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033 スカラベと戻ってきた5鯖

注:シャボン玉=真空崩壊した空間のこと

  トーラス=真ん中に穴が空いたドーナツの形状

 06:00にログインして、死と龍の山脈の杭に意識を移し、杭システムをオフと念じる。


 「戻ってきたか、一体どこに行っておった?」


 「第一世界だ。」


 久々の龍の長である。私はシャボン玉をたくさん出して、自分の周りをゆっくり回転させれ見せる。


 「なかなかやるようになったようじゃな。時空属性をちゃんと使えているようで、何よりじゃ。」


 「これ以外なにもできないのだが?」


 「それだけできれば、後はここでも教えられることばかりじゃから、N40に行く必要はない。それとお主、始まりの都市が峡谷の中にあるようじゃが、何か心当たりあるかの。」


 「あっ」


 「あるようじゃな。爆雷鳥のほとんどを消し飛ばしてくれたのはありがたいが、これからは少しは環境のことを考えて攻撃するようにせい。何者かが魔法を使ったことで都市は守られたようじゃが、いつもそうでは困るぞ?」


 「あなたがたと戦ったとき、そちらのほうがひどい環境破壊をしていなかったか?」


 「規模が違うじゃろ。それに我々はしっかり後始末しておる。お主のあれでは後始末なんぞ不可能じゃ。」


 「時空属性の使い方を知りたいのだが。」


 「話をそらしたつもりのようじゃが、まあええじゃろ。お主の時空属性でできる全てをここに見せよ。」


 両手の中にボールがあると意識し、それの形をどんどん変えてゆく。そして、シャボン玉を空中にたくさん並べた。


 「なるほどのぅ。初歩ができるようになっただけのようじゃな。では、お主の操る空間を折り曲げよ。丸めよ。捻じ切れる寸前までじゃ。」


 両手の中に大きな板があると意識し、それが捻じ切れる寸前であると認識する。


 「ヴォイド・コラプス」


 龍の長が時間制限付きのシャボン玉を飛ばしてきた。そして両手の中にある捻じ切れる寸前の大きな板と認識したものにぶつかると、反発するように戻っていった。


 「できておるようじゃな。これが、時空属性の盾となるものじゃよ。時空属性においては、最強の矛と盾がぶつかりあうと、たいてい盾が勝つのじゃ。では次、お主の操る空間でトンネルを作れ。前と後ろが繋がるようにせよ。トンネルとは、縦と横のどちらかで端がつながっておる板のことじゃ。」


 両手の中に正方形の大きな板があると認識し、まず左右をつなげ、次に入口と出口をつなげた。


 「これは最も基礎的な時空属性の封印じゃ。一方向にしか自由度がなく、外に出られることもない。工夫すれば、あの爆雷鳥のレールガンをも、簡単に封じ込められるのじゃ。砲弾として飛んできたアルマジロはひたすら中を回って、いつしか止まるのじゃ。これは、球状の封印ではできぬ。中空のトーラスだからこそ、できることなのじゃよ。逆に、球状の封印でないと、真空崩壊を封じ込めることはできんのじゃ。得手不得手があるということじゃな。」


 龍の長に中空のトーラス型のシャボン玉を飛ばして見る。あっという間に球状の封印に捕獲された。


 「ふむ、面白いことを考える。これでは内側でも真空崩壊が発生し続けるため、厳密に封印不可能じゃな。内側を抑えようにも隙間なし、か。」


 球状の封印が解除され、代わりにトーラス型の封印がぴっちり張り付いた。


 「k次元の拡張中空トーラス型の真空崩壊は、k+1次元の時空属性の拡張中空トーラス型の封印が強いられる。封印できたと思って油断していれば大ダメージは免れず、仮に封印できたとしても消耗を強いることができる技じゃな。実にいやらしく、そして強力じゃ。儂はこの程度の封印など取るに足らぬほど微々たる消耗でできるがの。」


 飛ばしたシャボン玉が内側からも封印されたことがわかった。


 「今度は空間を捻じ切ってよいのじゃ。」


 両手の中にあると認識した大きな板を捻じ切る。またふわふわと、時間制限付きのシャボン玉が飛んできた。そしてそれが、捻じ切れた板の断面に触れた瞬間、シャボン玉は割れた。


 「これは時空属性のトラップじゃの。仕掛けられたと気づくことは時空属性に慣れたやつしかできんうえ、あたったものは見てのとおり空間ごと裂けるのじゃ。防御不可能じゃよ。」


 龍の長にまた中空トーラス型のシャボン玉を飛ばしてみる。今度はトーラスが二度裂け、球状の封印のなかで消滅した。


 「先ほどからお主が飛ばして来よるその技はの、封印しかできぬやつにはめっぽう強いんじゃが、今見たとおりトラップに弱いため、格下殺しにしかならんじゃろなぁ。あと儂は時空属性の転移なんぞやらんから、速く進む方法だけ教えてやろうと思うのじゃが、どうじゃ?」


 「どんな技でもありがたい。」


 「ならば、前に進むときに自分の前の空間を縮めるのじゃ。僅かに速く進めるであろうよ。」


 一発足裏にインパクトを起動させ少しだけ前の空間を縮ませてみると、1.5m進んだ。


 「こいつは素晴らしい。」


 「気に入ってくれて何よりじゃの。」

シャボン玉がものに当たって割れるのは極めて普通のことだと思います。

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