予期せぬ出来事
予期せぬ出来事
「シュネーいいでしょう? ちょっとだけだから」
「ね、姉さん! は、離れてください」
「あら、ちょっとぐらいいいじゃないの」
「……あんたたち何してんの?」
「雅志! 遅かったわね」
「だから雅志言うな……もう、いいわ。あんたたちに言うだけ無駄だもの」
「あら、諦めちゃうんだ?」
「仕方ないでしょ。それより、あたしがいない間二人で何してたの? まさか、浮気?」
「違うわよ」
「姉さんが持ってる服で私に似合いそうなのがあるからって口説かれてたの」
「なるほど……でも、モデルの服なんてあんた着れるの?」
「シュネーは痩せてるから大丈夫じゃない?」
「そうじゃない」
「確かに姉さんと比べると見劣りするから私はちょっと……」
「そう? 問題ないと思うよ。化粧だってもう少し派手にしても良さそうだし」
「派手にしたら職場の人にびっくりされちゃうからちょっと」
「休みの日だけでも」
「いいのよ。この子はこのままでいたいって言ってるんだし、このままで。もし、厚化粧でもしてまた変な男に引っ掛かっても面倒くさいし」
「それもそうね。あ、バーテンダーのお姉さんハンターちょうだい」
「ねえ、私の事ダメ男ホイホイみたいな言い方しないで」
「あら、ごめんなさい」
「でも、シュネーは前世の事思い出すと……」
「姉さんごめんなさい。私も気をつけるから泣かないで」
「厄介者ともう会う事もないんだから色々したいっていうロージャン様の気持ちは分かるけど、シュネーはこのままでいいのよ。下手な事してまたケルヴィン様みたいな厄介者が来たらどうすんのよ」
「言い方にトゲを感じるんだけど」
「気のせいよ」
「本当に? それよか、あんた今日遅かったけど、どうしたのよ」
「ん~。ちょっと」
「何? 私たちに言えないような事?」
「違うわよ。だから泣かないでロージャン様!! ちょっと、ケルヴィン様見て来たのよ」
「なんで!」
「いや、あたしバーで見ただけだから顔をあんまり見てなかったようなって思ってね。昼間っからあんたが前勤めてたとこまで行って来たのよ」
「わざわざ見に行かなくてもいいじゃん。もう関係ないんだし」
「そう思ったんだけど、ケルヴィン様も一応前世からの知り合いっちゃ知り合いじゃない。それで、あ、もちろんあんたの事は喋ってないけどさ、飲んで来たの」
「なんで!」
「つい。ノリと出来心で」
「雅志、何話したかわたしに教えてくれるわよね?」
「イケメンのダメ男って面倒くさいって感じだったわ。大して面白い話もなかったし。今日はお開きにしましょ」




