ご機嫌
「あたし、この間ロージャン様にプロポーズしてきたわ」
「ついに!! どうだったの?!」
「詳しく言うと恥ずかしくなっちゃうから詳しくは言わないんだけど、可愛いホテルを見つけたからロージャン様と一泊しようと思って予約してね。そこのホテル、バラ園があってね。夜になるとライトアップされるって言うんで、ロージャン様とゆっくり歩いて素敵なあずま屋があってね。そこに二人で座ってずっとこうして居たいわねって言いながらロージャン様に贈る婚約指輪を取り出して『これから先もあなたと色んな光景を見たい。前世でも結婚して今世も来世もその次もずっとずっと結婚してください』って……ちょっと恥ずかしくなって来ちゃったんだけどね、ロージャン様の返事が『もちろん。君だけを永遠に愛する』ってもう……毎日思い出してはニヤニヤしてたら同僚に『キモ過ぎ』って失礼な事言われちゃうようになったんだけど、でも、それだけ嬉しかったんだから別にいいじゃないのねえ。あ、これ、ロージャン様が婚約指輪つけてくれたのよ。見る? ていうか、画像あげるわ」
「ありがとう。でも、詳しく言わないんじゃなかったの!? めちゃくちゃ詳しく言ってたような気がするんだけど!」
「あら、そう? もっと詳しく話す? そうね。今日泊まってきなさいよ。一晩中でも話しましょ。なんなら前世ロージャン様にプロポーズされた時の話しもするわよ」
「いや、もういいです。お腹いっぱい」
「あら、そう。つまらないわね。どうせなら全世界に向けてロージャン様はあたしのもんだって知らしめたいわ!!」
「雅志ったらあんまりシュネーを困らせちゃだめよ」
「あ、姉さん。婚約おめでとう」
「ふふ。ありがとう。一緒に式場選んでくれる?」
「私も? 雅志と決めるんじゃないの?」
「あのね、前世であんた先に死んじゃったじゃない。しかも、結婚もせずに。男だったら童貞のまま死んだようなもんよ」
「ちょっと言い方!!」
「それでね。可愛い妹に前世で出来なかった事をしてあげたくて」
「だから、気持ちだけでもあんたに結婚式の雰囲気を楽しんでもらいたいって、ロージャン様が言ってね」
「シュネーはわたしとお揃いのドレス着るのよ」
「姉さん……ごめん。ちょっと泣きそう」
「泣かないでよ。あんた泣いたらブスなんだから」
「ちょっと! 失礼なんじゃないの?! 姉さん、今日はお祝いに奢るわ」
「やった! じゃあ、あたしは」
「雅志には奢らないわよ」
「何でよ! あ、まさかあんたさっき言った事気にしてんの!? 狭量よ!! いいからあたしにも奢りなさい!」
「やだー」
「ふふ。そうね、カンパリビアを。それから、雅志のはわたしが奢るわ」
「あ、姉さんが奢ったら意味ないじゃない。仕方ないから雅志にも奢ってあげる。何飲む? 一杯だけよ」
「ケチね。じゃあ、キャロルをロージャン様に」
「自分の分は?」
「どうしよっかな?」
「じゃあ、わたしが頼んだカンパリビアにすれば?」
「そうね。そうするわ」




