もう一度素敵な恋を
「あれ? 今日、姉さんは?」
「ちょっと、あたしだけじゃ不満なの!?」
「いや、そういう訳じゃないけど……」
「ふーん。まあ、いいけど。ロージャン様なら撮影でバリ島行くって言ってたわよ」
「えっ、いいな! 私も連れてって欲しかった」
「お土産買って来てくれるって言ってたから我慢しなさい」
「いや、バリ島言ったらエステでしょ。私もやってもらいたい!!」
「あんたはその辺のおっさんがやってる整体にでも行きなさいよ」
「嫌よ。ていうか、私と姉さんの扱いに差がない?」
「あるに決まってるでしょ。今さらあんたに遠慮なんてしてたら気持ち悪いだけよ」
「それもそうね」
「ちょっとそこのバーテンダーのお姉さん。パンチェッタとアンチョビのパスタと……あんた何か食べる?」
「私はメリー・ウィドウちょうだい」
「あんたに素敵な恋が出来るの?」
「したいから願いを込めて注文するんじゃない!! お姉さんも私の恋応援してね!」
「やめなさいよ。お姉さん苦笑いしてるから」
「いいじゃん。これぐらいお姉さんも酔っ払いの対応で慣れてるだろうし、酔っ払いの中では可愛いもんでしょ?」
「十分タチ悪い酔い方だわよ」
「どこが?」
「やだ。自覚症状なしとか怖すぎる。あんたもう今日はお酒やめときなさい」
「やだー!!」
「やだじゃないの。ごめんなさいね。お姉さんの仕事増やしちゃって」
「恥ずかしいからやめてよ。お姉さん苦笑いしてんじゃん」
「恥ずかしいような事させてるのあんただからね。この、酔っ払い」
「うるさいな。まだ酔っ払ってないわよ」
「はいはい。お姉さんありがとう。ごめんなさいね。うるさくて、ほら、そこで大人しく飲んでなさい」
「あ、あんたのそれ美味しそう。お姉さん私にも同じのちょうだい」
「ぶくぶくと肥えるわよ」
「あんただって食べてるじゃん」
「あたしはいつもジム行って鍛えてるからちょっとやそっとじゃ太らないわよ。ていうか、あんた最近太った?」
「えっ! 嘘!?」
「頬とかふっくらしてきたし、多分お腹のお肉つまめるんじゃない? つまんであげようか?」
「やめろ」
「太ったのね」
「……太ったわよ。ええ、確かに太ったわよ! でも、ちょっとぐらいいいじゃないの!!」
「逆ギレ? 面倒くさいわ。そんなんだから新しい男が寄って来ないのよ」
「いや、ワンチャンあるって願ってよ。マジで」




