011 スカラベと空襲
私は神殿に戻ってすぐ部屋の扉をあけて、祭壇のある部屋に入った。すると何人かの神官がいた。
「そんなに急いでどうなされました?」
「何事ですか?」
「N4E4で爆雷鳥の空襲にあってな。獣の密林が焼け野原と化していったぞ。」
「それは大変です。最悪この都市が破壊されるかもしれません。」
「アルマジロは飛んで来ましたか?」
「蛾はどうですか?」
「どっちも飛んできたぞ。」
「もしかして、この都市はもう終わったかも。」
「バカ、そんなことを言ってはいけない。神官長にお伺いをしなければ。目撃者であるあなたもついてきなさい。」
ということで私は、神官達に同伴して爆雷鳥の目撃証言をすることになったのであった。
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神殿の廊下を歩いてゆくと、神官長室というプレートが掲げられた。
「失礼します。」
扉の内側から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「入りなさい。」
「爆雷鳥です。N4E4でその獣の活動が確認されました。」
「あそこか、ということは目撃したのはスカラベさん、あなたですね。大方生産にスキルが足りなすぎることに気づいてレベル上げに行ったのでしょう。」
「そうだ。轟音で地面が揺れ、狩りどころではなかったぞ。しまいには神殿に戻る寸前、アルマジロが飛んできた。」
「スカラベさん、爆雷鳥はあなたにとって最も戦いやすい敵ではありませんか。超音速で飛びますが、その軌道はほぼ直線です。インパクトを鳥の前方に置けば、あっという間に墜落する筈です。空ごと消し飛ばしてやりなさい。あの鳥に加減なんてものはありません。ここで躊躇えば都市ごと消し飛ばされますよ。 すでにあの鳥はこの都市を見つけている筈ですから。」
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そして杭を打ち込み、すぐにクレーターに転移した。鳥が、戻ってくるところだった。
爆雷鳥lv???x4
纏雷蛾lv???x10000~100000
鉄鎧帯獣lv???x100~1000
インパクトを鳥の前方7kmに5000個づつ、鳥の位置確認から0.5秒後に起動した。鳥は一瞬で粉微塵になった。何かが落ちてくゆくのが見えたので、そのすぐ下に20000個のインパクトの弾幕を起動。全て空中で爆発四散した。さらに落ちた欠片をサンプルスフィアで回収した。
足裏にインパクトを発動させて、マッハ20で空を駆け上がり、北西に向かって飛んでゆく。地上を消し飛ばしながら飛んでゆくその姿は、まるで自分が爆雷鳥になったかのようだった。山脈が見えたので速度を落として着陸すると、アナウンスが流れる。
「N20E20ー龍と死の山脈に到達しました」
杭を打ち込むと、すぐに空から龍が現れて言った。
「爆撃しながら飛ぶとはアレを思い出させてくれるな、死んでもらおうではないか。」
「まあ待て、話せばわかる。」
「問答無用!」
インパクトを十個使って緊急回避を行い、マッハ30で空を駆け上がってゆく。自分のすぐ下を、極大ブレスが消し飛ばしていった。お土産代わりに龍の位置を中心に正二十面体上にインパクトを累計一万発起動した。山脈が崩れ、ほぼ無傷の龍が、突っ込んでくるのが見えた。そして、戦場に百体近く龍の魔力反応が増
えた。極大ブレス百個が、空を薙いでいった。
「ラヴァ・ウォール」x100
私はインパクト一万個を一点に重ねて突き破る。
「ケラノウス・ジャベリン」x100
急上昇を重ねて回避するついでに逆鱗と思しきところに千づつ十体に撃ち込むと、その十体は墜落していった。私はサンプルスフィアで水素を集めながら駆け巡ってゆく。
「ヴォイド・コラプス」
後方よりシャボン玉のように見えるものが発生。慌てて爆縮で核融合を起こして爆発で加速膨張してゆくシャボン玉から逃げ切ると、一瞬生まれた太陽が、あっという間に飲み込まれてゆくのが見えた。
「ヌル・レイ」x90
不可視の光線が触れたものを全て消滅させてゆくのを肝を冷やしながら回避していく。シャボン玉を撃ったと思しき龍の逆鱗に一万発重ねてぶち込むが、効果なし。
「クラスター・クーリング・ミサイル」x90
天空も地上も絶対零度となり、ありとあらゆる生き物が死んでゆく。バレルロールで全弾回避する。ついでに十体墜落させる。
「ダイダル・ウェイブ」x80
山脈の高さを超える水が大地を覆う。二十体の逆鱗に当てて十五体撃墜。
「フィックス・スター」x65
マップ全体が水蒸気爆発に巻き込まれる。インパクトでこっちに来る余波を消す。ついでに十五体撃墜。
「こやつ、人間にしてはなかなかやりおるではないか。それに免じて爆雷鳥のマネをしたことをゆるしてやろう。」
シャボン玉を放ってきた龍が言った。すると突き刺さっていた数多の殺意の視線と攻撃がパタリとやんだ。
「爆雷鳥のことを知っているので?」
「我らの縄張りを侵し、獲物を横取りし、卵をこわす、実に忌々しい奴らじゃよ。」
「そうすると、私がN4E4で遭遇したアレは、かなり弱い個体だったので?」
「そんなところで狩りをする爆雷鳥など、聞いたことがない。恐らく突っ張ったかなり幼い個体じゃな。そんなものばかりであったら、どんなに良かったか。」
「そうじゃ、御主、爆雷鳥の巣を襲撃しに行く気はないかの?巣を一つ潰すごとに我々の秘術を授けて遣わそう。確かS10E10からS15W10に巣を多く見たが、近寄れんかったとの報告を斥候から受けておってな。」
「わかった。引き受けよう。」
「準備が整ったときにまたここに来るがいい。監査役の龍を一体遣わす。」
そして私は神殿の杭に転移した。
ヴォイド・コラプスー真空崩壊を一時的に引き起こす、強力なスキル。時間で消えなかったら、宇宙にあるものすべてが塗り替えられ、破壊される。龍の長が好んで使うとされるが、龍の長以外使えないというのが真実である。




