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仙境異聞 霞  作者: 神楽坂 幻駆郎
第1.5話:妖檄舎、引っ越し騒動記
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3.真なる銃

保管庫を出た霧子が、ほくほくとした笑顔で鷲尾の元に戻る。

その両手は、無手だ。

「仙道……銃を返してもらったんじゃないのか?」

鷲尾が不思議そうに問いかける。

「ああ、返してもらったよ? 私の真銃をな……」

霧子が上機嫌で、ニヤリと微笑む。

「しかし、お前……」

空手じゃないか、と言いかけた鷲尾の肩を、霧子がポンとつかむ。

「だからさ、撃ちに行こうぜ!」


霧子と鷲尾は、そのまま本庁地下二階の、射撃練習場に移動した。

「よく見てろよ、鷲尾ちゃん……」

シューティング・レンジに立つ霧子が、神妙な面持ちでターゲットを注視する。


「レディ……ビルド!」


霧子が言い放つと、銃を構える様に差し出された右手の手の平に力場が生じ、瞬く間に銃の姿を形成する。


その姿は、Colt:Dragoon。


かつてアメリカ西部の黎明期を制した、伝説のパーカッション拳銃だ。


「ファイア!」


霧子が引き金を引くと、旧式拳銃の銃口から青白い稲光が咆哮となって迸り、的を焼き尽くす。


「次! リ・ビルド!」


霧子の号令で、右手の銃はさらに変化する。


その姿は、Winchester rifle:M1894


その銃身とストックを更に切り詰めた、近接戦闘用のランダル・カスタム。


構えるや否や、散弾とスラッグ弾が左右の的を粉砕する。


千々に砕ける標的を眺めながら、霧子が舌で唇を濡らす。


「どうよ、鷲尾ちゃん、ビビったか! これがこれから野に放つ、野獣の真の力だ」


そう言って、霧子がニヤリと笑う。


「全く、後悔しているよ……これほどの戦力が離れるとはな……」


鷲尾は霧子の実力に怯え、嫌味を盛るので精一杯だった。


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