019 スカラベと始まりの都市防衛戦その1
05:00に冒険者ギルドの杭からぬっと出てくると、だれもいなかった。そして、張り紙が見えた。
緊急事態発生
始まりの都市を爆雷鳥の群れが砲撃
光より速く飛んでくるアルマジロから都市を防衛中
全ての冒険者に告ぐ
始まりの都市を守れ
神官の長であるフリカッセ氏やガイル教官を筆頭に、誰もが防壁で奮闘している
ここで見ているあなたも、この都市の英雄の一人となれる
報酬 一つアルマジロを撃ち落とす事に一ゴールド
一つ薬を作るごとに一ゴールド
その他防衛戦への貢献への報酬は、防衛が成功したあとに支払われる
自分の住処を守れ
自分の大切な人を守れ
すぐに建物を出ると、青い光が何重にも重なって都市を覆い続け、飛んでくる何かにあたって弾けてゆくのが見えた。防壁に駆けてゆくと、衛兵が来て、言った。
「防衛に今すぐ参加してほしい。」
「承知した。」
ガイル教官の声が聞こえる。
「『ガイル』第四章 それは都市を守る輝き、都市を守り抜く覚悟、いつまでもいつまでも守り抜いてみせよう」
フリカッセの声も聞こえる。
「『フリカッセ』第三章 それは暴虐、何者をも打ち払う杖、それは決して屈しない騎士の誇り」
冒険者ギルドの受付をしていた女性の声も聞こえる。
「『ムウェジ』第二章 それは月、守ろうとする者を強くする月の光、いつまでもいつまでも照らし続けよう」
矢を射って撃ち落とす人がいれば、杖や剣、ハンマーなどで撃ち落としている人もいた。
私は飛んでくる方向に対して、ひたすらインパクトを起動し続けた。こころなしか、いつもよりも魔力消費が減り、魔力回復速度が上がっているように感じられた。
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昼になってもまだアルマジロは飛んでくる。
防衛している冒険者たちの顔には、疲れがありありと見えた。
一人、大剣で戦っていた冒険者が撃ち落とし損ねて重傷を負い、一人、ハンマーを使っていた人が回避しそこねて死んだ。
地獄は、まだ始まったばかりだった。
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夜になった。
私は、インパクトをひたすら飛んでくる場所に起動させ続け、他の人たちと共に都市を守り続けていた。
すでに、死者が私が見えただけでも十人出た。
神殿から来た神官たちは、負傷者を戦場から運び出し、ノンストップで治療をつづけている。だが、処理能力を超えるのは時間の問題だった。
絶望が都市全体を覆っていたが、口に出すものは一人もいなかった。
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爆雷鳥は脅威がある都市を襲わない。この都市は爆雷鳥にとって脅威がある。その筈だった。誰もがそれを知っていた。今やそんな能書きは、廃棄物よりも価値がなかった。
胡蝶獣の行動が滅亡のトリガーを引きました。
冒険者ギルドのプレートがなぜ建物の中にあるのか、ここで思い出して見ましょう。




