021 スカラベと始まりの都市防衛戦 その2
滅亡鯖連合軍、参上
延々とインパクトをアルマジロに飛んでくる方向に発動し続け20:30をの時計が示したとき、それはきこえた。
「交代要員だ。これからは私達が防衛を受けもとう。」
声が聞こえた方を向くと、そこには獣のようなものを引き連れ、巨大な棍棒を手にした異色の戦士が数多く後方からやってきた。その 後ろには、始まりの都市の神殿のとは違う神官服を着た神官が二十人ほど。こちらも一部は獣のようなものを引き連れていた。
「『ばっかるこーん』第七章 存在しないことを属性としてもつ奴らを、私は絶対に許さない。」
「こちらばっかるこーん、対非存在性属性減衰結界展開完了」
「『ひとなめどくだ』第九章 あたいの大切な都市を破壊した雷属性をもつ奴らを、あたいは絶対に許さないよ。」
「こちらひとなめどくだ、対雷属性減衰結界展開完了」
「『うしのもふもふ』第四章 高速で飛んでくるアレは絶対に許されない。来る前に落としてやろう。」
「こちらうしのもふもふ、対高速飛来物速度減衰結界展開完了」
黄金色と赤色と灰色の結界が都市を包み込む。
「アルマジロが、飛んでこない?」
誰かがポツリと呟いた。
「いや、飛んできてるさ、今もな。だが、あれを見ろ、都市に飛来する前に落ちていってんだ。」
ばっかるこーんと名乗った戦士が答えた。
「死んだやつはどこにいる?」
うしのもふもふと名乗った戦士が冒険者の死体の場所を聞く。
「こちらです。」
「さぁ我がモフモフ『カール』よ、こいつらを蘇生してやるのだ。」
「メェェェェ」
死んだと思われた冒険者がみな起き上がって、自分が生きていることに驚いていた。
棍棒を持った戦士の一人が聞いてきた。
「ぼくはあさりうまうまと言う。君、非刻印魔法持っていないわりにはやるようだね。なんて名前?」
「スカラベ。スカラベだ。プレイヤーか?」
「もちろん。僕らもプレイヤーさ。滅亡鯖のね。」
「フリカッセから滅亡した世界には旅人はいないと聞いたが。」
「あの杖でアルマジロ撃ち落としていた脳筋神官、NPCだったのか。そりゃあ滅亡鯖には防諜結界が貼られているからさ。都市が全て滅亡したあと、獣と滅亡を引き起こした奴等を全て掃討し、鯖全体に防諜結界を貼るのは大変だったよ。例え属性神的存在でも気づけなくなる結界さ。」
「引き連れている獣みたいなやつは?」
「馬鹿言っちゃいけない。あれはモフモフ。プレイヤーによって生み出された非刻印魔法でできた生き物さ。」
「で、どうする、爆雷鳥の巣への攻撃作戦に参加するかい。」
「勿論参加しよう。」
結界の外に出たばっかるこーんが声を張り上げた。
「斥候・攻撃作戦に参加するプレイヤーはここに集え!」
そっちに向かってゆくと、ばっかるこーんが目ざとく気づいて言った。
「君、5鯖のプレイヤーか。」
「そうだ。」
「爆雷鳥や他の敵を倒す気概があるなら誰でも良い。」
「勿論ある。」
「爆雷鳥の巣を破壊することは得意か?」
「得意だ。」
「視界にそれは依存するか?」
「する。」
「なら私とこのモフモフに相乗りしよう。」
巨大な翼竜に見えるモフモフが出現した。
「紹介しよう。『アウグスト』だ。」
「『アウグスト』、よろしく頼む。」
『アウグスト』が、軽く頭を下げてお辞儀をした。
「『アウグスト』は、私の創ったモフモフの最高傑作だ。毛並み、最高速度、旋回性、加速力、そして属性で、私の創ったモフモフの全てに勝る。」
「そして、乗った人やモフモフに対して、絶大なバフを掛けることができる。例えば魔回+4e1280、魔蓄+4e1280とかな。定数バフなのは、私のやり方で創るとこうなるというだけだ。+4e1280というのは、私用の調整だ。」
「まるで使いこなせる気がしないな。」
「定数バフには一つ特性があってな。定数バフよりステータスが大きく下回っているとな、ステータスがそれに慣れようとするんだ。要するに大きく上昇する。そしてその度合いはそれをどれだけ活用したかによる。だから、どれだけモフモフを有効活用できたかが、ステータスの上昇具合に寄与する。まあ頑張り給え。」
そして、私達が『アウグスト』に乗ると、『アウグスト』は大きく上昇した。他のプレイヤーも、思い思いのモフモフに乗って空を飛ぶのが見えた。一方で、都市に残るプレイヤーもそれなりにいたのも見えた。
滅亡鯖連合軍ー今や滅亡鯖は、可笑しなほど強い獣とモフモフとプレイヤーの住む魔境となった。その中でも特に強いプレイヤーが参加する義勇軍。参加条件が7e120以上の最低ステータスを持つことなど狂っていることで有名。新しく都市を作ろうとするもの、新しいシステムを魔法として導入しようとするものなど、様々な目的意識を持つプレイヤーのクラン。鯖内で支援活動もよく行っている。ばっかるこーんが総帥。




