木だが、異様なことに、顔が三つほど見え、巨大な腕のようなものが十二本はえていた。


 「爆雷鳥の巣のほとんどを一撃で破壊したのはお前か?」


 「私だ。だが、第一世界からの旅人がいなければ、なにもできなかっただろう。」


 「観測できなくなっていた世界の旅人か。道を使わずに魔力に物を言わせて来るとは、呆れたことをするものよな。例え滅亡した世界であれ、道を復旧するのはそれほど手間がかからないはずなのだが。」


 「譲渡できる非刻印魔法と、世界中をつなぐ刻印魔法という発明あってのものだ。」


 「どちらにしろ非常識よな。譲渡できる非刻印魔法なんぞどうやってつくるのか。」


 「譲渡できる非刻印魔法について、研究したことがあったのか?彼らの非刻印魔法は、生物の形を借りていたぞ。」


 「ありとあらゆる命令が、魔法のトリガーとなる、か。恐ろしいことを考える。自律的なものも創れるだろうな。」


 「一人の人物が、 一度に大量生産しているとも聞いた。」


 「非刻印魔法を、大量生産?戦場でもいくらとも生み出せると考えられるから、そいつの敵は可哀想なことになるな。戦いの概念に革命が起きるな。非刻印魔法は、生き物だという考えは、それほど珍しいものではないが、実現することができるものはいないと思っていたが、違うのだな。」


 「彼等は飼っている非刻印魔法から、定数バフを受け、ステータスをレベルや種族に関係ないものにした。」


 「最短で強くなる方法を、自分たちで確立しているのか。だがそれではスキルは増やせまい。」


 「ああ、ステータスは強くても、スキルが少ないやつが覇権を握っている。」


 「合理的ではあるな。だがそれでは、滅亡した世界でしか力を発揮できまい。そうでなければ世界を簡単に破壊できてしまえるのだ。」


 「彼らは、世界間監視魔法を保有している。世界間攻撃魔法を使えるやつだっている。」


 「我々は一方的に見られ、攻撃される立場にあったのか。許せん。監視者としてこの命を受けたのに、なんて態だ。」


 「どういうことだ?」


 「この世界では、あまり知られていないようだが、変転の力を振るう者は、たいてい監視の任を帯びている。それも、世界間の監視だ。」


 「もと人なのか!?」


 「人が永遠の命を求めた結果の一つがこの私というわけだ。光るヒトガタとかと同じよ。あちらは、 世界を渡ってきたやつらが威張り散らしていると風が教えてくれた。滅亡した世界の生き物は、どんなものでもこちらの生き物より強い。現に、爆雷鳥の群れを暴走させ、その魔法を増幅させていたが、どれも見たことのない魔法であったよ。」


 「構文がわからなかったのか、それとも?」


 「この世界で一般的に使われる魔法の構文とは、明らかに異なっていた。瞬発性、魔力消費、効果のどれもが別の次元にあったよ。」


 「滅亡した世界に特有の高度な集合知だな。すこし誰かが改良した魔法を目にしただけだとしても、全くおかしいところはない。」


 「そこまで技術が進歩しているのか。」


 「条件を満たさないと杭ですらはねのける魔法なんてのもあったし、痕跡再現とかいう過去を見る魔法もよく使われていたぞ。」


 「過去を見る魔法は素直にほしいな。本当にこの第五世界は遅れているのだな。」


 「ちらっと見た限りでは現地人を蘇生することもできるようだった。」


 「光るヒトガタの勢力が大きく削がれ、世界渡りが一般化しているとなると、道をつなげるほかあるまい。魔法技術力の差が大きすぎる。はじめて別の世界の旅人が来たのが一ヶ月少し前となると、時間はあるまい。」


 「待て、早まるな。第一世界はその地表が汚染物質に覆われているんだぞ。」


 「おそらく、すでに第一世界や他の滅亡した世界の獣の一部が第五世界に転移してしまっている。少年肥男という獣を見たであろう。えれは、ほんの一ヶ月前から出現するようになった。そして、空乏之雷という獣は、僅か三日前が初出現だ。呑蛇は昔からいたが、いままでは凶暴ではなかった。幸福降雨は、そもそも百年に一度というレベルでしか出現したことはなかった。それが今はどうだ。毎日のように出現しているではないか。道を開けていれば、すぐに対処できたのだ。外から来た獣も、世界を渡る光るヒトガタも。いまここで第一、第二、第三、第四世界へ道をつなげる。」


 「待て、やめろ。」


 「始まりをのぞくすべての世界と道をつなげよう。封鎖はもはや意味をなさず。生きとし行けるものの世界渡りを認めよう。魔鏡は聖なる太陽の輝きを受けて今術式を示す。『ミチ』よ、今ここに開け!」


 世界が揺れて、地中から浮上した巨大な橋がかかっていく。そしてその先に巨大な五芒星が薄っすらと見えた。

主人公が元監視者に第一世界について話したことで、「ミチ」をつなげることになってしまいました。ちなみに、この元監視者、強さだとフリカッセと同レベル。フリカッセも相当強いのですが、第一世界にはモフモフ、インターネットというプレイヤーメイドのシステムがあるせいで、連合軍の中の上くらいの実力にしかなりませんね。なお総帥とあさりうまうま。

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