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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
二章 魔族領編 王の資質

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勘違いです

ドールから溢れた炎は大広間全体に燃え広がっていった。

危機一髪でアインは白霧の羽衣(しらぎりのはごろも)を纏い、泣いてパニックになっているアイシャと一緒に氷の盾で難を逃れた。


じゅうぅぅぅ


だが、火の勢いは衰えず、このままでは氷の盾ごと燃やされそうだ。

俺は、泣き喚いてる少女を見て、あれをどうにかしないとと考えた。

(坊主、交代だ)

「え?うん」


すぐに交代する。

(どうするの?)

「すぅぅぅぅぅーーーーーーーーっ」

坊主と交代した俺は思いっきり息を胸に吸い込んだ。

心の中で坊主に詫びて、半狂乱になっている少女を引き寄せる。その口を坊主の口でふさぎ息を吹き込んだ。

(っ!)


少女は驚いて正気を取り戻す。

「んんん゛!」

暴れて離れようとするが、俺は離さず息を吹き込み続ける。


そして、炎の精霊を呼び出し魔法を使った。


炎の円陣(フレア・サークル)。。。。はじけろ(バースト)


ヴォンッ!シュウゥゥゥ


周りに円形の炎の輪が現れ俺たちを包み、その後に爆発の衝撃が周囲に走った。

瞬間的に酸素濃度が下がり、燃え盛っていた炎が消え去る。


爆発の跡には、酸欠で気絶した少年と少女の二人が折り重なって倒れていた。

ドールの姿はそこには無く、炎は消し飛び大広間は見るも無残な姿へと変貌していた。


がら、がらがら。。。


丸い土のシェルターが崩れて中から、戦いを観戦していたナージャたちが姿を現した。


「ああああぁぁぁぁああああ。城がぁぁぁ」

エラランが泣き崩れて膝をつく。


「派手にやったもんだなぁ」

「ありゃりゃ」

カイルとリタは変わり果てた大広間を見てあきれた。


「あぁーあ。あたし知ぃーらない」

「こりゃ修復が一苦労じゃ」

有翼人シルフのフアラは匙を投げ、土穴族ドワーフのゴージはなぜか嬉しそうだ。


「アイン!」

ミリーが少年に駆け寄って安否を確認する。

体に積み重なっていたアイシャを押しのけて少年の顔を叩く。

「う、うぅぅん」

反応を確認してほっとする。


「姫様ぁぁ!」

カーラがアイシャの体を揺さぶる。

「んんん」

こちらも、反応がありカーラが抱き抱えて安心している。

ミリーの方を向いて、「早く医務室へ!」と言い少女を抱き上げて走り出す。


「俺が運ぼう」

カイルが申し出て、アインを抱き上げる。


「お願いします」

ミリーが先導してカーラを追う。


アイシャの癇癪から始まった大広間の騒動は、これで終わった。


。。。


二人が医務室に運ばれてしばらく経った後。。。


医務室でアイシャが騒いでいた。

「あああ、あんたぁ!何てことしてくれたのよ!あたしに、きききっキスぅするなんて。。。ああ、あたしのこと好きなの!?」


顔を真っ赤にしてアインに、さっきの行動が何なのかとキーキーと喚いている。


少年は遠くを見て死んだような目で、子供がしてはいけない虚無の顔でただ聞いていた。


「何で僕がこんな目に。。。」

(ま、まあ、あのままだと酸欠で二人ともくたばってたからな、人命救助だ。事故だ事故。ノーカンだから。。。な?なあ、話聞いてくれよぉ)

俺は弁明を繰り返した。


その時に何があったか見ていなかった付き添いのミリーは、きょときょとしたり、おろおろしたりして落ち着かない。

少年の様子を見て、聞いちゃいけないことだと察して声をかけられないでいる。


「よぉ気が付いた。。か?」「何これ、どういう状況?」

ギャーギャー喚いてるアイシャと、虚無の表情のまま反応しないアイン。おろおろしているミリーという絵面えずらに、様子を見に来たカイルとリタがその場で固まった。


ナージャがその後からその光景を覗く。


「まあ、なんじゃな、皆無事でよかった」


ありきたりの事を口にして去っていった。


医務室のにぎやかさは夜遅くまで続いた。


。。。


王城の地下には土穴族ドワーフが作ったとされる迷宮ダンジョンがある。

何のために作られたのか、今ではそれを知る者はいない。

かつての王はこの迷宮を制覇し、知られざる秘宝を手に入れたという。

だが、それが何だったのかは伝承すらも残っていなかった。


迷宮はいくつもの罠が張り巡らされ、いつの間にか魔物までが巣くう魔窟と化していた。

その最奥にある部屋に、それはあった。


黄金に輝くその物体はひし形で、周りに構成物と思われる直方体の粒が散乱している。

骸晶構造を持つそれは、ビスマスが結晶化したときのような幾何学的な形状が見える。

その中心には怪しい輝きを灯した紫焔色の宝珠がはめられていた。


千年の時を経てなお美しい輝きを放つその石に光が宿る。

その光はまるで、そこに辿り着く者を待つようにゆらゆらと揺れていた。



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