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028 スカラベと滅亡鯖の恐怖 その6

属性関係の設定ですね。

 魔法が解禁されるだけで記録はぶっ飛ぶ。魔法なしの141kmレースは10分が最速なのに、魔法ありの40000kmレースは最遅で4分。速く進むことで出てくる強い獣はみな無視される。大会でなければとても許されない暴挙だ。杭を打つ選手はほぼいなかった。杭のタイムラグが致命的になるからだと思われる。そもそも体を動かさないで二位を取った選手もいた。その特徴的な動きは双曲幾何に関する魔法だと思われる。システム魔法入門ー星の巻を受け取った私は、しばしたそがれていた。すこし読んで見る。


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 この本はシステム魔法の入門書である。魔法やスキルなどには共通した法則が存在する。道理にかなうものほど要求される対価が少ないということだ。故に、魔法やスキルを創るなら、できる限り道理に合うように作れということになる。転移の方法を例としてあげるならば、転移と言っても空間を捻じ曲げる転移、自らを希釈して濃縮する転移、扉などの概念を利用した転移、時間軸に垂直に移動する転移の中では、必要なスキルや適正の違いが存在する。確率を操るスキルをもつならば、二つ目の転移が最もおすすめだ。空間を自由に操れるなら、一つ目の方法でやるのが手っ取り早い。速く動けるならば、四つ目の方法が適している。ベクトル操作系のスキル持ちもこれでやるのが良い。想像したものを現実に出力するスキルが得意なら、三つ目がやりやすいだろう。大雑把だが、これが一番わかりやすいと思う。


 スキルには強制伝授というものがある。これは、罠だ。理解できないスキルを与えられ、無駄にスキル枠を消費する。属性スキルは、特にその傾向が強く見られる。水属性スキルを与えられて、できることすべてを瞬時にわかるものはいない。レーダーや水分補給そしてちょっとした手術など、使い道は様々だが、そもそもどうこのスキルが扱う対象を認識したら良いのだ。実際は目の前においたみずさしのなかの水に対して、「水属性スキルで念づる」だけでよい。あなたが水と思うものすべてを対象に取れるからである。時空属性スキルは、枠を九つも取るが、「目の前の空間を認識」したり、「空間に意識を移す」ことができないと何もできないのだ。もしあなたが、時空属性スキルを強制的に伝授された被害者ならば、空間を認識するスキルを別個につくる必要がある。時空属性に関するスキルが一つだけで、特にそのスキルのもたらす事象が不明瞭な場合、それを使いこなせるのはごく一部の天才だけで、希望的観測は決してするべきではないであろう。最も、システム魔法を創るならば、あなたが持つ属性スキルがどんなものであっても、使いこなせる必要がある。故に発見されている属性スキルを難易度で降順で詳しく記す。


論理属性

この属性は他のスキルの結果を受け取るときに使うものである。違うものならば出力する、同じものなら出力する、同じところだけを出力する、入力を反転させるなどその使い道は多岐にわたるが、それぞれにシンボルを紐づけないと、まともに操れない。


想起属性

或る意味でもっとも扱いやすく、最も扱いづらい属性スキルである。この属性スキルを手にしたものは理論上は何でもできるが、毎回全く同じ想像をして使えと言うのも難しい。使い方を知らないと、なにもできなくなる。シンボルを使って用いるのがおすすめ。最も直接的にシステム魔法の構築に適しているスキルである。


行進属性

「前に進め」「止まれ」「右向け右」「左向け左」「m列からn列へ、右向け右」「o列からp列へ、左向け左」など多彩なことができるが、やはり知らないと意味不明な属性スキルである。一般的に魔法の構築に便利であるとされる。


配置属性

ものを配置する属性スキル、ではない。空間に意味をもたせてシンボルを作り、配置することで発動するスキルである。システム魔法構築にも適している優秀な属性スキル。イベント会場などでこれで盛り上がる仕掛けを設置することにも使われる。ただし、やはり使い道がわかりにくいスキルである。たまに停止しないことがあるが、決められた配置から外れることで停止するため、かなり扱いやすい。ただし六次元で規則的になる配置を標準的なものに登録することはおすすめできない。スパゲッティコードなんていう次元ではなくなるからである。六次元で規則的になる配置とは、いわゆる準結晶に見られる配置のことである。平面でアインシュタインタイルのブロックを、配置するのも同じような問題がある。それらは、芸術としては良いかもしれないが、システム魔法には適さない。


幾何属性

無限と有限をつなぎ合わせる属性スキルである。論理属性、配置属性とシナジーがある。矛盾が発生すると停止する。かなり使いやすいが、表面的効果がわかりづらい。柔軟な思考が他のスキル以上に求められる。


変転属性

自分は何にでもなれる、という言葉がより直接的な効果を放つ奇妙な属性スキル。幾何属性と組み合わせて使うことで、より使いやすくできる。幾何属性スキルの出力先におすすめ。


矛盾属性

矛盾を内包するならば、どんなものであれ扱える。人間の思考は、これを扱うのに適しているのではないかと思われたことがあった。理論的にはそうなのだが、実際これを扱える人間はほぼいない。使い方は割と観点である。幾何属性スキルで自分の構想が受理されなかったならば、このスキルを試すと良い。それで起動しなければ、基本的な構文エラーということがわかるというとありがたみがますスキル。


時空属性

最も手っ取り早くこれの扱い方を習得する方法は、時空がおかしい場所で修行をすることである。そこで直感的に動けるようになれば、もうこのスキルを完全に習得したことになるであろう。


混沌属性

誤差を扱うスキルである。バタフライエフェクトが簡単に起こせるようになる。決定論に穴を開けたこの属性は、未来も過去も変動的なものであるという見方を提供した。論理的な飛躍を許容することができるため、魔法構築のお供にちょうどいい。


運命属性

運命の女神に祈るような魔法に、より決定的な結果を与える属性スキル。誰かを転移させる転移魔法の構築にこれを使うことがある。フォーチュンをファティルに変えるといえば伝わる人もいるだろう。システム魔法で混沌属性と共に使うやり方がある。使いこなせればどんなスキルよりも恐ろしい。


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 世界は広いなぁ。そして、教官の言っていたことが確かめられたのが嬉しい。時空属性は完全に罠スキルであることがよくわかった。

同じ九枠スキルなら配置属性が一番だと私は思います。

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