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014 スカラベと龍の長の依頼 その3

今回は終始テスカだけが喋ります。主人公は立体機動に集中しており、とても喋れる状態ではありません。

 一秒間に発生させる115000個のインパクトを全て推進に使い、マッハ347で南南西に進んでゆく。テスカはやや遅れ気味だが、距離が離れることはない。


 「スカラベ殿は人間にしては速いでござるな。さては昨日の戯れでは攻撃に使っていたスキルは、ただの推進用でござったか。道理でやけに急加速して回避し、急減速して攻撃してきたでござるな。スカラベ殿は芸達者でござるが、それではアルマジロを避けるのは厳しいでござるよ。なんせ回避ばかりに注力していれば、巣の掃討などとてもできるものではないでござるから。それきた。回避でござるよ。」


 断続的に100を優に超える鉄鎧帯獣がマッハ400を超えて飛んで来る。


 「速度を決して緩めてはいけないでござる。これだから奴等の巣には迂闊には近寄れないでござるよ。気を抜いたら即死でござるからなぁ。なんせ奴らのレールガンは弾が加速する砲身の長さが対象までの距離そのままでござるから。拙者は最低でも1000km加速させて放たれたと思しきアルマジロを消し飛ばして巣を守ったことがあるでござるが、重傷を負って死にかけたでござるよ。四十もの同胞が犠牲になった、痛ましい事件でござった。そういえば、あれは一体どこの巣から放たれたものでござったか、未だ不明でござるなぁ。」


 「爆雷鳥は高位の龍をも容易く葬るというのは、決して誇張ではないでござる。奴らが我らの巣を荒らす時には必ず、アルマジロが山ほど飛んでくるでござる。ピッタリ、爆雷鳥を避けるように飛んでくるアルマジロは、恐怖の象徴でござる。故にスカラベ殿、爆雷鳥のマネなんぞ二度となさらぬように忠告するでござるよ。アルマジロが来ないなら、好機と見て我々は潰すでござるからな。」


 どんどん爆雷鳥の巣に近づいて行くが、全く飛んでくるアルマジロの速度が緩む気配はない。


 「そろそろでござるよ。」


 速度をマッハ170まで徐々に落としてゆきながら、余ったインパクトで強引にすべてのアルマジロを回避する。巣が見えたところでその中心に28750発のインパクトを重ねて放つ。巣が一つ消し飛び、弾幕が少し薄くなった。反転して速度をマッハ200まであげ、更に二つ巣を消し飛ばした。


 「ふむ、確かに巣は消し飛び、雛も死んだようですが、親鳥はほれ、二羽だけ残ってござるな。」


 巣を消し飛ばされた怒りのためか、飛んでくるアルマジロの速度はマッハ1500を超え始めた。


 「速くなっては降りますが、ああなれば爆雷鳥といえどもガス欠は免れますまい。しばし辛抱の時でござるよ。」


 突然、アルマジロの弾幕が途切れた。


 「さあ、今行くでござるよ。今を逃せば手がつけられなくなり、その体を容易く撃ち抜かれること請け合いでござる。」


 親鳥の首を囲むように三万発づつインパクトを放った。親鳥の首はどちらも呆気なく飛び、あっさり事切れた。


 「大戦果でござる。今まで巣を消し飛ばしたことなど、龍の長が直々に出向いてようやく一つだけできたといったぐらいの功績でござるから。ブレスで焼こうにも有効射程に入るまでにほとんどの龍が撃ち落とされてしまうでござるから。さっさと凱旋するでござるよ。なんせここでは長居するとあっという間に撃ち抜かれること請け合いでござる。巣が三つなだけな筈などないでござるから。」


 一瞬だけ地上に近づき、杭を打ち込み、サンプルスフィアで亡骸を回収し、速度をマッハ347、高度を2000まで上げると、私達はマッハ500で飛んでくるアルマジロを尻目に、悠々と帰還するのであった。

瞬間的に100Gを超える機動に耐えている主人公が怖くなりました。

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